「フィードバック」と聞くと、多くの人が耳の痛いことや上司からのダメ出しというイメージを抱くのではないでしょうか? しかし、そんなフィードバックも伝え方を見直すだけで、関係性が良くなるコミュニケーションとなるのです。

この記事では戸田久実著『すごいフィードバック~心が動き、行動が変わる!』(かんき出版)から、管理職だけではなく、誰もが知っておくといいフィードバックの考え方や技法、効果を、豊富な事例とともに解説していきます。

今回は「フィートバック中にたびたび遮って口をはさんでくる」です。

冷静に落ち着いて対応する

ネガティブフィードバックをしていると、話の途中で「でも」「だって」と反論や言い訳をしてくる人は案外多いものです。

大切な話をしているのに途中で遮るような反応をされると、イラッとすることもあるかもしれませんが、まずは冷静に落ち着いて対応しましょう。

実際に、指摘されたことに対して、言いたいことがあったり、「それは違う!」と思うことがあったりすると、口を挟まずにはいられない人は一定数います。

そのような相手につい

「黙って聞いて!」

「なぜ、最後まで聞かずに遮るんだ!」

と感情的な言い方をすると、相手はさらにヒートアップして言い返してきたり、「高圧的な対応をされて話を聞いてもらえなかった・・・」と思い込んで、それ以上こちらの話を聞いてくれなくなることがあります。

「話を聞いてもらえなかった」という誤った思い込みを、ほかの人に言いふらされても困ってしまいます。

事前に最後まで話を聞いてほしいと伝える

話を遮る人には、まずは、相手の言い分をひと通り聞いたうえで、いったん区切りを入れましょう。

  • 相手の話のタイミングを見て、「Sさん」と名前を呼びかける

  • そして、「言いたいことはあると思う。Sさんの話や言い分もかならず聞くので、まずは最後までわたしの話を聞いてほしい」と改めて伝える

  • 相手が差し込んだ話に対しては、「Sさんは、ここまでの話について、こう考えているということですよね」と否定せずに確認する

  • その後、落ち着いて「このあと続けるね。さっき、この話までしたよね」というように確認しつつ、こちらの話を進める

話を遮る傾向のある人には、「いまから大事な話をするけど、まずは最後まで話を聞いてくれると助かります」と最初にお願いをしてから話を始めるのもいいですね。

自己認識するよう、さらなるフィードバックをする

これらの対策をしても、こちらの話を受けとめずに、話を遮り反論や言い訳をしてくることがあったら、それに対するフィードバックも必要です。

上司「だって、でも、と途中で遮られて切り返されると、ーさんの言い分に、こちらも耳を傾けにくくなってしまうから、そこは気をつけようよ」
上司「『でも・・・』と言いたくなる気持ちもあると思うよ。ただ、話の途中で『でも・・・』と言われて遮られてしまうと、こちらも『もうこれ以上、何を話しても聞いてもらえないんだな』という思いを抱いてしまうんだ」

耳の痛い話に対してとっさに自己防衛が働いて、素直に「そうですね」と言えず、途中でつい「でも」「だって」という言葉を無意識に使ってしまう人もいます。

率直に言い合える相手であれば、

「Mさんは「でも」「だって」と切り返してこちらの言うことを遮ってまったく受けとめようとしていないことに気づいているかな?」

と伝えてもいいかもしれません。自覚できるようになると、口から出そうになった「でも」「だって」を飲み込めるようになる人もいます。

口を挟むクセがある相手にはとくに、流されずに冷静な対応を心がけましょう。

『すごいフィードバック~心が動き、行動が変わる!』(戸田久実 著/かんき出版 刊)

「フィードバック」と聞くと、どんなイメージを抱きますか? 上司から部下へのコミュニケーション手法、ダメ出し、耳の痛いことを言われる……。フィードバックするのもされるの苦手、という人が多いのではないでしょうか。

フィードバックは、管理職のためのコミュニケーション手法ではありません。働くみんなが身につけておきたいコミュニケーション手法です。

「ここがすごくよかった」「ここを変えたらもっとよくなるはず」--立場の上下に関係なく、相手の成長を願うフィードバックは、ポジティブであれ、ネガティブであれ、いい空気をつくるし、いいコミュニケーションをつくります。相手を勇気づけ、楽しくさせます。心が動いて、成果を出すプロセスをつくります。相手の視点と行動が変わるフィードバックは、組織、チーム、仲間との「信頼関係」の結束点になるのです。

本書は、「アンガーマネジメント」「アサーティブ・コミュニケーション」「アドラー心理学」をベースに、相手と対等に向き合い、建設的な対話を大切にする独自のコミニュケーションメソッドを長年にわたって提唱してきている著者ならではの「フィードバック」の考え方、技法、効果を、豊富な事例とともに解説しています。

対面、複数名相手、オンラインの画面越し……あらゆる環境で、上司から部下、部下から上司、先輩から後輩、後輩から先輩、同僚同士といった社内で、また取引先の人を相手に、さらにプライベートでパートナーと、友人と、信頼関係を築き、互いにしっかり成長し、成果につなげていくために、どう伝えたらよいか、コツ、実践例、言葉がけを紹介。

フィードバックに苦手意識を持っている人、より効果的なコミュニケーションの方法を身につけたい人の必読書です。

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