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( Life ) スパークリングワインを楽しむ

どの国のスパークリングワインがおいしいの? いま注目の産地7選

JUL. 03, 2025 11:00
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Contents

スパークリングワインは世界中で造られています。中でも押さえておきたいのは、知名度の高い産地。というのも、有名産地で造られるスパークリングワインはスタイルが一貫しているため、購入する際に味わいのイメージがつきやすいからです。

今回は、世界の有名産地で造られるスパークリングワインについて解説します。

世界のスパークリングワインの呼び方

産地を解説する前に、世界各地でのスパークリングワインの名称について触れておきます。たとえば、フランスなら「ヴァン・ムスー」、イタリアなら「スプマンテ」、スペインなら「エスプモーソ」、これらは特定の産地のスパークリングワインのことではなく、各国の言葉で「スパークリングワイン」全般を指す言葉です。

これらとは別に、産地ごとに特定の名称が付けられたスパークリングワインが存在します。

シャンパーニュ

まず外せないのはやはりフランスのシャンパーニュ地方。世界でもっとも有名なスパークリングワイン「シャンパーニュ(シャンパン)」が造られています。

シャンパーニュとシャンパン、どっちが正しい呼び方なのか。個人的には別にどっちでも構わないと思います。フランス語だとシャンパーニュですが、日本だとシャンパンで定着しています。

国や地域と関係なく、スパークリングワイン全般を「シャンパン」と呼ぶ人もいます。正しくはないのですが、スパークリングワインの代名詞になるほどシャンパンの知名度が圧倒的ということでしょう。

シャンパンは、前回解説したシャンパーニュ方式で造られていて、主にシャルドネやピノ・ノワール、ムニエといったぶどう品種が使われます。さらに収穫は機械ではなく手摘みすることが義務付けられていて、熟成期間などにもさまざまなルールが細かく決められています。

ルール内で多様なシャンパンが造られてはいるものの、少なくともシャンパンであるなら、「きめ細かい泡立ち」「複雑な香りと味わい」といったスタイルは一貫しています。

抜群の知名度とブランドイメージがあるので、贈答品ならシャンパン一択です。

なお、シャンパーニュ地方はパリからTGVで1時間もあれば着きます。観光地としても魅力的なので、フランスを旅行するならぜひ訪れてみてください

プロセッコ

北イタリアもスパークリングワインを語る上で欠かせない産地です。いくつか有名なスパークリングワインがありますが、まず知って起きたいのはヴェネト州を中心に生産されている「プロセッコ」。この土地独自のぶどうである「グレーラ」という品種を主に使用して、シャルマ方式で造られるスパークリングワインです。

シャンパンと比べて香りはシンプル。新鮮な青りんごのような香りが爽やかで、アルコール度数もやや低め。夏にぐびぐび飲むのにぴったりです。味わいは辛口もありますが、ほんのり甘さを感じるものが多いのが特徴。価格も控えめです。

誰もが大好きなフルーティーな味わい、ワイン初心者にもおすすめできるほのかな甘味、1,000円台から購入できるお手頃価格と三拍子そろったプロセッコは世界中で大人気。

今やシャンパンの販売本数を抜き、世界でもっとも売れているスパークリングワインとなっています。

カヴァ

シャンパン、プロセッコと共に世界三大スパークリングワインとも称されるのがカヴァ。ワインを保管する洞窟「Cave」が語源です。

生産地はスペイン。法律上、産地として認められている範囲はかなり広いのですが、ほとんどはスペイン北東部のカタルーニャ地方で生産されています。

カヴァ最大の特徴とも言えるのが、シャンパーニュ方式で造るのに、かなり価格が抑えられていること。ぶどうが安定して生育する気候や、機械化が導入されていること、生産のルールがシャンパンよりも厳しくないことなど、さまざまな要因がからみあってお手頃な価格が実現できているのです。

シャンパンとは使用するブドウ品種が異なるので、味わいはかなり異なります。

それもまた個性のひとつとして楽しんでください!

フランチャコルタ

イタリアを代表するスパークリングワインを2つ挙げるなら、ひとつは先ほど紹介したプロセッコ。そして、もうひとつがこのフランチャコルタでしょう。イタリア北部ロンバルディア州の大都市、ミラノの近くで造られていて、シャンパンと同等の品質を誇る高級スパークリングワインです。

ぶどう品種はシャンパンとほぼ同じ。製法もシャンパーニュ方式。そして、フランチャコルタと名乗るためのルールは、シャンパンよりもむしろ厳しく設定されています。なんだかちょっとシャンパンへの対抗心を感じるような……。ともあれ、フランチャコルタは世界でも最高レベルの品質を誇るスパークリングワインなんです。

現在のような高品質スパークリングワインとしてのフランチャコルタの歴史はまだ数十年ほど。にもかかわらず、ハイクオリティなスパークリングワインとしてのポジションを築いています。

ぶどう品種や製法はシャンパンと近いのですが、気候や土地の特性から味わいは少々異なります。一般的に、フランチャコルタはシャンパンよりもややフルーツ感が強く、酸味が穏やかな印象があります。

とはいえ、フランチャコルタはシャンパンとかなり似ています。目隠しして飲んだら、当てる自信はありません。

高級ではありますが、フランチャコルタの価格はシャンパンよりは控えめです。記念日やちょっといいことがあった日なんかに、シャンパンではなくフランチャコルタで乾杯するのもおすすめです。

