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フォルクスワーゲンの最新「ゴルフR」に“日本のニュル”で乗ったら欲しくてたまらなくなった

JUL. 01, 2025 11:30
Text : 原アキラ
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フォルクスワーゲン(VW)の最新型「ゴルフR」に千葉県木更津市の「ポルシェ・エクスペリエンスセンター」で乗ってきた。「ニュルブルクリンク」の一部を再現したパートもあるコースでゴルフRを走らせていると、欲しくてたまらなくなってきた。

  • フォルクスワーゲン「ゴルフR」

    「ゴルフR」に「ポルシェ・エクスペリエンスセンター」で試乗!

最新型「ゴルフR」が主役の走行イベント「Thrilling R」(スリリング アール)に参加してきた。フォルクスワーゲンは現在、世界各国のサーキットを舞台に「Rトラックデイ」なるイベントを開催中。今回はその日本版だ。ゴルフRとそのステーションワゴン版である「ゴルフRヴァリアント」、それに「ゴルフGTI」の計3台を、ハンドリングトラック、スラローム、スキッドパッドでフルに体験できるというのだからたまらない。元祖“ホットハッチ“の魅力を存分に味わってきた。

Rモデルは売れている?

「ゴルフ」ファミリーのスポーツバージョンといえば初代から続く「GTI」が定番だが、1995年にはバンク角15°という狭角でコンパクトな2.8L V型6気筒エンジン(AAA型)を横置き搭載したゴルフⅢ「VR-6」が登場して“ホッテスト”モデルに。2.0L直列4気筒の「GLi」を所有していた筆者も、170PSの大排気量エンジンを搭載したゴルフということに惹かれてそれに買い換え、大パワーと超スムーズなエンジンの吹け上がりに魅了されて通勤やサーキット走行、ロングドライブに多用した。

  • フォルクスワーゲン「ゴルフR」

    Rモデルの初代となったゴルフⅣのR32

  • フォルクスワーゲン「ゴルフR」

    R32のベースになったのが、ゴルフⅢの2.8L V6エンジン搭載モデルだったVR-6。筆者もこれを購入して楽しんだ

レカロ製シートやBBSホイールを標準装備するなど、小さな高級車ぶりを発揮していて大好きなクルマだったのだが、唯一の欠点は燃費。普段乗りでは5~6km/Lあたりで、ノーマルと同じ55Lの燃料タンクでは200kmほど走ると警告灯がついてしまう、というガスイーターぶりだったのを思い出す。

次のゴルフⅣでは、V6の排気量を3.2Lまで拡大するとともに、「4モーション」と呼ばれる4WD機構を搭載した初代Rモデルの「R32」が登場。以降、各世代にRモデルの設定があり、2009年の6代目からはパワートレインが2.0L 4気筒ターボエンジンに変更となっている。

Rモデルの直近の売れ行きはというと、2020年が1万4,305台、2021年が1万7,947台、2022年が2万400台、2023年が3万2,543台、2024年が約3万台で、世界中で人気がますます高まっているとの分析だ。2024年に最も販売台数が多かったのはもちろん本国のドイツで7,981台、ついで米国が4,189台、日本は6番目の1,014台となっている。

この日試乗したのは、2020年に登場したゴルフR 8.0のフェイスリフト版である、いわゆる8.5世代版ゴルフRだ。

  • フォルクスワーゲン「ゴルフR」
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  • フォルクスワーゲン「ゴルフR」
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    “テーラーメイドスーツを纏ったアスリート”というアンダーステートメント製が魅力のゴルフR。実用性は通常のゴルフと変わらない

開発者に聞く最新ゴルフRの特徴

イベントのため来日した開発エンジニアのヨーナス・ティーレバイン氏と開発ドライバーかつレーシングドライバーのベニー・ロイヒター氏が、最新ゴルフRの進化ポイントを紹介してくれた。

  • フォルクスワーゲン「ゴルフR」

    ゴルフR開発エンジニアのヨーナス・ティレバイン氏(左)と開発ドライバーかつレーシングドライバーのベニー・ロイヒター氏。筆者が乗ってきたゴルフⅡを見たいというので、駐車場まで来てもらって撮った写真がこちら

搭載するエンジンは最高出力245kW(333PS)、最大トルク420Nmを発生する2.0L 直4ターボの「EA888」型。従前モデルのゴルフR20周年特別仕様車が積んでいたのと同じ高性能バージョンだ。低負荷時にターボの回転数を一定数維持して待機し、その後の加速ですぐにハイパワーを供給できるプリロードターボチャージャーを組み込んでいる。レースモード時にはスロットルバルブを全閉にせず、わずかに解放しておき、インテーク内にあらかじめ空気を取り込むことで、再加速時のトルクの立ち上がりスピードを大幅に向上させている。

