「フィードバック」と聞くと、多くの人が耳の痛いことや上司からのダメ出しというイメージを抱くのではないでしょうか? しかし、そんなフィードバックも伝え方を見直すだけで、関係性が良くなるコミュニケーションとなるのです。

この記事では戸田久実著『すごいフィードバック~心が動き、行動が変わる!』(かんき出版)から、管理職だけではなく、誰もが知っておくといいフィードバックの考え方や技法、効果を、豊富な事例とともに解説していきます。

今回は「伝えても改善の見込みがない人にフィードバックをする」です。

視点をリスク管理にフォーカスする

丁寧にフィードバックをしても、伝えた直後に同じ大きなミスをされると、「どうして、注意したことがわからないの!」と怒りの気持ちがわいたり、「こんなに丁寧に説明したのに、なんでわかってもらえないのだろう・・・」と絶望的な気持ちになってしまう人も少なくありません。

ところが残念ながら、1回、2回のフィードバックで何もかも解決するわけではありません。同じミスをするたびに相手を責め続けていてもどうにもならないので、こういったときには、視点を変えてリスク管理を考えることが求められます。

  • ダブルチェック体制をとる
  • お客様と直接関わらないところを担当してもらう
  • 請求書・見積書・契約書など、お金に関わることは別の人にお願いする

改善するには、5回、10回と伝える必要のある人もいます。1回の指導で変わってもらおうと思うのではなく、都度淡々と伝えながら、業務を遂行してください。

ひとりで抱え込むと疲弊してしまうので、同じチームのメンバーたちや上司と問題点・解決策の情報を共有しつつ、その人への対策を立てるのがおすすめです。

上司やまわりの人のケアも必要になる

近年はパワハラ防止法も施行され、雇われる側の立場が守られることが増えてきました。また人材不足で、ミスを繰り返すスタッフでも、雇わなければ経営が成り立たないという現状もあります。ただ、それによってチーム運営がうまくまわらず、上司が精神的に病んでしまうのは問題です。

また、若い世代は、怒られ慣れていない分、打たれ弱いタイプや、逆に上司に対して逆パワハラに当たるような威圧的な態度をとるタイプもいて、マネジメントに苦労するという話も耳にします。

さらに、学生時代から起業する人、組織に勤めてもすぐに独立してしまう人もいます。能力も高く自立心が旺盛な学生が入社してくれるのは、組織側にとってはありがたいことですが、将来的に会社から巣立っていってしまうケースも少なくありません。

今はこういった背景がある前提で、問題に対応していくことが求められています。

業務内容を柔軟に変更することでミスを防ぐ

何度もミスを繰り返す人の場合、必要なスキルが足りていないのかもしれませんし、本人のメンタルが整っておらず、たとえば「誰かにかまってほしい」「足を引っ張りたい」というような心理が無意識下にあるのかもしれません。

もし突破口が見えないときは、業務内容を柔軟に変更することもひとつの手です。

マニュアルやルールに縛られず、視点を変えて柔軟な考え方ができることが、結果的に働いているどの人にとってもいい結果につながるのです。

それでも、どうしても難しい場合、本人の希望も鑑みながら、異動や担当替えという選択肢を提示してもいいのではないでしょうか。

人材育成は、予定通りにはいきません。

とはいえ、予期せぬトラブルがある一方で、「ここまでやってくれたんだ、こんな能力を持っていたんだ」というプラスの面が見つかることもあります。

なかなか結果が出なくても悲観的になりすぎず、ミスが起きたら必要なことをフィードバックして、柔軟に対応していきましょう。

『すごいフィードバック~心が動き、行動が変わる!』(戸田久実 著/かんき出版 刊)

「フィードバック」と聞くと、どんなイメージを抱きますか? 上司から部下へのコミュニケーション手法、ダメ出し、耳の痛いことを言われる……。フィードバックするのもされるの苦手、という人が多いのではないでしょうか。

フィードバックは、管理職のためのコミュニケーション手法ではありません。働くみんなが身につけておきたいコミュニケーション手法です。

「ここがすごくよかった」「ここを変えたらもっとよくなるはず」--立場の上下に関係なく、相手の成長を願うフィードバックは、ポジティブであれ、ネガティブであれ、いい空気をつくるし、いいコミュニケーションをつくります。相手を勇気づけ、楽しくさせます。心が動いて、成果を出すプロセスをつくります。相手の視点と行動が変わるフィードバックは、組織、チーム、仲間との「信頼関係」の結束点になるのです。

本書は、「アンガーマネジメント」「アサーティブ・コミュニケーション」「アドラー心理学」をベースに、相手と対等に向き合い、建設的な対話を大切にする独自のコミニュケーションメソッドを長年にわたって提唱してきている著者ならではの「フィードバック」の考え方、技法、効果を、豊富な事例とともに解説しています。

対面、複数名相手、オンラインの画面越し……あらゆる環境で、上司から部下、部下から上司、先輩から後輩、後輩から先輩、同僚同士といった社内で、また取引先の人を相手に、さらにプライベートでパートナーと、友人と、信頼関係を築き、互いにしっかり成長し、成果につなげていくために、どう伝えたらよいか、コツ、実践例、言葉がけを紹介。

フィードバックに苦手意識を持っている人、より効果的なコミュニケーションの方法を身につけたい人の必読書です。

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