外国に移住する方法はいくつかありますが、富裕層には「投資による居住許可プログラム」が人気です。一定額を現地企業などに投資することで移住が認められ、永住権の獲得につながるケースも。今回は投資の居住プログラムを用意している国を複数紹介します。
投資による居住許可プログラムとは?
ある国に対して一定額の投資や寄付を行うことを条件に、外国人の投資家・起業家やその家族に対して居住権や市民権を与えるプログラムです。富裕層が教育・医療・税制などの面でよりよい環境を得るために利用しています。
プログラムの内容は国によって異なり、投資の種類は不動産、国債、ファンドのほか、自国企業の設立や既存事業への出資などが求められるケースもあります。
一般的には「ゴールデン・ビザ」と呼ばれており、アメリカ・シンガポール・イタリアなど世界の多くの国で導入されています。日本では現在のところ同様の制度はありません。
投資の居住プログラムを提供している国
投資による居住許可の制度を設けている国をいくつか紹介します。
アメリカ
数多くの富裕層を生み出しているアメリカでは、「EB-5 Visaプログラム」があります。アメリカ経済に雇用を創出できるような投資を希望する個人に対し、ビザを発行する制度です。
具体的には10名以上の常勤雇用を創出する企業(投資家)であること、80万ドルを投入することなどが条件です。80万ドルは、現在のドル円レートで換算すると、1億1,176万円となります。
EB-5は、グリーンカード(永住権)を獲得するための効率的なルートでもあります。単なる移民ではなく、教育・税務・遺産計画などの要素においても、富裕層にとって重要な意味をもたらす制度です。
シンガポール
富裕層に定番人気ともいえるシンガポールには「グローバル・インベスター・プログラム」が用意されています。具体的には以下3つの選択肢があり、条件を達成すると投資による移住が許可されます。
- 現地企業に1,000万シンガポールドルを投資する
- ベンチャーキャピタルファンドに2,500万シンガポールドルを投資する
- ファミリーオフィスを設立し、運用資産を2億シンガポールドル以上にする
ファミリーオフィスとは、富裕層が一族の資産を長期的に管理・運用し、一族の繁栄をサポートするための組織です。2億シンガポールドル、現在の為替レートでおよそ228億円を、運用資産として用意する必要があります。
UAE(アラブ首長国連邦)
UAEは、世界のなかでも富裕層が急増している国の1つです。投資居住プログラムでは、200万ディルハム(約8,000万円)以上の不動産を所有する必要があります。
さらに、政府認定の投資ファンドに200万ディルハム以上を投資する、資本金200万ディルハム以上の企業を設立するといった方法もあります。
過去10年でドバイの富裕層は102%も増加しており、世界の富の中心地の1つへと成長しています。
ロンドン
英国の首都ロンドンには、「イノベーター・ファウンダー・プログラム」があります。英国で新規事業を立ち上げ、成長させることが要件です。
こちらのプログラムには、最低投資額は設けられていません。しかし、拡張可能なビジネスの創出につながる資金が求められるため、少なくとも数千万円から数億円は必要と考えられます。
香港
シンガポールと並び、アジアにおける新興の富裕層都市となっている香港。投資維持を条件とする、投資入国者プログラムが用意されています。
また、香港掲示へ貢献するスタートアップ企業の設立者に対し、起業支援オプションも提供しています。
スイス
スイスの居住プログラムでは、スイス国内でグローバル投資を行いながら、年間一括での納税が要件です。納税額は通常25万スイスフランで、現在の為替レートでは4,500万円以上となります。
スイスといえば、プライベートバンクで知られています。このプログラムでも、何世紀にもわたるプライベートバンキングの専門知識に裏打ちされた、投資運用プラットフォームが提供されます。
オーストラリア
シドニーやメルボルンなど観光も魅力的なオーストラリアには「ナショナル・イノベーション・ビザ」があります。業績の優れた起業家に永住権を付与する制度で、直接の投資ではなく、政府機関による認定が必要です。

