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シャークのシミ取りクリーナーを検証 - ソファやラグも水洗い、カーペットの汚れは本当に落ちる?

Updated OCT. 30, 2025 21:51
Text : 倉本春
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カーペットやソファといった布製品に飲み物をこぼし、目の前が真っ暗になったことはないだろうか。こういった汚れは、濡れたフキンなどで掃除をしても繊維の奥にとどまり、時間とともに浮かび上がりがちだ。

そんな染み込み汚れを掃除する家電が、液体汚れを吸い込む「リンスクリーナー」というもの。アイリスオーヤマが先行して市場を開拓したジャンルだが、製品の選択肢はまだまだ多くない。

今回、コードレス掃除機の世界的なトップメーカーであるシャークニンジャが、「Shark StainForce(ステインフォース)コードレスシミ取りクリーナー(HX100J)」(以下、StainForce)を発売。同社初となるリンスクリーナーの実力はどのようなものか、実際の洗浄力や使い勝手を検証してみた。StainForceの直販価格は2万9,700円だ。

  • シャーク初のリンスクリーナー「Shark StainForce コードレスシミ取りクリーナー」

    シャーク初のリンスクリーナー「Shark StainForce コードレスシミ取りクリーナー」

スタイリッシュなボディに、洗浄力や使い勝手を高める独自機能

StainForceは液体を吸引掃除できるリンスクリーナー。本体サイズは幅79×奥行き99×高さ452mmと、なかなかコンパクト。バッテリー駆動なのもポイントで、見た目もハンディクリーナーのようでスタイリッシュだ。

  • シャークニンジャの大人気ハンディクリーナー「EVOPOWER」シリーズに似た本体デザイン。重さは約1.09kg

    シャークニンジャの大人気ハンディクリーナー「EVOPOWER」シリーズに似た本体デザイン。重さは約1.09kg

リンスクリーナーは、基本的に「液体を吸い込む」タイプの掃除機。たとえばワインをこぼした場合、まず汚れた場所に水などを吹きつけて汚れを浮かせ、その水ごとワインを吸い取るというのが一般的な使い方だ。

StainForceも同様の構造を採用しているが、付属の専用洗剤を組み合わせることによって、より高い洗浄力が期待できる。また、本体と専用洗剤を収納できるキャリーケースも付属。このケースを利用して、本体内部を自動洗浄できる点もユニークだ。

  • StainForceに付属する専用洗剤。ボトルは内部で2つに分かれており、汚れを浮かす弱アルカリ性の「Shark Deep Clean MAX」と、色素汚れを分解する弱酸性の「Shark OXY Multiplier MAX」をスプレー時に混ぜ合わせる仕組み。StainForceで利用した場合、水だけの場合と比べて約2倍の洗浄力になるそうだ

    StainForceに付属する専用洗剤。ボトルは内部で2つに分かれており、汚れを浮かす弱アルカリ性の「Shark Deep Clean MAX」と、色素汚れを分解する弱酸性の「Shark OXY Multiplier MAX」をスプレー時に混ぜ合わせる仕組み。StainForceで利用した場合、水だけの場合と比べて約2倍の洗浄力になるそうだ

  • StainForce本体とスプレーを収納できる専用キャリーケース。ハンドル付きなので、布製品などが汚れたときにサッと持ち運んで即時に掃除できる

    StainForce本体とスプレーを収納できる専用キャリーケース。ハンドル付きなので、布製品などが汚れたときにサッと持ち運んで即時に掃除できる

キャリーケースに充電機能はなく、充電時は本体に電源プラグを直接つなぐ。プラグはマグネット式なので本体に近づければピタッとくっつき、差し込み式よりも断然手軽。子どもやペットがコードに引っかかっても転倒しにくい構造なのもうれしい。ただ、付属のキャリーケースにプラグを収納するスペースもあるとよかった。

  • 近づけるだけで装着できる手軽なマグネット式プラグ。約4時間の充電で14.5分の連続運転が可能

    近づけるだけで装着できる手軽なマグネット式プラグ。約4時間の充電で14.5分の連続運転が可能

汚れは本当に落ちる? 実際に試してみた結果

StainForceの使い勝手を確認するため、まずは白いカーペットにカップ半分ほどのコーヒーをこぼして掃除してみた。

まずは、カーペットに染み込んだコーヒーをStainForceで大まかに吸い込む。実際に操作してみると、適当にヘッドを動かしただけでは吸引できず、ヘッドをやや立てるように角度をつけると効果的に吸い込めた。ヘッド上部が透明になっているため、汚れが吸い込まれていく様子を確認しながら角度を調整するのがコツだ。

  • コーヒーをカップ半分ほどこぼしたところ

    コーヒーをカップ半分ほどこぼしたところ

  • StainForceで掃除中のヘッド。ヘッドをうまく接地させると、汚れを吸引しているところが目に見えて楽しい

    StainForceで掃除中のヘッド。ヘッドをうまく接地させると、汚れを吸引しているところが目に見えて楽しい

吸引できるだけのコーヒーを除去した後は、こぼした部分に専用洗剤をスプレーし、吸引作業を繰り返す。

一度の吸引ではそれほどキレイにならなかったが、5回ほどスプレーと吸引を繰り返すと、汚れが気にならない程度まで白さが戻った。スプレーした洗剤に汚れを移し、それを吸い込むことで徐々にカーペットの汚れを薄めていくというイメージだ。

