脳の炎症、迷走神経の炎症がもたらす病気「慢性疲労」をご存じですか? 気のせいや、心の病気ではありません。病気ですから、その原因に対して、適切にアプローチをすることで、つらい疲労感や倦怠感が劇的に改善していきます。
この記事では、そんな慢性疲労を治療してきた名医が治療法やセルフケアを解説する『いつまでも消えないつらい疲れ・だるさの正体 慢性疲労を治す本』(堀田修/あさ出版)から一部を抜粋してご紹介します。
今回のテーマは『慢性疲労の患者さんの4分の3が亜鉛不足』。
慢性疲労の患者さんの4分の3が亜鉛不足
亜鉛は体のさまざまな細胞機能と関連しています。大脳辺縁系にある海馬と扁桃体には亜鉛が豊富に存在して、記憶や感情に重要な役割を果たしています。2~3割の日本人が亜鉛不足といわれていますが、当院に受診された、慢性疲労症候群、コロナ後遺症、ワクチン後遺症の4分の3の患者さんが基準値下限の80mg/dlを下回っていました。中等度以上の亜鉛欠乏状態の患者さんは、市販の亜鉛サプリメントや亜鉛を含んだ胃薬では補充効果が不十分で亜鉛製剤(酢酸亜鉛)を服用するのが最善です。
マグネシウムが欠乏している慢性疲労の患者さんの数は亜鉛欠乏に比べるとかなり少ないものの、マグネシウムは神経伝達物質の生成にかかわっており、その不足は不安やうつとも関連するとされています。
マグネシウムは亜鉛より食事からの補充が容易です。ほうれん草などの葉物野菜や、アボカド、ナッツ、チアシード、豆類、全粒穀物、豆腐、サケやサバなどの魚に多く含まれています。
また、慢性疲労症候群の患者さんでは、ビタミンD不足の人が多いことが以前より指摘されています。ビタミンDが多く含まれる食品は、イワシ、サケ、ニシンなどの魚類です。
慢性疲労に関連するビタミンDや必須ミネラルである亜鉛やマグネシウムなどは、患者さんに不足しがちです。必要に応じて補充するようにしてください。
『いつまでも消えないつらい疲れ・だるさの正体 慢性疲労を治す本』(堀田修/あさ出版)
いつまでも消えないつらい疲れ・だるさの正体それは、この本で紹介する「慢性疲労」です。「慢性疲労」は、脳の炎症、迷走神経の炎症がもたらす病気です。気のせいや、心の病気ではありません。病気ですから、その原因に対して、適切にアプローチをすることで、つらい疲労感や倦怠感が劇的に改善していきます。本書は、多くの慢性疲労の方々を治療してきた名医が、この病気から解放されるための治療法、そしてさまざまなセルフケアを解説。多くの方が、本書の方法で回復しています。慢性疲労に苦しむ多くの方に、 健康的な日々を取り戻していただくための1冊です。


