スズキが2026年度に発売する軽乗用BEV(軽自動車の乗用車タイプの電気自動車)の全体像が見えてきた。同社が「ジャパンモビリティショー2025」(JMS2025)に出展するコンセプトモデルから、スズキ製の軽乗用BEVがどんな姿で市場に登場するかを予想してみる。
SUV系からイメチェン?
スズキはJMS2025に軽乗用BEVのコンセプトモデル「Vision e-Sky」を出展する。ボディサイズは全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,625mm、航続距離は270km以上となる。JMS2025は10月30日から11月9日まで、東京ビッグサイトで開催される。
軽乗用BEVの世界は、日産自動車が2022年6月に「サクラ」を発売して先鞭をつけた。日産に続いたのはホンダで、2025年9月12日に「N-ONE e:」を発売。軽BEVであるにも関わらず、295kmという航続距離を達成していることには驚かされた。軽自動車を得意とするスズキは、すでにライバルが魅力的なモデルを投入済みの軽乗用BEV市場に少し遅れて乗り込むことになる。
スズキは2023年の「ジャパンモビリティショー」にも軽乗用BEVのコンセプトモデルを出展していた。「eWX」という名前で、見た目は軽SUVっぽくて(例えばハスラーのような)、四角くて元気な感じだった。
それから2年。今回のコンセプトモデル「Vision e-Sky」は、軽SUVというよりも、もっと普通な軽ワゴン(例えばワゴンRのような)にイメージチェンジをしているように見える。印象としては、ハツラツ系だった「eWX」に対し、今回の「Vision e-Sky」はスタイリッシュに変わったような感じだ。
JMS2025出展内容の事前説明会で聞いた話によれば、スズキとしては、「eWX」と「Vision e-Sky」では「基本的にコンセプトは変わっていない」という感覚なのだという。
軽とは思えないドアハンドル
個人的に注目している点は「ドアハンドル」だ。スズキ提供の「Vision e-Sky」の画像をよく見ると、ドアハンドルが格納式になっているように見える。ハンドルを引っ張って「ガチャッ」と開く一般的なタイプではなく、触れると普段は格納されているドアハンドルがせり上がってくるタイプを採用しているように思われるのだ。
格納式のドアハンドルは空力に効果的だと聞くから、軽EVの航続距離を伸ばすのにプラスの効果がありそうだが、ガチャっと開くタイプよりも取り付けるのにお金がかかるのは間違いない。スズキの軽EVということになれば価格の面にも期待したいので、格納式ドアハンドルがそのあたりにどんな影響を及ぼすのかも気になるところだ。
とはいえ、「Vision e-Sky」はあくまでコンセプトモデルであり、このままの形で発売になるとは限らない。市販バージョンがどんな姿になるのか、かなり楽しみになってきた。
JMS2025のスズキブースではこのほか、二輪BEVコンセプトモデル「e-VanVan」などを見ることができる。四輪ではBEV商用軽バン「e EVERY CONCEPT」、フレックス燃料車「フロンクス FFV コンセプト」、市販車の「eビターラ」などを展示する。






























