テレビ画面に登場する日産車といえば、伝説の刑事ドラマ「西部警察」のスカイラインターボ「マシンX」やガルウイング化された「S130型フェアレディZ」、オープン化された「S110型ガゼール」などのスーパーマシンたちが有名だが、日本映画となるとどうだろう。筆者の頭に浮かんでくるのは、映画『あぶない刑事』シリーズでタカ&ユージ(舘ひろしさんと柴田恭兵さん)が乗る「F31型レパード」だ。

  • 日産自動車「レパード」

    『あぶない刑事』で活躍した日産自動車「レパード」ってどんなクルマ?(本稿の写真は撮影:原アキラ)

当初はライバル・ソアラに圧倒されたレパード

F31型レパードは、旧プリンス自動車のメンバーによって開発されたF30型に続いて1986年に登場した2代目。R31型「スカイライン」と基本部分を共用することでコストダウンを図りつつ、ロングノーズに四角くてコンパクトなキャビンを取り付けた2ドアの“プライベートクーペ”として世に出ている。

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最高級グレードの「3.0Ultima」(究極を意味するULTIMATEから採った名称)は185PSを発揮する自然吸気の「VG30DE」型3.0L V型6気筒 24バルブツインカムエンジンを搭載していたが、ライバルだったトヨタ自動車のZ20型「ソアラ」が搭載していた直列6気筒 3.0Lツインカムターボはすでに230PSを発揮していて、発売当初から水を開けられた。1988年のマイナーチェンジでは、レパードも255PSまで出力を向上したVG30DETターボエンジンを搭載したが、時すでに遅しといった感じだった。

インテリアはファブリックの濃いブラウンカラーがベースで、ドライバー眼前のエレクトロニックメーターや垂直のダッシュボードに取り付けられた高級オーディオなど、当時の高級車らしさ満載だ。

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劇中に登場するのはどんなレパード?

初期の劇場版に登場するレパードは、紺×銀ツートンのものと、金×銀ツートンのものがあった。当時、シリーズ最終作といわれた『さらば あぶない刑事』(2016年)の冒頭で2人が乗るのは、港署に新車で配備された真紅の「R35GT-R」。しかし、横浜の市街地を抜けて本牧へ急行するラストシーンでは、ユージがドリフトをかませながらドライブするクルマがあの金×銀ツートンのF31型レパードにチェンジしている。ナンバープレートは初期に使用していた「横浜45-05」を踏襲していて、運転席で「昔の恋人に出会った気分だぜ」とユージが一人呟くシーンでは、レパードファンは涙したに違いない。

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さらに、2024年には『帰ってきた あぶない刑事』として8年ぶりにシリーズが復活。その劇中、ニュージーランドから日本に舞い戻った2人の愛車として登場したのが、ちょっと古いシルバーの「E46型BMW330カブリオレ」だった。引退後の探偵仕事をクビになってしまった2人の車としては、適度な華やかさとそこそこリーズナブルに手に入ること、4人が乗れることなどを考慮して選ばれたのだと思う。

そしてラストシーン、課長になったトオル(仲村トオルさん)が自分の進退をかけて倉庫街の現場に向かった際に乗ったのが、あの金×銀ツートンのF31型レパードだ。スローモーションで遠くに現れるレパードを見つめるユージが、「俺の愛するレパードを、どこのどいつが……」とつぶやくシーンで、レパードファンはまた涙。2人に1日だけ「あぶない刑事」に戻ることができる警察の委嘱状を渡したトオルのレパードのトランクには、拳銃とショットガン(タカがバイクに乗って射撃を行うあの“ショータイム”で使う)とレミントンの銃弾が納められていたのだ。

写真は2024年の「ノスタルジック2デイズ」に展示されていたゴールドツートンのF31型レパードで、撮影に使用されたそのものの車両だ。その証拠にサンバイザーには、運転席側に仲村トオルさん、助手席側に舘ひろしさんと柴田恭兵さんのサインが書き込まれていた。新車時にはソアラに差をつけられたものの、映画に登場したことで中古車の人気ではレパードが逆転しているというのも面白いところだ。

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そういえば、この映画の公開前、みなとみらい地区で行われたある自動車会社の試乗会のすぐわきで、ブラウンのレザージャケットを着てバイク(ハーレーのワイルドグライド?)にまたがる土屋太鳳さんの撮影中の姿を見かけたのを思い出した。その綺麗さといったら……またまたこれも余談なのだが。

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