ここ10年ほどで、トレーディングカード(トレカ)の相場は大きく波打っています。今日は大人気の「ポケモンカード」(ポケカ)、トレーディングカードゲーム(TCG)の始祖「マジック:ザ・ギャザリング」(MTG)、新規参入の「ワンピース」にフォーカスしつつ、それぞれの価格推移をみていきましょう。
ポケモンカード:旧裏リザードンの一般層へのインパクト
直近の超高額カードで話題になったのは、ポケモンカード「シャドーレス・リザードン」です。
数十万円クラスは当たり前で、ピーク時には約200万円まで上がりました。子どものころは「わざが2つあるから強い」くらいの感覚で遊んでいたカードでしたね。
なんでこんなに高いんだ? というところですが、
印刷時期でアートフレームにシャドー(影)の有無が存在します。シャドーがないもののほうが生産数が少なく、増販分より価格が高いと言われています。
そもそも対象年齢が子供であったことから、スリーブなんて知らない人が多いわけで。綺麗なものの残存率がとっても少ないのです。私の家にあった旧裏英語版もボロボロでした。
あと、リザードンは海外で絶大な人気を誇るポケモンのひとつだというところ、ここに尽きるかなと思います。
急騰と急落を繰り返すポケカ
ポケカはここ数年、「急騰と急落」を繰り返しています。時系列を追ってみますと、
2015年頃は中古市場でも数千円レベルで動いていた旧裏カードが、2018年以降は数万円単位に。通常のカードもじわじわと相場が上がってきた。
2020年のコロナ禍では、フリマアプリで相場が一気にアップ。家から出られないタイミングで過去資産を探す人々も続出。
2022年~2023年が現状での相場最大値に。出店数も過去最大の300店舗程度を記録(当時所属会社調べ)。鑑定品スキーム(PSA/BGSなどでカードを鑑定し、開封がとても難しいローダーに入って価格をあげるもの)も相まっての結果でしょう。
しかし2024年には、全体的に相場が大きく下落。1年で半値以下近くまで落ち込んだケースもありました。この頃のトレカ店さんを色々みていましたが、皆口をそろえて「きつい」とおっしゃっていたのが印象的でした。昔からやっているカード店で話を聞くと、「これも時期モノだからね」という反応を示す方もいらっしゃいました。
とはいえ、それで「終わり」ではなく、2024年年末にリリースされた「テラスタルフェスEX」という特殊エキスパンションから人気が再燃。2025年現在は全体的に相場が上昇中です。
ポケカ相場のポイントは、「コレクション需要」と「プレイヤー需要」の両輪で動いているということ。コレクションから話題に火がついて、大会参加者が年々増え、遊ぶ人口が拡大しているからこそ、プレイに使われるカードの相場が底堅くなってきている。そんな印象です。
MTG:Black Lotusの二面性
MTGには、トレカ界で最も有名といってもいい「Black Lotus」というカードがあります。格闘家の佐竹雅昭さんがテレビ番組で「パワー9が欲しい!」って言ったこともありましたね。
20年前なら20~30万円で手に入った時代もありました。これは都市伝説ですが、米国基地近くのカードショップで、Lotusをビリビリに破いて遊んでいた軍人さんがいたとかいないとか……。
当時の菊地少年は『ゲームぎゃざ』を読みながら「30万!?」と驚いていましたが、今ではその数十倍、数百万円から時には数千万円の取引も報告されるレベルです。
ただ、Lotusはコレクタブルなだけではありません。MTGには「ヴィンテージ」というフォーマットがあり、実際に大会で使うこともできる。つまり、「最強のコレクションアイテム」であると同時に「競技シーンでも使われるカード」なんですね。この“二面性”が、MTGの相場を独特のものにしています。
さらにMTGは、環境変化や禁止・制限リストの更新により、特定のカードが数倍に跳ねることもしばしば。プレイの需要が相場のベースにありますが、再販禁止ポリシーというものがあるので、そのカードたちは年々上がり続けている感じがしています。
ポケモンに比べて激動という感じはあまりありませんが、特殊フレームのカードなどが増えてきた影響もあり、プレイ用のカードは比較的値が落ち着いてきたかなぁ、なんて思います。
ワンピースカード:急伸からの落ち着き
新規参入組として大きな成功を収めたのが「ワンピースカードゲーム」です。
正直、そこまで大きく伸びることはないだろうと思っていた著者でしたが、2022年のリリース直後は人気が爆発し、初期のパックやプロモカードが数倍~数十倍に跳ね上がりました。特にルフィやシャンクスといった主要キャラのカードは数十万円クラスに到達し、当初は「第二のポケカになるのでは」と注目されました。
しかし、2024年以降は供給増と需要の一巡で落ち着きを見せています。依然として人気タイトルではあり、ゲームとしては面白いとの声をよく聞きますが、ポケカやMTGのような長期的な資産性やゲーム性が確立されるかは、これから数年の動き次第、っていったところではないでしょうかね。
まとめ:トレカ相場が再燃、プレイの盛り上がりにも期待
全体的には「トレカ業界、また盛り上がってます!」という一言に尽きるのですが、著者的には、もう少しプレイの盛り上がりが欲しいなという風に感じてしまう部分もあります。
モノとしての価値(値段)に注目が集まりがちなトレカですが、根幹はゲームなので、eスポーツなどとの親和性も高いはず。そのあたりとのシナジーが生まれると、ゲームの人口が増えて盛り上がりますし、一部カードの希少性もより増してくるのではないかなと考えています。
という私も、「競技にでたいなー」などと思いつつ、時間が取れないというジレンマを抱えてしまっています。社会人の時間の無さというのが、トレカプレイヤーにとって共通の悩みなのかもしれませんね。
というわけで、次回は競技シーンについて深掘りしてみたいと思います。




