日本初となるアメリカン・エキスプレスのカード会員専用ラウンジとして、2025年7月16日にオープンした、羽田空港第3ターミナルの「センチュリオン・ラウンジ」。同ラウンジにて10月10日より、予約困難な日本料理の名店として知られる「赤坂 おぎ乃」の店主、荻野聡士氏が監修した特別メニューの提供を開始する。

予約困難な日本料理店「赤坂 おぎ乃」の荻野聡士氏が料理を監修

荻野聡士氏は、1987年東京生まれ。高校卒業後、京都の名店「吉兆 嵐山本店」で8年間にわたり修業を積み、日本料理の基礎と日本の文化や歳時記を深く学んだ。その後、さらなる研鑽を積むため「銀座小十」へ。姉妹店「銀座奥田」では30歳の若さで料理長に就任するなど、輝かしい経歴を持つ。

2020年には満を持して独立し、「赤坂 おぎ乃」をオープン。開店からわずか半年で『ミシュランガイド東京2021』で一つ星を獲得し、瞬く間に予約困難な人気店へと駆け上がった。荻野氏の料理は、「伝統のあるものを大切にする王道の日本料理」を信条としながらも、随所に革新的な感性が光る。季節感を何よりも大切にし、旬の食材を最大限に活かしきるその技は、多くの食通を魅了してやまない。

荻野氏は、「海外から訪れる方や日本をこれから発つ方に、『日本料理のおいしさ』を日本の四季の移り変わりと共に感じていただけるように工夫しました。旬の食材や調味料を使った料理を通じて、日本の四季の美しさや文化を体感いただきたい」と語る。空港ラウンジの監修は自身初となる挑戦であり、その意気込みが料理一品一品に込められている。

季節ごとに内容が入れ替わる、日本の四季を感じる料理

季節ごとに提供される荻野氏監修メニューは、単なる空港ラウンジの料理という枠を超え、日本料理の矜持を感じさせるものばかりだ。この秋は、「赤坂 おぎ乃」の定番料理をアレンジした品や、ラウンジ専用に考案されたオリジナルメニューなど、全14品が順次提供される。今回はその中から、注目の8品を紹介したい。

  • 右から時計回りで「鴨ロースと九条ネギ浸し」「鮪の黄身醤油掛け」「汲み上げ湯葉 鼈甲餡」

    右から時計回りで「鴨ロースと九条ネギ浸し」「鮪の黄身醤油掛け」「汲み上げ湯葉 鼈甲餡」

まずは、「赤坂 おぎ乃」で通年提供される名物の一つ「鮪の黄身醤油掛け」。店では炭を直接鮪に押し当てて香ばしく仕上げているが、空港という制約上炭が使えないため、鮪の表面を炙ってから燻製醤油にくぐらせスモーキーな香りをまとわせている。さらに別で作った燻製醤油と温泉卵を合わせた黄身醤油をかけ、海苔の佃煮と長芋、穂じそ、ネギをトッピング。うま味と香りという、日本料理の要ともいえる要素を凝縮した一皿だ。

同じく「赤坂 おぎ乃」定番メニューである「鴨ロースと九条ネギ浸し」は、しっとりとやわらかく、噛みしめるほどに純粋なうま味が広がる。日本の代表的な香辛料である花山椒の爽やかな香りが、秋の風情を感じさせる。

「汲み上げ湯葉 鼈甲餡」は、荻野氏が修業した京都「吉兆 嵐山本店」時代の経験が活きた定番メニューだ。京都名物のやわらかい汲み上げ湯葉に、鰹出汁が香る鼈甲餡(べっこうあん)を合わせた。叩いたネギと生姜が、優しい湯葉の味わいを引き締めている。

「センチュリオン・ラウンジ」の秋限定メニューの一つが、「揚げ鮭の九条ネギ餡掛け」。鮭におせんべいを砕いた「おかき粉」をまとわせて揚げており、カリッとした衣の香ばしさと、せんべい自体のうま味が、鮭の味わいを引き立てる。きのこをふんだんに使った餡は優しい味わいに仕立てられ、柚子の香りが爽やかな余韻を残す。

