日産自動車がミドルサイズSUV「エクストレイル」のマイナーチェンジモデルを発売する。今回のマイチェンでは内外装の変更やGoogle搭載インフォテインメントシステムの導入などで商品力を向上。タフギア感あふれる「ロッククリーク」などの新グレードを追加してキャラクターの幅を広げ、多様化する顧客のニーズに対応する。
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エクストレイルのマイナーチェンジモデルには2WDと4WD(e-4ORCE)がある。2WDは2列シートのみ、「S」「X」「G」の3グレード展開、価格は384.34万円~464.64万円。4WDは2列シートが「S e-4ORCE」「X e-4ORCE」「G e-4ORCE」の3グレード展開で403.81万円~494.67万円、3列シートが「X e-4ORCE」の単一グレードで447.92万円だ。
エクステリアではフロントグリルを刷新。横桟調の精密パターンを施したデザインを採用し、「上質かつ情緒豊かな表情を表現」したとの説明だ。
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オレンジ色は従来型(マイナーチェンジ前)「エクストレイル」。ボディサイズは全長4,660mm、全幅1,840mm、全高1,720mm。グリルには「V」字のメッキパーツを装着していた。バンパー下部のデザインも変わっている
インテリアはインストルメントパネル上部のカラーを黒色に変更。オプションで設定可能なナッパレザー仕様は従来の「タン色」から落ち着いた印象の「チェスナットブラウン色」に変えた。
車内の変更点として大きいのはナビ周りだ。新型エクストレイルはGoogle搭載の「NissanConnectインフォテインメントシステム」を採用している。日産は新型「リーフ」でGoogleビルトインを採用すると発表済みだったが、実際に国内の日産車でGoogleを採用するのは今回のエクストレイルが初めてとなる。
機能面では、「3Dビュー」機能と「インビジブルフードビュー」機能を搭載した「インテリジェントアラウンドビューモニター」が国内の日産車として初採用となる。
ライバルは強敵ぞろい! 日産は二兎を追う?
エクストレイルは2000年に初代モデルがデビューした日産のロングセラーモデル。現行型は2022年に発売となった4世代目だ。「VCターボエンジン」(可変圧縮比エンジン)を用いたハイブリッドシステム「e-POWER」や電動4輪制御技術「e-4ORCE」など、「技術の日産」を詰め込んだSUVとなっている。今回のマイナーチェンジでパワートレインに変更はない。
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SUVの市場は拡大しているが、エクストレイルが主戦場とする「ミドル」セグメントが全需に占める割合は低下してきている。「コンパクト」SUVが増加してきたことによる影響だ。これに伴い、「エクストレイル」ユーザーの平均年齢も徐々に上がってきている
ミドルSUVセグメントはトヨタ自動車「RAV4」「ハリアー」やスバル「フォレスター」、ホンダ「ZR-V」、マツダ「CX-5」など、各社の個性派モデルがしのぎを削る激戦区。日産としては今回のマイナーチェンジにより、エクストレイルの「本格SUV」としてのイメージを確立し、競合とのシェア争いを有利に進めたい意向だ。「ロッククリーク」などの新モデル追加により、多様なニーズの取り込みを図る。
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「エクストレイル」の新グレード「ロッククリーク」(ROCK CREEK)。発売は2025年11月下旬の予定。ベースとなっているのはエクストレイルの「X e-4ORCE」グレード(2列シート:434.94万円、3列シート:447.92万円)で、価格は2列が475.64万円、3列が488.62万円となる
「本格SUV」と聞くと、トヨタ「ランドクルーザー」のような悪路走破性を重視したクルマを想像しがちだが、日産が目指す本格SUV像は少し異なる。同社としては「タフギア」(本格4WD)と「上質さ」を併せ持った「唯一無二のSUVモデル」としてエクストレイルを売り込んでいきたい考えだ。
ラギッドとかタフギアといった価値観でSUVを選ぶ人には「ロッククリーク」を提示し、都会派や上質感などのキーワードでSUVを探している人には「AUTECH SPORTS SPEC」を提案する……今回のマイナーチェンジにより、こんな売り方も可能になる。
エクストレイルという1台のクルマでタフギアと上質の両方を追求する欲張りかつ意欲的な戦略は成功するのか。今後の売れ行きに注目だ。



















