体の「サビ」=活性酸素は、がん、動脈硬化、白内障、糖尿病、うつ、認知症など、実に9割の病気と関連しているといわれています。特に60代は、抗酸化力の低下や自律神経の不調、生活環境の変化などによってサビの害が一気に広がってしまう時期。ここで対策を打てるかどうかで、一気に老け込んでしまうのか、いつまでも若々しく過ごすことができるのか決まるといっても過言ではありません。
この記事では、新刊『60代からは体の「サビ」を落としなさい』から一部を抜粋してご紹介。名医・小林弘幸氏が、腸の専門家だからこそたどり着いた「サビない腸活」について解説します。
早食いや大食いも活性酸素を増やす原因になると心得る
わたしたちが食事をすると、そのたびごとに活性酸素が放出されています。これは仕方のないこと。人間が食事からエネルギーを得て生きていかなければならない以上、そのエネルギー生産の副産物として多少の活性酸素が生じるのはやむを得ないのです。
ただし、食事でできる活性酸素の量は「食事の食べ方」によってけっこう変わることが分かっています。
みなさんはどんな食べ方がいちばん活性酸素を生むと思いますか?
答えは「早食い」や「ドカ食い」です。
早食いやドカ食いをすると、たくさんの食べ物が一気に消化管に入ってくることになりますよね。そうすると、消化管も酵素や消化液を分泌したり分解や吸収をしたりするのにてんてこまいの状況になります。つまり、急な仕事で大忙しで消化管が多くのエネルギーを使わなくてはならなくなり、そのために多くの活性酸素が発生することになるのです。
ちなみにこれは、激しい運動で多くの活性酸素が発生するのと同じ理屈です。急な運動や激しい運動をすると、急速に大量のエネルギーが必要となって、それだけ多くの活性酸素が発生してしまうわけですが、それと同じことが消化管内でも起こっているということになります。
ですから、早食いやドカ食いは慎んで、「よく噛んでゆっくり食べる習慣」をつけていかなくてはなりません。
ひと口ひと口、よく噛んでゆっくり食べていれば、活性酸素の発生量を抑えられるのはもちろん、他にも健康面でいろいろな恩恵を受けられるようになります。たとえば、早期に満腹中枢が刺激されて食べすぎを防ぐことにつながりますし、食後の血糖値上昇がゆるやかになって脂肪蓄積や肥満を防ぐことにもつながります。さらに、胃や腸などの消化管にかかる負担もグッと少なくなるので、胃腸の粘膜を良好にキープしたり、胃腸の消化液分泌や蠕動運動などの働きをよくしたりすることにもつながるでしょう。
それに、食事は誰しも毎日摂るもの。1日3食の食事を、1年365日、何十年にもわたって続けているわけで、その1回1回の食事を「早食い・ドカ食いをしている人」と「よく噛んでゆっくり食べている人」とでは、日々積み重なっていく活性酸素の発生量にとんでもない差がつくはず。食べ方の違いによって、老化や病気の進み方に大きな差がついたとしても不思議ではありません。
1食1食をどのように食べるかは非常に大事なのです。ぜひみなさんは、この先、長くサビない体をキープしていくためにも、ひと口ひと口を味わいながらゆっくりよく噛んで食べるようにしてください。
『60代からは体の「サビ」を落としなさい』(小林弘幸/飛鳥新社)
体の「サビ」=活性酸素は、がん、動脈硬化、白内障、糖尿病、うつ、認知症など、実に9割の病気と関連しているといわれています。特に60代は、抗酸化力の低下や自律神経の不調、生活環境の変化などによってサビの害が一気に広がってしまう時期。ここで対策を打てるかどうかで、一気に老け込んでしまうのか、いつまでも若々しく過ごすことができるのか決まるといっても過言ではありません。本書では、名医・小林弘幸が、腸の専門家だからこそたどり着いた「サビない腸活」を紹介。今日から実践できる、60代からの人生を輝かせていくための秘訣が満載の一冊です。【内容一例/腸から老化を防ぐ!「サビない腸活」/水素水よりも「牛乳」が効果的!?/60代からの食事は食物繊維+お酢を摂れ!/1日5分でできるストレスケア/体も心も整える「ゆる運動」】


