ホンダが2025年秋に発売する軽乗用車の電気自動車(EV)「N-ONE e:」は、もともとあったガソリンエンジン搭載車「N-ONE」の中身を取り換えただけのクルマではない。まず、顔を含めた外見からして変わっているのだ。エクステリアの担当者に話を聞いてきた。
ガソリン車とは目つきが違う!
まずはN-ONE e:と同モデルのベースとなったN-ONEの顔を見比べてみよう。大きく違うのは、顔の中心部にある黒いパネルとヘッドライトの位置関係だ。
ガソリンエンジン車は丸目が黒いパネルの上に飛び出ていて、すこし目じりがつり上がった感じにも見える。元気そうでキビキビとした走りが期待できるが、少しアグレッシブな印象でもある。
一方のEVバージョンは丸目が黒いパネルの中に移動。さらに、丸の最上部が黒いパネルの上辺に沿って切れていて、ぱっちりとした丸目というよりも、少し「まぶた」が下がったような目つきになっている。
エクステリアデザインの担当者はこう語る。
「ガソリンのN-ONEは元気ではつらつとした感じですが、電気のN-ONE e:には『クリーン』『さわやか』という世界観もありますので、少しトーンダウンしつつ、かつ、長く愛せるような表情づくりを心掛けました。もっと『ニュートラル』な表情になるように、という感じです」
2つのヘッドライトを取り囲んでつなぐパネルの部分を黒にしたのは、ガソリンエンジンのN-ONEにとってアイコニックな黒パネルを共有することで2台に親和性を持たせるためでもあるが、もう一つの理由としては、サステナブルな素材を使用するためだったとのこと。この部分、ボディ同色にするなどいろいろと案はあったそうだが、黒マスクは個性的でいい味を出していると思う。
推しのボディカラーは緑?
EVらしい走り、特に走り出しの加速の良さを視覚的にも表現するため、プロポーションも工夫した。具体的には、丸みを持たせた重心の高いリア部分から、厚みのあるフードに向かってラインが通ったような「動きのある」シルエットとすることで、見る人にEVの走りのよさをダイレクトに伝えようと考えたそうだ。確かに、前に向かって動き出しそうな、動きのあるフォルムだと感じる。
自動車メーカーは新型車を発表する際に「推しの色」を設定するものだが、N-ONE e:は「チアフルグリーン」という色らしい。ホンダ初採用の色だ。緑が推し、というクルマはめったにないので、面白いと思った。
室内で強めの照明が当たった「チアフルグリーン」のN-ONE e:は、私の目には濃い水色に見えた。エクステリア担当の話によると、この色に正式名称がつくまで、彼らの間ではチアフルグリーンを「あおみどり」と呼んでいたとのこと。見ると元気が出るような、発色のいい色を目指して開発したという。
全体としては、「EVらしさ」や「先進性」を無理に盛り込んだ形跡が全くなく、親しみやすいデザインに仕上がっていたN-ONE e:。街中や住宅街、ショッピングモールの駐車場、通学路などを毎日のように走ることになる軽EVという車種には、奇抜な見た目よりも優しげなデザインがよく似合うのではないかと思った。














