「心がポキッと折れそう」「パフォーマンスをもっと上げたい」「仕事と家事を両立させたい」……すべては「心」の元気にかかっています。体の休息は心の休息ではありません。東大のメンタルヘルスの医師が、長い人生をゆったり生き抜くための心と体の回復方法を伝授する『働く人の最高の休み方』(佐々木那津/青春出版社)。
この記事では本書から一部を抜粋・編集してご紹介します。今回のテーマは、『今すぐできる、10秒セルフケアのすすめ―ひと息つくだけで、ここまで変わる/とにかく水を飲む』。
今すぐできる、10秒セルフケアのすすめ
セルフケアの第一歩は、自分にとって、真に「安心・安全」であると感じる時間をきちんと作ることです。
仕事で心身ともにすり減りやすい人は、職場がまるで「戦場」のように不安に感じるかもしれません。戦場とまではいかなくても、周りから攻撃されるのではないか、脅かされるのではないかと、プレッシャーを感じる場所というイメージです。
そのような状況下では、心身が緊張しすぎてリラックスできず、自律神経の乱れによって疲れてしまいます。
実際にハードな環境である場合はともかく、そうでない場合も戦場であるかのように感じるのは、脳の過剰反応によるものです。「しっかりやらなきゃ」「怒られないようにしなきゃ」と、心身が臨戦態勢になっているのかもしれません。その場合は「今は安全である。ここは安全な場所である」と、しっかり脳に感じさせるアプローチが大切です。
そのためには、働きながら心や体を休める方法を知ることが必要です。
本書では、セルフケアでできる12の方法をお伝えしています。今回はこのうちの一つ、「とにかく水を飲む」についてご紹介しましょう。
とにかく水を飲む
心が休まらない人は、常に頑張り続け、自分の心身の欲求を後回しにしがちです。
水を飲む、食事する、トイレに行くといった基本的なことさえ「それどころではない」「サボりと思われる」と考え、優先順位を下げてしまいます。
そういう自分の生理的欲求には最優先で対処することが大事なセルフケアです。
まずは、意識的に水を飲むことが大切です。
のどが渇く前に、こまめに水を飲み、そのたびに小休止をとりましょう。最もシンプルなセルフケアであり、我慢する必要はありません。たとえ会議中であっても、水分補給を忘れないようにしましょう。
水分不足は、ストレスによる頭痛や体調不良の原因になります。習慣的に水分補給を怠ると、尿の量が減り、膀胱炎のリスクが高まります。
健康維持にも水分補給は不可欠です。のどの粘膜がうるおい、風邪予防にも効果があります。
私たちは排泄や汗によって1日2.5リットルの水分を失います。食事に含まれる水分や代謝によって得られる水分もあるので、すべてを飲む水として補充する必要はありませんが、最低でも1.2リットルは必要です。
1~2時間でコップ1杯(200ミリリットル)を意識すると良いでしょう。外来で診察する医師は、患者さんひとりを診察するごとにひとくち水を飲むなど、工夫して体調管理をしていることも多いです。私もそのひとりです。
飲み物は水が理想的ですが、砂糖やカフェインの少ないお茶でも大丈夫です。こまめに水を飲むことから、自分を大切にする習慣を始めましょう。
『働く人の最高の休み方』(佐々木那津/青春出版社)
疲れすぎて休みをとりたいけれど、そういうわけにもいかない日って、ありますよね。しかし、たった10秒でできる、簡単な回復方法があります。「心がポキッと折れそう」「パフォーマンスをもっと上げたい」「仕事と家事を両立させたい」……すべては「心」の元気にかかっています。体の休息は心の休息ではありません。本書では、東大のメンタルヘルスの医師が、長い人生をゆったり生き抜くための心と体の回復方法をやさしく教えます。十分休息することの大事さや、消耗しすぎる前に解決を模索する大切さを提案する一冊です。


