お風呂の床はなぜ冷たいままなのか――。
そんな疑問から生まれたのは、パナソニック ハウジングソリューションズ(以下、パナソニックHS)が取り扱うシステムバスルーム「BEVAS(ビバス)」の新しいプラン、「ヒートセーフ style」だ。
パナソニックHSはお風呂に関する課題を見つめ直しているなかで、日本の高齢化社会に着目。厚生労働省の人口動態調査によると、不慮の事故で亡くなる人の事故理由でもっとも多いのは「転倒」で、うち96%を高齢者が占めるという。
家庭において転倒事故が発生する場所はさまざまだが、バスルームに絞って考えてみると、水を扱うだけに床で滑って転ぶことが真っ先に思い浮かぶ。年代に関係なく、実際にお風呂の床で滑って転んだり、転びそうになったりした経験を持つ人は多いだろう。筆者も特にお風呂掃除をしているとき足を滑らせてヒヤリとしたことが何度もある(転んだこともある)。また、寒い時期のお風呂にはヒートショックという危険性もあり、実際たくさんの人がお風呂での「転倒」や「冬場の入浴」に不安を抱えているそうだ。
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左から、パナソニック ハウジングソリューションズ 水廻りシステム事業部の窪井健司氏、大阪公立大学 リハビリテーション学研究科の竹林崇教授、パナソニック ハウジングソリューションズ 水廻りシステム事業部の上野氏
こうした課題の解決を目指して、パナソニックHSは大阪公立大学 リハビリテーション学研究科 竹林崇教授と共同で、新しいバスルームのプラン「ヒートセーフ style」を開発。パナソニックHSは住宅設備メーカーとして、竹林教授はリハビリテーション・作業療法の専門家として、バスルームの空間設計や機能設計、デザインに取り組んだ。
「ビバス ヒートセーフ style」3つのポイント
ヒートセーフ styleの価格は1616サイズで約158.5万円(税別・工事費別)から。ビバスのスタンダードなプラン(ほっとビバス)が約179万円なので、約11%ダウンの価格設定だ。そのぶん機能は厳選されている。ヒートセーフ styleプランのおもな特徴は以下の3つだ。
1. 床暖房
1つ目は「床暖房」。冒頭で「お風呂場の床はなぜ冷たいままなのか」と書いたが、ヒートセーフ styleの出発点ともいえる機能だ。寒い時期の入浴における急激な温度差(浴室/浴槽の中と外)を少なくすることを目的とし、ヒートショックの危険性を減らす効果も期待できる。
「浴室暖房があればいいのでは?」と思うかもしれないが、浴室に入るとき、浴槽から出て身体を洗うときなど、足もとから温かいことは快適さにつながる。なお、ヒートセーフ styleの標準プランには「浴室暖房」は含まれていないが、もちろん追加することも可能だ。逆に、ヒートセーフ style以外のプランにも、6万6,500円で床暖房を追加できる。
お風呂の床暖房は床全面ではなく、浴槽の縁(へり)から10cm~15chほどは温かくならないものの、十分だ。リモコンでオンにする時刻をタイマー設定でき、オンから約10分で床が温まる。暖房の強さは固定で、オンかオフかだ。
気になる電気代は、使い方によって変動するが、試算上は年間で700円~800円ほど(1日40分程度オン、床暖房がなくても寒く感じない時期は使わない想定)。思ったより安い印象だった。
2. おきラクスマート手すり
2つ目は「おきラクスマート手すり」だ。浴室内に何らかの手すりがある家庭は多いと思うが、手すりが付いている位置と、「ここに手すりあったらいい」と感じる位置は違わないだろうか。パナソニックHSが調べたところ、実際に手すりが付いている位置は浴槽の壁側が1位、対して「設置したい位置」は浴槽の出入りで使いやすい位置が1位だった。
そこでヒートセーフ styleでは、横に長く水平、そして約70mmという幅広の手すりを採用。天面はレザー調でほどよい柔らかさがあり、緩やかに丸みを帯びているのでつかみやすい。手をかけたときに指の第二関節がかかる形状と、指がかかる部分に滑り止めを設けていることが特徴的だ。
浴槽をまたぐとき、バスチェアに座るとき/立ち上がるときなど、両手でしっかりと身体を支えられる。足腰に不安を抱える高齢者はもちろん、小さな子どもにとっても安心感があるだろう。また、床自体も滑りにくい仕上げとなっている。
パナソニックHSが開催した発表会では、大阪公立大学の竹林教授と学生たちがビバス ヒートセーフ style(おきラクスマート手すり)の使い勝手を実演。両手と足の「3点」で身体を支えるため安定性が高く、平面移動や立ち上がりに適しているとした。
3. フラットラインLED照明
3つ目は天井の「フラットラインLED照明」だ。これは従来のビバスでも導入されている機能だが、バスルームの天井に横一線の細いLED照明を備え、十分な明るさを確保しつつ、バスルーム全体をしっかり照らす。特定の場所に影ができにくいのもメリットのひとつだ。調光と調色にも対応し、リモコンで操作できる。
パナソニックHSが「3年以内に浴室リフォームを検討中の50代~70代」に調査したところ、「入浴時の転倒やヒートショック」を不安に思う人は55.6%、「浴室には安全性や健康維持の機能が大切」と感じる人は95.5%だった。ある程度の年代になると、浴室に求めるものも変わるということだろう。
今現在は大きな不安を感じていなくても、住宅の新築・購入、リフォーム/リノベーションを検討する機会があったら、将来を見据えた安心やバリアフリーの観点でバスルームを考えたいもの。高齢化が進む日本の社会において、こうした視点はますます大切になってくる。
