ヴィーガン対応料理やオーダー式の寿司、珠玉のスイーツも

同じくラウンジオリジナルの秋メニュー「小芋の炊き込みご飯」は、昆布だしで炊き上げたヴィーガン対応の逸品。ねっとりとした食感の小芋に、甘辛く味付けした大豆ミートのそぼろを合わせた、食べ応えのある炊き込みご飯だ。大葉の爽やかさと、潰した煎り胡麻が香ばしいアクセントになっている。

  • 寿司は3貫セットでオーダー可能。この日はマグロとサーモン、そして「松阪牛ロース煮寿司」が提供された

    寿司は3貫セットでオーダー可能。この日はマグロとサーモン、そして「松阪牛ロース煮寿司」が提供された

「センチュリオン・ラウンジ」にはライブキッチンが併設され、職人が握る出来立ての寿司も味わえる。そのネタの一つ「松阪牛ロース煮寿司」は、荻野氏監修だ。牛肉には口溶けの良さとシャリとの相性を考え、選び抜かれた松阪牛のロースを使用。酒、醤油とみりんを使った甘辛い割り下でじっくりと煮込んだローストビーフを、寿司飯と合わせている。ネタの「松阪牛ロース煮」は、アラカルトとしてビュッフェ台に並ぶそうだ。

  • 左から「ブランマンジェ抹茶ソース」「ほうじ茶プリン」

    左から「ブランマンジェ抹茶ソース」「ほうじ茶プリン」

スイーツも、専門店に引けを取らない本格的な味わいだ。「ほうじ茶プリン」は、荻野氏が「銀座小十」の師匠から受け継いだという、思い出深いデザートで、「赤坂 おぎ乃」の名物でもある。煮出したほうじ茶のほろ苦さと、ビターに仕上げたカラメルが大人の味わいで、ウイスキーなどのお酒とも合いそうだ。

ラウンジ限定メニューの「ブランマンジェ抹茶ソース」は、ふんわりと軽い口当たりのブランマンジェに、牛乳と生クリームで溶いた抹茶ソースを合わせている。初めて抹茶を味わう海外の利用者にも親しみやすいよう、苦味を抑え、さらりとしたソースに仕上げているのが特徴だ。

このほか荻野氏監修メニューとして、「小松菜占地仙台麩浸し」、「冷奴きのこ肉味噌あんかけ」、「さわらの南蛮漬け」、「もずくトマト」、「豚肉と茄子の茸胡麻味噌炒め」が順次ラウンジ内で提供される。

出発前のひとときを、贅沢な時間へと昇華する「センチュリオン・ラウンジ」

「センチュリオン・ラウンジ」は、「プラチナ・カード」、「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ プラチナ・カード」、「アメリカン・エキスプレス・プラチナ・コーポレート・カード」、「センチュリオン・カード」の会員が利用できる専用ラウンジだ。

羽田空港のラウンジは、日本各地で調達された装飾やアート作品が配され、日本文化を体感できる洗練された空間となっている。食事を楽しむダイニングエリアのほか、ワークスペースや家族でくつろげるファミリールームも完備されており、出発前の時間を思い思いに過ごすことができる。

今回の荻野氏監修メニューの導入は、この特別な空間に「ここでしか味わえない食体験」という新たな価値を加えた。単にフライトを待つ場所ではなく、旅の目的地の一つとなりうる魅力を放っている。

日本の四季を繊細な感性で表現する荻野氏の料理は、これから海外へ旅立つ人には日本の美しさを再認識させ、日本を訪れた人には忘れられない食の思い出を贈るだろう。今後も季節の移ろいとともにメニューは更新されていく予定だ。羽田空港から始まる特別な旅の序章を、ぜひ「センチュリオン・ラウンジ」で体験してみてはいかがだろうか。