  • フォルクスワーゲン「ゴルフR」

    ゴルフRのパワートレイン

もうひとつの注目機能が「R-パフォーマンストルクベクタリング」だ。50%のトルクを配分するリアアクスルのデフギア脇にクラッチを装備することで、左右トルク配分を0~50%まで自由自在に変化できるという機構である。コーナリング時には外側により大きなトルクが供給できるので、コーナーに吸い込まれるような感覚が味わえるという。ベニーさんによると、ニュルブルクリンクを試走した際には、その有無でタイム差はなんと12秒(!)まで広がったというから、そのすごさがわかる。

このほか、GTI用より20%も軽い専用19インチホイール「WERMENAU」(ヴェルメナウ)、ベンチレーテッド&フローティングの18インチブレーキシステム、ローンチコントロールの搭載などがRの特徴であるとのことだった。

  • フォルクスワーゲン「ゴルフR」

    専用の19インチホイール「WERMENAU」(ヴェルメナウ)とベンチレーテッド&フローティングの18インチブレーキシステム

難コースにゴルフRで乗り込んだ!

早く実力を味わってみたいということで、まずは全長2km強のハンドリングコースに侵入。コース内にはニュルブルクリンク(ドイツにある有名なサーキット)の名物コーナー「カルーセル」や、ラグナセカ(アメリカにあるサーキット)の「コークスクリュー」を再現した部分があるので、とても走り甲斐がある。

3周×3回というスティントの間、いろいろな走行モードやパドルシフトを試したが、結局のところ、「レース」モードのままシフトはクルマまかせにするのが最も速くて正確に走れることを実感。特にコーナーでは、通常ならプッシュアンダーが出ないよう鼻先がしっかりと向きを変えるまで待つ必要があったのが、ゴルフRでは、自分が考えるよりも早い段階でアクセルを踏み込んでも“グイッ”と向きを変えつつ豪快に出口に向かって加速していく感覚が味わえ、感嘆することしきりだった。

  • フォルクスワーゲン「ゴルフR」
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    名物コーナー「カルーセル」に侵入するゴルフR

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    「コークスクリュー」を通過するゴルフR

比較対象のため乗ったGTIは、軽さをいかした走りができるのでそれはそれで楽しかったのだが、Rが見せた、まるでコーナーに敷かれたレールの上を通過するようなスーパーハイテクぶりには驚くばかりだ。

  • フォルクスワーゲン「ゴルフR」
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    「コークスクリュー」を通過するゴルフGTI

眼前のメーター内左側には四輪のトルク配分がバー表示されるので、走行中にそれを確かめたかったのだが、アップダウンが激しく忙しい操作を伴うコース上では、なかなか視線をそちらに落とす余裕がなかった。走行後にレニーさんに、「オートマチックに走るのが一番速いのでしょうか?」と尋ねると、手にしたノートにベクタリングの様子を手書きで示しながら、「その通り!」と即答してくれた。

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    手書きでトルクベクタリングの様子を説明するベニーさん

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    メーター左側に四輪のトルク配分を表示するメーターを装備する

ステーションワゴンの方が最高速は速い?

次のスラロームには、ホイールベースが50mm延長されたステーションワゴンのゴルフRヴァリアントで挑戦。355mm長く80kgも重いボディにも関わらず、前出のベクタリングのおかげでギュギュッと鼻先が向きを変え、軽快にパイロンをクリアしていく。

ちなみに、このヴァリアントでニュルブルクリンクを走ると、ハッチバックに比べてコーナリングスピードはわずかに落ちるものの、最高速は数km/h優れるので(長いボディによる空力面の効果)、トータルのタイム的には変わらないというスーパーステーションワゴンぶりを発揮したらしい。

  • フォルクスワーゲン「ゴルフR」
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    スラロームコースではゴルフRヴァリアントをテスト

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    スラロームコースでのゴルフR

最後のメニューは散水したアスファルト路面のスキッドパッドを使用した定常旋回。セッティングはESCオフ、モードはレースにすることで、ドリフトアングルが保てるとのことだ。

コースに侵入して、ステアリングを内側に切ると同時にアクセルオン。すると、安定志向だった4WDモデルが斜め姿勢のままギュイイーンと旋回し始めてくれる。この状態をキープするのは筆者には少し難しいコントロールだったのだが、とにかく、こんなことまでできるゴルフRは徹頭徹尾、楽しいクルマなのである。

  • フォルクスワーゲン「ゴルフR」
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    スキッドパッドでドリフト走行を披露するゴルフR(これらの写真のみマイナビニュース編集部が撮影)

今回のスリリングRイベントはメディアだけでなく、一般ユーザーも参加できたというから、これを体験したVWファンの中には、帰り道にご自分の懐具合を確かめていた方も多いのではないかと思う。それほどの魅力が詰まっているのがゴルフRなのだ。

ゴルフRの走行シーン。サーキットに続いてスキッドパッドのドリフトも収録!

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