ビットコインの価値はいったいどこまで上がるのか、GAFAMが支配するビジネスとWeb3の決定的な違いとは? この記事では、これからの資産形成やビジネスに新たな視点を与える一冊『デジタル資産とWeb3』(小田玄紀/アスコム)から一部を抜粋して紹介します。
今回のテーマは『「ステーキング」という新しい投資法/投資も「分散」が基本』
「ステーキング」という新しい投資法
暗号資産への投資も、基本は安く買って高く売ること、いわゆる「キャピタルゲイン」が狙いです。
それに加えて最近、新しく登場したのが「ステーキング」という投資法です。やり方は簡単。
イーサリアムなどコンセンサスアルゴリズムとしてPos(プルーフ・オブ・ステーク)を採用している暗号資産を購入し、専用のウォレットに入れて暗号資産交換所に預けておきます。すると、暗号資産交換所ではそれを利用してブロックチェーンの運用(PoS)に参加。その報酬が還元されるという仕組みです。銀行に預金すると金利が付くのと同じようなもので、「インカムゲイン」といえます。
日本人は銀行預金など安定的に金利が入ってくる商品を好む傾向があり、暗号資産のステーキングは日本人との相性が良いと思います。
投資も「分散」が基本
なお、ステーキング報酬の割合(ステーキング率)は暗号資産によって異なり、イーサリアムの場合、年間3%程度です。暗号資産によってはもっと高いステーキング率のものもありますが、それはボラティリティ(価格変動率)が高い銘柄なので注意が必要です。
どのような投資にも当てはまることですが、基本的にリスクとリターンは比例します。高いリターンが見込める商品はその分、リスクも高いのです。
大事なことは、投資に回すのは余裕資金に限ることです。そして自分が許容できるリスクに見合った商品を選ぶことです。そもそも借入をしてまで投資を行うことは推奨しません。
そして、リスクをコントロールする点で重要なのがやはり「分散」です。
投資における分散には二つの意味があります。ひとつは「投資対象」の分散で、もうひとつは「売買のタイミング」の分散です。
投資には昔から「卵はひとつの籠に盛るな」という格言があります。特定の投資対象に資金を集中しすぎず、適切に分散させることでリスクを下げるという教えです。
これまでの投資では、株式、債券、投資信託などがメインでした。ただ、リーマンショックのような金融危機ではほとんどの金融商品が同時に下落します。そこで、こうした主流の金融商品との連動性の少ないアセットとして、暗号資産は検討の価値があるのです。
なお、繰り返しになりますが、複数の暗号資産に投資する場合は、金融庁に登録している暗号資産交換業者が取り扱っている暗号資産に限ることが大事です。
売買のタイミングの分散についていえば、先ほども触れたように少額での積み立てがお勧めです。暗号資産は他の金融商品に比べ、ボラティリティが高い傾向にあります。そこで、毎月数万円程度を買い付けていくのです。これは「ドルコスト平均法」といわれる投資手法で、高いときには少なく、安いときには多く購入することになり、取得価格が平準化されます。
また、売る場合も少しずつ売るのが鉄則です。投資で失敗する人の多くは、少し上がったら売ってしまい、上がったらまた追加で買い、その後どこかで大きく下がって結果的に損をするケースをよく見かけます。
そうではなく、保有するうち2~3割ずつ分けて売っていくことをお勧めします。一部を売った後に価格が下がったら「あのときに一部でも売っておいて正解だった」、一部を売った後に価格が上がったら「あのときに一部だけしか売らなかったのは正解だった」と、どちらの場合でも自分を認めることができます。
『デジタル資産とWeb3』(小田玄紀/アスコム)
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