連日多くの人でにぎわう大阪関西万博。海外パビリオンにはレストランやバー、カフェが併設されているところも多く、各国のお酒を楽しめる所も。

そこで今回は、万博会場内でぜひとも回りたい3カ所をピックアップ。日本では滅多に見ないような高級酒から、万博会場だけのスペシャルな一杯まで、とことん飲み歩いてきた。

世界三大貴腐ワインの一つ、本場のトカイワインを堪能

まず訪れたのは、ハンガリー館2階のレストラン「ミシュカキッチン&バー」。ハンガリーの伝統料理をビストロ形式で提供しており、プレミアム・ハンガリーワインも一緒に楽しめる。

  • ハンガリー館。13時の開店にむけて、11時30分ごろからレストラン前は行列だった

ハンガリーは、2000年ものワイン造りの歴史を持つ国。日本でハンガリーワインと聞くと、トカイ地方で作られる「貴腐ワイン」をイメージする人も多い。しかしハンガリーは、22のワイン地帯を持つまさに“ワイン大国”で、貴腐ワイン以外にも赤白問わず個性的なワインが楽しめるのだという。

  • 今回試したワイン・蒸留酒一覧。右から「2023–Grand Tokaj Furmint – Tokaj」、「2021–Disznókő Édes Szamorodni–Tokaj」、「2017–Serpens 6 Puttonyos Aszú–Tokaj」、「Gong アスー・グレープポマス」(フルーツで作るハンガリーの蒸留酒「パーリンカ」)

ミシュカキッチン&バーでは現在5~6地方のワインを用意している。まず試してほしいのが、「フルッチ」というハンガリー独自のワインのソーダ割。ハンガリー人が現地で気軽にワインを楽しむときの飲み方だ。

  • 「Grand Tokaj Furmint」は、トカイ地方の土着のブドウを使用した白ワイン

  • ソーダとワインを1:1で割る「小フルッチ」。お酒の弱い人でも飲みやすい

フルッチは、ソーダとワインの割合によって呼び名が変わるのも興味深い。店内の壁にはその一覧がイラストでデザインされているので、色々試して好みの割合を見つけるのもおすすめだ。

また、ミシュカキッチン&バーでは現在2種類のデザートワインを提供中。今回は、ハンガリーでは一般的な甘口のワイン「2021-Disznókő Édes Szamorodni–Tokaj」と、貴腐ワインの「2017–Serpens 6 Puttonyos Aszú–Tokaj」を贅沢に飲み比べしてみた。

まずは「2021-Disznókő Édes Szamorodni–Tokaj」。先ほどのフルッチのワインとは違い、ブドウの甘みをより感じる。

  • 2021-Disznókő Édes Szamorodni–Tokaj

続いて貴腐ワインの「2017–Serpens 6 Puttonyos Aszú–Tokaj」。飲む前に匂いを嗅ぐと、ワインとは思えない程の甘い香りを楽しめた。

  • 2017–Serpens 6 Puttonyos Aszú–Tokaj

一口飲んでみるとアルコール感はほとんどなく、ブドウをぎゅっと凝縮したような濃厚な味わいで、レストランスタッフが「特別な日にしか飲まない、超高級品」だと語る理由がわかる。少し甘みのあるブリオッシュや、フォアグラなどの料理にとてもよく合うのだそう。

  • 左が「2017–Serpens 6 Puttonyos Aszú–Tokaj」、右が「2021-Disznókő Édes Szamorodni–Tokaj」。並べてみると、黄金色に輝く貴腐ワインとの差は一目瞭然

  • 今回はハンガリーのブリオッシュとともにいただく。まさに至福の時だ

ミシュカキッチン&バーではこのほかに、フルーツだけで蒸留したハンガリー独自の蒸留酒「パーリンカ」も用意している。ワインは一部売り切れの銘柄もあるので、気になる人は早めに要チェックだ

  • フルーツ蒸留酒のパーリンカ。アルコール度数43度で、少量口に含むだけでで目が覚めるほど

日本にはめったに出回らないスイスワインが集結

ほかにもワインが楽しめるカフェが、スイス館4階のハイジカフェだ。本場のスイス料理を日本人にも親しみやすくアレンジしており、ラクレットチーズやスイス名物の朝食なども用意している。