ゼクト

ドイツで造られるスパークリングワインが「ゼクト」です。細かく言うと、ゼクトにもいろいろなカテゴリがあるのですが、ここではざっくりゼクトでまとめます。

ゼクトのおもしろいところは、高級ゼクトから大量生産な安いゼクトまで幅が広いこと。シャンパーニュ方式やシャルマ方式など、さまざまな製法で造られます。

もうひとつの特徴はぶどう品種。世界ではやはりスパークリングワインのお手本ともいえるシャンパンと同じぶどう品種を用いることが多いのですが、多くのゼクトはリースリングという、ドイツならではのぶどう品種でスパークリングワインを造ります。

リースリングは非常に酸味の強いぶどうで、レモンのような柑橘系の香りと味わいが特徴です。和食にも合うし、レモンを絞るような料理にもぴったりです。家庭料理と一緒にぜひ飲んでみてください。

イングリッシュスパークリング

最近、注目を集めているのがイングリッシュスパークリング。つまり、イギリス産のスパークリングワインです。

イギリスは長年、ワインの生産には向いていないと言われていました。寒すぎるからですね。ただ、最近は地球温暖化の影響もあって、だんだんと良いぶどうが採れるようになってきました。しかも、イギリス南部の土壌は、シャンパーニュと似ていることもわかってきたんです。

もともとワインが大好きなお国柄です。シャンパンだって昔から大量に輸入していました。自分たちの国で造れるなら、そりゃ造るでしょ! ということで、現在はイギリス南部で秀逸なスパークリングワインが生産されています。製法はもちろんシャンパーニュ方式。ぶどう品種もシャンパンとほぼ同じです。香りや味わいもかなり近いです。

スパークリングワインが本格的に造られ始めてまだ数十年。歴史は浅いですが、イングリッシュスパークリングは猛烈な勢いで進化しており、品質もブランド力もシャンパンに追いつけ追い越せで伸びています。

メトード・キャップ・クラシック

メトード・キャップ・クラシックは、南アフリカで造られるスパークリングワインです。シャンパーニュ方式で造ることが決められていますが、ぶどう品種については規定がなく、何でもOK。とはいえ、多くの生産者はシャンパンと同じ品種を用います。それ以外では、シュナン・ブランという品種を使う生産者もいます。

南アフリカのワインは非常にコスパが良く、スパークリングワインも例外ではありません。メトード・キャップ・クラシックの中には、びっくりするほどシャンパンにそっくりの香りや味わい、品質を備えたものもあります。それでいて、価格は半額くらいで購入できます。

ワインを知れば知るほど、南アフリカのコスパがいかにすごいかがわかってきて、抜け出せなくなります。安くておいしいスパークリングワインは世界中にたくさんありますが、安くておいしくてシャンパンに近いスパークリングワインは、南アフリカのメトード・キャップ・クラシックが筆頭だと個人的には思っています。

  • ご紹介したスパークリングワインの産地

おすすめワイン2選

世界の代表的なスパークリングワインの産地を紹介しました。それぞれ違ったおいしさがあるので、ぜひ全部体験してほしいのですが、ここでは2本のおすすめ銘柄を紹介しましょう。

カヴァ 1+1=3 ブルット

スペインのカヴァからおすすめを1本。ちょっと変わった銘柄名。1+1=3で「ウ・メス・ウ・ファン・トレス」と読みます。カヴァとしては少し高めのラインですが、それだけの品質を持っています。自信のほどが「1+1=3」という名前にも表れていますよね。

味わいはこれぞカヴァ。フレッシュですっきりしていながら、シャンパーニュ方式ならではの複雑さも感じられます。この銘柄を購入するならネットが確実ですが、カヴァ自体はスーパーやコンビニでもいろいろ売られているので、気軽に試せますよ。

ヴァイングート フォン ウィニング リースリング エクストラ ブリュット ファルツ ゼクト

ドイツのゼクトを気軽に試すならこちら。リースリング100%なので、ぶどう品種の個性も体験できます。ヴァイングート・フォン・ウィニングは由緒正しい生産者ですが、相続や売却のせいで長年輝きを失っていました。21世紀に入ってから復活し、今では高品質なワインを世に送り出しています。

このゼクトは品質を考えると、価格はお手頃。食前の乾杯から、食中のさまざまな料理に寄り添います。

次回は「ラベルの読み方」を解説!

製法や産地がわかれば、あとは自分が飲みたいスパークリングワインを買うだけ。ただ、ラベルが読めないと、どんなスパークリングワインなのかわからないですよね。辛口が飲みたかったのに、買ってみたら甘口だったなんてことも……。

そこで次回は、ラベルの読み方について解説します!

『ワインの半分は物語でできている。』(山田井ユウキ/三才ブックス)

読めば、飲む前から〝推しワイン〟ができる! 〝物語からワインが好きになるタイプ〟の著者(ワインエキスパート)が、自身をワイン沼に引きずりこんだ数々のワインストーリーから、41本をセレクトして語った一冊です。物語を知ればありがたみが増し、ありがたみが増せば、そのワインはもっとおいしくなる! ワイン教本の〝読み物系〟副読本にもぜひどうぞ。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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