日産自動車はミドルサイズSUV「エクストレイル」のマイナーチェンジを実施し、新たに高性能バージョンの「エクストレイル NISMO」を追加した。NISMOの発売は2025年9月24日、価格は541.64万円/596.2万円だ。背の高いSUVをどこまでスポーティーに仕上げることができたのか、実物に乗って話を聞いてきた。
SUVをNISMOにする際の課題とは?
車高の高いSUVをスポーティーなNISMOに仕立てるうえで、課題となるのが「ボディモーションの抑制」だ。コーナリングの際などに発生する「ロール」をいかに抑え込むかが「技術の日産」の腕の見せ所となる。ただ、ここに力を入れ過ぎてしまうと、「タフギア」のイメージもあるSUVにとって重要な「不整路走行時の接地性確保」が難しくなってしまう。
-

「エクストレイル NISMO」のボディサイズは全長4,705mm、全幅1,840mm、全高1,720mm、ホイールベースは2,705mm。車両重量は1,890kg。ベース車両の「エクストレイル」に比べると全長が15mm長く、車両重量が20kg重い
背反する性能の両立を図るうえで高い効果を発揮したのが、新採用のカヤバ製「スイングバルブ」(Swing Valve)だ。サスペンションのショックアブソーバーに件の新装備を追加することにより、ロールの原因となる「ゆったり遅い入力」への対策としては「極微低速域の減衰力アップ」、不整路の「細かく速い入力」への対策として「中低速域の減衰力ダウン」を実現。チューニングは「匠」と呼ばれる日産の凄腕テストドライバーが行ったそうだ。
素人でも乗ればわかる? 追浜を走ってみた
追浜工場に隣接する日産のテスト施設「グランドライブ」にあるコースをNISMOで走ってみると、ロールの少なさは素人でも感じ取れるほどだった。結構な速度でコーナリングしてみたのだが、「たぶん、まだまだ速度を上げても全く問題なく曲がっていくのだろうな」という安心感があった。これには、NISMO専用チューニングの電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」も与って力があったはずだ。日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)の技術者によると、ミシュランの「パイロットスポーツEV」というタイヤも性能向上にかなり効いているとのことだった。
クルマの心臓部となる日産のハイブリッドシステム「e-POWER」については、ベース車両とNISMOの間に違いはない。なので最高出力も最大トルクも一緒だ。ただ、ソフトウェアのチューニングはNISMOが独自に行っている。乗った感じとして不思議だったのは、NISMOの方が軽くて速いような気がしたことだ。
素人でも速く走ったり、速く曲がったりできるということは、クルマの限界値が高い(懐が深い)ことの証拠でもあるはず。そういうクルマは往々にして、普通に乗っても(一般的な道路を飛ばさずに乗っても)安心感が高。NISMOの「グランドツーリングSUV」を目指したという今回のエクストレイル NISMOは、街乗りにも長距離ドライブにもフィットしそうなクルマだった。



