  • 丸みを帯びた見た目がかわいらしいスイス館。ハイジカフェは右上に位置する半透明の球体部分

実はスイスワインは日本ではあまり見ることがない。なぜならスイスワインは、小規模かつ栽培の難しい地形にブドウ園が位置しているうえ、ほとんどを国内で消費してしまい、全体の1~2%しか輸出されないからだ。

今回は夏の暑い時期にぴったりなスパークリングと白ワインを頼んでみた。

スパークリングは、ブドウの香り高い味わいを感じつつも、爽やかな炭酸で軽い口当たりの一杯。暑い夏の万博会場にぴったりだ。

  • P'tites Bulles Vin mousseux Bio, Cave de La Côte, Blend of Grapes, La Côte AOC 2021

白ワインはまろやかな酸味と鼻に抜けるフルーティーな味わい。このほかにも2種類の白ワインをボトルで用意しているため、貴重なワインを存分に楽しみたい人におすすめだ。

  • St-Saphorin "Vieilles Vignes", Domaine Bovy,Chasselas, Lavaux AOC, 2023

また、ハイジカフェでも「スイススプリッツ」と呼ばれるワインのソーダ割を提供している。ここではシャスラワインに炭酸水を加えて、氷とレモンをのせて楽しむメニューだ。現地のスイス人が、暑い日に湖のほとりやテラスで楽しむという味を体験できる。

定番スコッチウイスキーから、万博オリジナルカクテルまで幅広くそろう英国パビリオン

ワインだけでなく、英国パビリオンでは本場のウイスキーが楽しめる「ジョニーウォーカーバー」も営業中だ。展示を鑑賞し終わった出口のすぐ右手、パビリオンの2階にある。今回は英国政府代表のキャロリン・デービッドソン氏が、バーの見どころやおすすめのポイントを語ってくれた。

  • 英国パビリオン

入店すると、ジョニーウォーカーのシンボル、「ストライディングマン(闊歩する英国紳士)」のロゴを配したディスプレイが客を出迎える。赤や黒、青のボトルが飾られているのを鑑賞しながら、ウイスキーを嗜むのもよいだろう。

  • 各種ジョニーウォーカーが並ぶディスプレイ。この手前に座ってお酒を楽しめるスペースがあるので、ボトルを眺めながらのひとときを過ごせる

  • 日本ではコンビニなどで手軽に買えることでおなじみの赤

中央にはバーカウンターがあり、本場のパブさながらの伝統的な雰囲気を楽しめる。デービッドソン氏によると、店内に設置しているクッションには、イギリスを代表するリバティ社の織物を使用しているとのこと。イギリスの要素が詰まった空間だ。

  • バーカウンター

  • ジョニーウォーカー最高級ランクのブルーラベルも飲める

各種ジョニーウォーカーが楽しめるという点も魅力だが、実はここでは週替わりのオリジナルカクテルが提供されるというのが、万博ならではのポイントだ。

例えば7月31日の取材時には、7月27日に行われたサッカー女子の欧州選手権で、イングランドチームが優勝を果たしたことから、チームの愛称を銘打った「ライオネス・スプリッツ」を販売していた。ウォッカをレモンジュースとシュガーシロップ、スパークリングワインで割ったカクテルで、レモンの風味が暑さを吹き飛ばすようなおいしさだ。

  • ライオネス・スプリッツ

ほかにも日本ではあまりなじみのない、ピムスというカクテルも用意している。聞くと、テニスのウィンブルドン選手権で現地のイギリス人が観戦中に飲む定番のカクテルなんだそう。苺を入れて飲むのが一般的だそうで、このバーでも人気の一杯だ。

  • バーで人気のカクテル3種。左から「Pimm's – Quintessentially British」、「'The UKP G&T'」、「Expo Bramble」

ほかにも万博会場には、各国のお酒を楽しめる場所が至る所に設置されている。世界の銘酒を飲み歩けるのは、万博の一つの魅力。是非注目して楽しんでほしい。