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AI活用の投資家、37.8%が「10%以上の利益」を実現 - 「10%以上の損失」を経験した人の割合は?

JUN. 13, 2025 15:07
Text : 安藤美耶
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Contents

Wealth Onは、「投資家の生成AI活用に関する意識調査」の結果を6月6日に発表した。調査は2025年3月〜4月の期間、米国株投資家851名を対象に行われた。

  • 投資額別にAIの活用状況

投資額別にAIの活用状況を分析したところ、資産規模が大きい層ほどAI使用率が高まる傾向が明らかになった。全体におけるAI活用率は16.7%であるのに対し、資産1,000万円以上の投資家に限定すると、その活用率は20.5%に上昇。さらに層別に見ると、「100万円以下」の層では使用率は10.17%にとどまる一方、「1,000万〜2,000万円」では17.95%、「2,000万円以上」では22.13%と、右肩上がりで推移している。

これは、銘柄選定・リスク管理・タイミング判断など、投資判断の複雑化に直面する高資産層において、AIが“実務ツール”として実際に活用されはじめていることを示している。特に、膨大な情報の中から取捨選択する負荷を軽減し、感情や思い込みに左右されない意思決定を支える存在として、AIは静かに投資の現場に根付きつつある。

  • 投資歴とAI活用の関係

投資歴とAI活用の関係については、明確な相関関係は見られないという結果に。最も使用率が高かったのは「投資歴5〜10年」の層(19.6%)、次いで「1年以下」(18.2%)となっており、経験年数が長いほど活用率が高まる、というような単純な傾向は確認されなかった。

「2〜5年」「10〜20年」「20年以上」といった中堅〜ベテラン層では、いずれも16%前後でおおむね横並び。この結果からは、投資へのAI導入において“投資歴”は決定的な要因ではないことが示唆される。

  • 利益がどの程度出ているのか

AIを活用している人に利益がどの程度出ているのか尋ねたところ、投資にAIを活用している投資家のうち、投資成果に言及した層では、37.8%が「10%以上の利益」を実現したと回答。

一方で28.0%は「10%以上の損失」を経験しているものの、全体としては利益側の割合が上回っており、AIの活用がリターン向上に寄与しはじめている兆しが見て取れる。導入効果にはばらつきがあるものの、適切な活用ができれば、AIは投資パフォーマンスを押し上げる実用ツールとして機能しつつあることが示唆された。

  • AI導入によってモチベーションがどのように変化したか

AIを導入した投資家にAI投資家に導入によってモチベーションがどのように変化したか尋ねたところ、33.8%が「以前より投資が楽しくなった」と回答。

一方で、「緊張感が増した」(9.9%)、「関心が薄れた」(2.8%)といったネガティブな声は少数にとどまり、 約3人に1人がポジティブな心理変化を感じていることが明らかになった。

  • 投資にAIを導入する最大のメリット

投資にAIを導入する最大のメリットを尋ねたところ、44.4%が「膨大なデータ分析ができること」を挙げた。次いで「バイアスを減らせる」(28.9%)、「時間の節約になる」(22.5%)と続き、感情や先入観に左右されない定量的判断や効率化を重視する傾向が顕著に見られた。

  • AI活用における不安点

AI活用における不安点を尋ねたところ、46.5%が「データの信頼性」を挙げた。次いで、「AIの過信」(21.1%)、「予測の根拠が見えない」(15.5%)など、判断の裏付けや透明性に関する懸念が続いている。

単なる精度の問題ではなく、“なぜその結論に至ったのか”という説明可能性への関心が高まっていることがうかがえる結果になった。

  • 今後の活用意向

AIをまだ導入していない投資家に対し、今後の活用意向を尋ねたところ、「ぜひ使いたい」(23.8%)と「少し興味がある」(57.7%)を合わせて81.5%が前向きな回答を示した。

一方で、「あまり使いたくない」はわずか2.7%にとどまっており、AI投資に対する関心の高さと、導入余地の大きさが浮き彫りになった結果となった。信頼性や運用面の懸念をクリアできれば、今後の導入拡大は十分見込まれる。

  • AIをまだ導入していない理由

AIをまだ導入していない投資家に、その理由を複数回答で尋ねたところ、最多の回答は「どのAIを使えばよいかわからない」(403件)だった。

本グラフでは、回答数の多かった上位5項目を集計しており、「信用できない」「そもそも知らなかった」「取り入れる習慣がない」など、導入の障壁はコストや知識の問題よりも、心理的・情報的ハードルにあることが浮き彫りとなりました。「資金が足りない」といった経済的な理由は少数派にとどまっており、 今後、適切なツールの比較・選定のサポートや、信頼性の明示が進めば、導入率が大きく向上する可能性も感じさせる結果となった。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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