白いカーペットをきれいにするまでに15分ほどかかったため、正直いえば「布製品の汚れが手軽に落ちる」とまでは言えない。しかし、布製のソファやラグ、カーペットを汚してしまったときに、自分の手で汚れを落とせる手段があるという安心感は大きい。

  • コーヒーを吸引しただけのカーペット。汚れは薄くなったがキレイとは言えない

    コーヒーを吸引しただけのカーペット。汚れは薄くなったがキレイとは言えない

  • 1度目のスプレーを吸引した後のカーペット。汚れがやや薄くなった。多めの水分で汚れを浮かし、吸い込むことを繰り返す

    1度目のスプレーを吸引した後のカーペット。汚れがやや薄くなった。多めの水分で汚れを浮かし、吸い込むことを繰り返す

3種類の汚れと1年放置カーペットで比べてみた

さらに、家庭で発生しやすい3種類の汚れでテストしてみた。トマトケチャップ(粘度ある色素汚れ)、コーヒー(繊維に染み込みやすい汚れ)、ラー油(油分汚れ)を白いカーペットにこぼし、「濡らした雑巾で叩き洗い」と「StainForce+専用洗剤(スプレー2回)」で5分ずつ掃除して比較する。

結果は明確で、トマトケチャップとコーヒーの汚れはStainForceがとても良く落ちた。専用洗剤を使うことで汚れが繊維から浮き上がり、吸引するたびにStainForceのタンクに濁った水が溜まっていくのが見てわかる。

一方で、ラー油のような油分を含む汚れは、どちらの方法でもあまり落ちなかった。油汚れは油分を分解できる洗剤を使用してから、水とStainForceですすぐといった一手間を加える必要がありそうだ。

  • 写真上が掃除前、写真下が掃除後。汚れは上から純に、トマトケチャップ、コーヒー、ラー油。StainForceは専用洗剤を2回スプレーして掃除した

    写真上が掃除前、写真下が掃除後。汚れは上から純に、トマトケチャップ、コーヒー、ラー油。StainForceは専用洗剤を2回スプレーして掃除した

汚れは極力「すぐ落とす」ことが基本だが、経年による汚れが落ちるのかも気になる。そこで、我が家の倉庫で眠っていた、1年間掃除機だけで手入れしていたカーペットでも試してみた。

「StainForce+専用洗剤(スプレー2回)」で掃除をした結果、全体に沈んでいたトーンが明るくなり、全体的にスッキリとした印象になった。StainForceはヘッド先に固めのブラシがあるため、経年汚れに加えて掃除機だけでは落ちなかった毛玉も掃除できている。

ただしStainForceのブラシ幅は約6cmしかないため、広い範囲を掃除するにはかなりの時間と労力が必要。製品名に「シミ取りクリーナー」とあるように、ラグやソファなどを全体的に掃除するというより、食べ物をこぼしたときやペットの粗相など、スポット汚れに利用するのが現実的だろう。

  • 左側が掃除前、右側がStainForceで掃除したあとのカーペット。ちなみに、StainForceで水分を吸引した後はカラカラに乾燥するわけではなく、しっとりと湿った感触だ

    左側が掃除前、右側がStainForceで掃除したあとのカーペット。ちなみに、StainForceで水分を吸引した後はカラカラに乾燥するわけではなく、しっとりと湿った感触だ

  • StainForceのヘッド先。標準では固めの黒いブラシだ。ブラシを裏返すとシリコン状のブラシも利用可能。こちらはデリケートな素材を掃除するときに向いている

30秒の自動内部洗浄搭載。分解すればすみずみまでキレイに

付属のキャリーケースで自動洗浄ができる点も、StainForceの特徴だ。キャリーのカップ部分に水をいれ、本体をセットして約30秒動作させると、汚水が通る内部経路を自動で洗ってくれる。掃除後は「汚水を捨てる」→「自動洗浄」→「洗浄水を捨てる」として、簡易的なメンテナンスが終了だ。

  • キャリーケースのカップに水を入れて自動洗浄しているところ。カップ部分は取り外しできて水洗いもしやすい構造

    キャリーケースのカップに水を入れて自動洗浄しているところ。カップ部分は取り外しできて水洗いもしやすい構造

  • しっかり掃除したい場合は分解して各パーツを水洗い。フィルター部にはホコリなどの固形汚れが溜まるので、個人的には毎回分解掃除をしたいところ。慣れればそこまで手間にも感じなかった

StainForceは、ヘッドを軽く滑らせるだけで汚れが落ちる――といった魔法のような手軽さはない。しかし、食べ物をこぼしたときやペットが粗相をしたときなどに、ラグやソファ、カーペットを雑巾よりもはるかに清潔にできるのは大きな強み。

コンパクトで見た目もスッキリしていて、専用ケースで持ち運びもしやすい。子どもやペットがいる家庭、あるいはファブリック製品の多い家庭なら、1台あるといざというときに頼れる存在になってくれるはずだ。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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