新しいことを始めようとしたのに、三日坊主になってしまって続かなかったとき、「どうして自分は続かないんだろう」と思ってしまうことがあるかもしれません。しかしそれは新しいことを始めることへの意志が弱いからではなく、「脳の初期設定」が原因なのだそう。
そこで本記事では、世界中の心理学や行動経済学、脳科学の研究結果をもとに、仕事や勉強、コミュニケーション、メンタル、そして健康といった分野で役立つ100の習慣化テクニックをまとめた『ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科』(堀田秀吾著)から、一部を抜粋・編集して紹介します。
今回は途切れた集中力を復活させる、「かわいい写真を見る」です。
子ネコ・子イヌの写真を見たら作業効率が上がった!
「かわいいは正義」などと言われていますが、じつは科学的に「かわいい」は有効な効果を生み出すことが示されています。
広島大学の入戸野らが大学生約130人を対象に行った実験によると、「かわいいものを身のまわりに置くことで、作業効率を上げることができる」ことが示唆されています。
実験では、穴からピンセットで小さな部品をとり出す作業や、数列から指定された数字を探し出すといった集中力を必要とする作業をしてもらいました。
その際、学生たちを
(1)子ネコ子イヌの写真を見せるグループ
(2)成長したネコ・イヌの写真を見せるグループ
(3)すしなどの食べものの写真を見せるグループ
の3つに分け、作業の間にそれぞれの写真を見せ、成績を比較しました。
その結果、(1)のグループのみがピンセット作業で44パーセント、数字を探し出す作業で16パーセント、それぞれ通常時よりも向上し、ほかの2グループには、とくに変化がなかったことがわかりました。
「かわいいという感情が生まれたとき、対象に接近して詳しく知ろうとする機能が作動するため、より集中する効果が生まれた」のではというのが、研究を主導した入戸野氏の見解です。
たしかに、多くの人はかわいいものを見ると、もっと「しっかり見よう」という気もちが無意識に働きます。結果、注意力が上がり集中状態が持続した可能性があるというわけです。
かわいい赤ちゃんの写真を見ると脳が活性化される
また、ペンシルバニア大学のグロッカーらの研究では、かわいい赤ちゃんの写真を見ると、やる気や集中力や喜びに関係する脳の部位が顕著に活性化されることが確認されています。
集中力が散漫になっているときは、スマホで赤ちゃんや愛くるしい子ネコや子イヌ、子パンダなどの動画を見てみてください。
ただし、ずっと見ているのは逆効果です。研究では1分~1分半という長さがちょうどいいと報告しています。ダラダラ見ずに、適度に見て集中力を向上させましょう。
集中力が途切れたら、スマホで「1分~1分半」、かわいい赤ちゃん・子ネコ・子イヌ・子パンダ……の写真を見る
『ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科』(堀田秀吾著/SBクリエイティブ株式会社 刊)
人生が変わるテクニック112個集めました
勉強・ダイエット・貯金・目標達成…は習慣化が10割
仕事、ダイエット、健康管理、勉強、目標達成…すべて成功のカギは「習慣化」にあります。
しかし間違った習慣を身につけてしまったらその代償は大きくなってしまいます。
何をどう習慣化すればいいか、そのために重要になるのが「エビデンス」です。
- もし「A」をしたら「B」をすると、あらかじめ決めておく
- 選択肢は必ず「3つ」用意しておく
- 常にポジティブな言葉を使う―つらさに対する耐性が高まる
- 52分間作業して、17分休憩する―生産性が高まるetc.
本書は、ハーバード、スタンフォード、オックスフォード…などの研究機関において証明されたテクニックを112個紹介。
見開き図解入りでわかりやすい。気になったテクニックからはじめられ、情報収集のためにも役立ち、また読みものとしても楽しめる一冊です。
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