「ジャパンモビリティショー2025」(JMS2025、モビショ―)の会場を歩いていると、映画『スター・ウォーズ』の世界観に満ちあふれた漆黒のキャンピングカーに遭遇した。今にもダース・ベイダーが降りてきそうな雰囲気のこのクルマ、いったい、どんな背景で誕生したのだろうか。製作したトイファクトリーに話を聞いた。
ファン必見! スター・ウォーズの要素が満載
トイファクトリーがモビショ―に出展しているのは「DA VINCI 6.0 STAR WARS EDITION」という車両。フィアット「デュカト」をベースとする同社のフラッグシップモデル「DA VINCI」に『スター・ウォーズ』の世界観を落とし込んだ世界限定5台の超レア車だ。今回が世界初公開となる。
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トイファクトリーが「ジャパンモビリティショー2025」(会期は11月9日まで)に映画『スター・ウォーズ』シリーズ公式ライセンスキャンピングカーを出展。ブースは「キャンピングカーゾーン」(東京ビッグサイトの東8ホール)にある。トイファクトリーの出展期間は11月3日までらしいので、実物を見たい方はお早めに!
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ベース車両はフィアット「デュカト」(L3H2 日本仕様車、2,184ccの直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載、ボディサイズは全長5,995mm、全幅2,100mm、全高2,620mm、室内高1,880mm)。ボディカラーは「デス・スター」を模したメタリックブラックだ
この車両は映画『スター・ウォーズ』シリーズの公式ライセンス商品となっている。トイファクトリーは以前からディズニーとライセンス契約を結んでいて、これまでに『トイ・ストーリー』や『ライオン・キング』などをテーマとするキャンピングカーを制作してきた実績がある。今回は『スター・ウォーズ』の、しかもあえて「帝国」側の成分が多めなクルマを制作。どんなクルマなのか、トイファクトリーの方に細かく教えてもらった。
映画『スター・ウォーズ』(本編)は全部で9作品だが、このクルマは公開時期が最も早かったエピソード4~6のモチーフが多めだ。往年のファンに刺さる要素が盛りだくさんな内容となっている。ヨーダやチューバッカ、R2-D2など、映画には個性的なキャラクターがたくさん登場するので、クルマに要素を落とし込むとしたら、どうしてもキャラのイラストや造形物をてんこ盛りにしたくなってしまいそうなものだが、トイファクトリーはどちらかというと『スター・ウォーズ』の世界観を空間で表現しているような感じ。大人な雰囲気だ。
ちなみに、ざっくりといえば、『スター・ウォーズ』においては帝国軍が悪玉、ルーク・スカイウォーカーやハン・ソロのいる反乱軍が善玉という描かれ方をしているのだが、なぜトイファクトリーは敵役である帝国軍およびダース・ベイダーの世界観をクルマに落とし込んだのだろうか? なんとなく、「正義の味方」とコラボした方がイメージがよさそうな気がするのだが……。
この点についてトイファクトリーの広報担当に聞くと、「反乱軍側でも企画は立ててみたんです。ただ、反乱軍って、けっこう、砂っぽい世界じゃないですか? 砂っぽくて汚れた感じがカッコいいとは思うのですが、それを新車で表現することの難しさといいますか、矛盾があったので、帝国軍のモチーフにしました」とのこと。とても納得できる回答だった。
購入者は抽選で決まる見通し
2026年5月22日の映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』日米同時公開を控え、世の中のスター・ウォーズ熱がじわじわと高まりつつあるこの時期に登場した「DA VINCI 6.0 STAR WARS EDITION」。世界5台の限定車だが、すでに生産台数を超える購入希望の声が届いているそうだ。購入者は抽選で決める方針で、2025年内は抽選への申し込みを受け付けているそうなので、興味がある人はチェックしてみよう。
クルマの値段は2,187万円(諸費用別)。この価格設定を見てニヤリとしたあなたは、相当な『スター・ウォーズ』通だとお見受けする。というのも、この「2187」という数字、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』において、デス・スターに捕らわれたレイア姫が収監される独房に振ってあった番号と同じなのだ。
念のため、「クルマの値段って、そんな感じで付けて大丈夫なんですか?」と聞いてみたのだが、トイファクトリーの広報担当は「まあ、企画ものなので(笑)」としつつ、「リアルに2,000万円前後のモデルなっていますし、意味のある数字にしたいという思いもありまして」と話していた。
ディスニーの世界観をクルマに落とし込むトイファクトリーの腕前を見て、いろいろなところから「お声がけを頂いている」と広報担当。今後、どんな作品とのコラボ商品が生み出されるのかにも注目しておきたい。





























