老後の年金制度への信頼が落ちている現在、「生涯働く」ことが注目されています。しかし、働き続けるために最も大事な「健康」については、誰しもが漠然とした不安を持っているのではないでしょうか?
「避けられるはずの身体の病気」「対応できたはずの心の病気」について、医学的根拠、エピソードも交えて紹介し、それぞれの解決策を解説する『一生健康に働くための心とカラダの守り方』(吉田英司/かんき出版)。この記事では本書から一部を抜粋して紹介します。今回のテーマは「顔面神経麻痺が起こると2割の人は元の状態に戻らない」。
顔面神経麻痺が起こると2割の人は元の状態に戻らない
とてつもなく忙しいプロジェクトにアサインされて、連日深夜まで働き詰めという状況になることもあるでしよう。
休む暇もなく、週末も睡眠不足が続いていたある日、朝起きて顔を見ると、片方の目やロが動かないことに気づくことがあります。
鏡を見ると、ロがゆがんでいて、目も閉じられない。
さすがにこの状態だと仕事も放っておいてすぐに病院を受診します。
これが有名な「顏面神経麻痺」の典型的な流れです。
医師から「ストレスと過労が引き金になった顏面神経麻痺でしょう」と言われ、この状態では働くこともできないし不安も大きいので、療養のためにしばらく休職することがほとんどです。
ストレスが原因で顔の筋肉が動かせなくなったり、話しにくくなったりする、といった話をあなたも聞いたことがあるのではないでしようか。
顔面神経麻痺は、顔面神経が何らかの原因で障害を受け、顔の片側または両側の筋肉が正常に動かなくなる病気です。
この症状は突然現れることが多く、顔の表情を作る機能などに影響を与えます。
ウイルスの再活性化や自己免疫疾患などが原因と考えられています。
顏面神経麻痺もストレスが原因の一つとされており、ストレスによる病気の多さを改めて実感させられます。
治療を受けることで、多くの場合は数週間から数カ月で回復しますが、重度の場合は症状が完全に回復しないこともあります。
症状が現れた場合は、早急に医療機関を受診することが重要です。
早期治療が回復の可能性を高める鍵となります。
『一生健康に働くための心とカラダの守り方』(吉田英司/かんき出版)
15年で、ビジネスパーソン1万人の健康相談にのってきた、元戦略コンサルタントの医師がおくる一生健康に働くための「心とカラダの守り方」!老後の年金制度への信頼が落ちている現在、「生涯働く」ことが注目されています。働き続けることで、収入を得て、人とコミュニケーションする機会も得られます。そのため、年齢を重ねても働くことができれば、充実した人生を送ることができると考えられています。もちろんその通りです。しかし、働き続けるために最も大事な「健康」については、誰しもが漠然とした不安を持っているのではないでしょうか。あなたの周囲にも、身体や心の病気で思うように働けていない人がいるはずです。それでは、どうすれば大きく体調を崩さずに働くことができるのでしょうか。あなたは、自信を持って答えられますか? この本では、「避けられるはずの身体の病気」「対応できたはずの心の病気」について、医学的根拠、エピソードも交えて紹介し、それぞれの解決策をお伝えします。