マーキュリーは6月9日、「中古億ション調査」の結果を発表した。同調査は、首都圏(※1)、関西(※2)、東海(※3)で2019年~2024年に流通した、流通時点における販売価格が1億円以上の中古マンションを対象にしている。
同調査では、主要都府県における中古マンション市場において、価格が1億円以上の物件がどのような動向を示しているのかを調査した。
2019年以降、都府県別で億ションがどれくらい供給されたのか見ると、2024年は年間5,700戸の中古億ションが流通した。5年前の2019年と比べると約6.5倍に増加している。2024年に最も多く億ションが供給されたのは、全体の約3/4を占める東京都だった。都道府県別で最も増加率が高いのは大阪府で、5年前の約15倍に増えている。
中古億ションの2019年と2024年の供給数を価格帯別に見ると、最も供給の多い東京都では、2019年は100戸以上の供給があったのは2億円までだったが、2024年は4億円まで上がっている。また10億円以上も10戸以上供給されていた。
千葉県や埼玉県、京都府など、2019年時点で1億円台が最高価格だった都道府県では、2024年の上限価格が3億円程度になり、茨城県や滋賀県など2019年時点で中古億ションの供給がなかった都府県でも1億円を超える住戸が供給されている。各都府県で、軒並み億ションの供給価格帯が上昇していることがわかった。
タワーマンションとタワーマンション以外の億ションの供給戸数を見ると、全体的に2024年の億ションはタワーマンションの供給が牽引していることがわかった。特に神奈川県と大阪府ではタワーマンションの供給比率が非常に高い。
最も供給が多い東京都では、高額エリアでタワーマンション以外の億ションが多数供給されることから2019年と2024年ともにほぼタワーマンションとそれ以外が同程度供給されている。例外なのが京都府で、景観規制などもあり高額エリアにタワーマンションが建てづらい京都府では、タワーマンション以外の供給の方が多いという結果になった。
この5年間で中古の億ションの供給量は大きく増加したことがわかった。これらの多くが新築時は販売価格が1億円以下だったが、昨今の相場高騰で「億ション化」した住戸になる。
2025年に新築分譲されるマンションの想定価格をみても、昨年と比べて価格が下がる気配がみられない中で、中古マンション相場も上昇または高値安定することが想定されている。
※1 首都圏 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県
※2 関西大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県
※3 愛知県、三重県、岐阜県