「お米」に対する関心が高まるなか、合わせて「炊飯器」の注目度も上がっている。高価な銘柄米にしろ、買いやすい価格帯のお米にしろ、美味しく炊き上げて食べたいと思うのは当然の欲求だ。
そして、日本の家電メーカーが作る炊飯器はとても優れている。お米の種類を問わず、ごく普通に炊いても十分に美味しい。高級炊飯器ともなれば、お米のポテンシャルを引き出して少しでも美味しく炊き上げる工夫が凝らされ、近年は家庭の好みやお米の銘柄に応じて最適な炊飯を行うカスタマイズ機能を備えた炊飯器が増えている。高級炊飯器の売れ行きがじわりと右肩上がりになっている点も注目で、それだけ普段から美味しいごはんを食べたいという家庭が増えているのだろう。
炊飯器の国内シェアでトップグループに名を連ねるタイガー魔法瓶から、2025年の新型となる高級炊飯器の最上位モデル「土鍋ご泡火炊き JRX-S100/S060」が6月21日に発売される。JRX-S100は5.5合炊きで想定価格は15万9,500円、JRX-S060は3.5合炊きで想定価格は15万4,000円だ。
「土鍋ご泡火炊き」という製品名の通り、内釜に本物の土鍋を使っている。土鍋の内釜は炊飯時の火力が高く、お米の甘みを引き出す。また、水が沸騰するときの泡立ちがキメ細かく優しいため、お米を傷付けにくい。一粒一粒にハリがあって粒立ちがよく、食感に優れたごはんに仕上がる。
2025年モデルでは、土鍋(内釜)の蓄熱性と遠赤外線効果を高めたほか、熱を加えるIHとセンシングを強化し、新たに2種類の炊飯メニューを追加した。
1つは「極(きわみ)・低温給水メニュー」で、炊飯に一手間かけることでより美味しいごはんを炊けるというもの。洗米と水加減を調整したのち、いったん別の保存容器にお米と水を移し替えて、冷蔵庫へ。そのまま6時間ほど冷蔵庫の中でゆっくりとお米に給水させてから、炊飯器へ戻して「極・低温給水メニュー」で炊く。
低温かつ時間をかけてお米に給水させると、お米の表面が荒れにくく、甘みと食感を保てるそうだ。また、炊飯器の中で給水工程を省き、低温から一気に高温で炊き上げることでも、お米の美味しさを引き出せるという。
今回、タイガー魔法瓶の製品発表会にて、通常の炊飯メニューと「極・低温給水メニュー」で炊いた「つや姫」を食べ比べることができた。「極・低温給水メニュー」で炊いたごはんのほうが味が濃く深みがあり、ごはん粒の弾力にも富んでいた。確かに一手間は必要だが、美味しく炊く選択肢が増えたのはうれしい進化といえるだろう。
もう1つは「おにぎりメニュー」だ。おにぎりに適したごはんというのは、冷めても美味しい、口の中でふっくらほどける、ふくよかな甘みを感じられる――といったもの(握りの技術も大きいと思うが)。新しい「おにぎりメニュー」は、炊飯器の中でお米の給水時間を長くし、米粒の芯まで水分を行きわたらせることによって、冷めても食感と甘みを保つごはんに仕上げる。
こちらも実際に「おにぎり」を試食。口ほどけがよく、一粒一粒によい弾力と噛みごたえを感じた。シンプルな塩味だけでも美味しいおにぎりだ。同席した報道陣からは、お弁当にもぴったりという声も聞かれた。
そのほかのおもな特徴として、湿度と温度をコントロールして保温することで炊きたての美味しさを持続する「おひつ保温」や、0.5合や1合といった少ない量でも美味しく炊ける「一合料亭炊き」(JRX-S100のみ)などがある。また、マグネット式の内ぶたは着脱が容易で食器洗い乾燥機に対応し、お手入れが楽だ。
新イメージキャラクターの松坂桃李さん、カメラの前で実食した感想は?
今回の製品発表会には、タイガー魔法瓶の土鍋炊飯器の新しいイメージキャラクターである俳優の松坂桃李さんがゲストとして登場。新CMの撮影や、新しいJRX-Sシリーズで炊いたごはんの感想、好きな「ごはんのおとも」などを語った。
大きな土鍋とスモークに囲まれてステージに現れたときには、「スモークに巻かれるのはヒーローショー以来かも(笑)」と話し、会場が盛り上がる。大好きな「ごはんのおとも」は明太子と味噌汁とのことで、さっそくスタッフが配膳。
「こんなにたくさんのカメラの前でごはんを食べるなんて……!」(松坂さん)としながらも、実際に食べてみると「緊張するかと思ったんですが、しませんね(笑)。ごはんだけでも本当に美味しいし、明太子と味噌汁も最高! 3食これでも全然いけます」と顔をほころばせた。