パーク24はドライバー向け会員制サービス「タイムズクラブ」の会員を対象に「電気自動車」(EV)に関するアンケート調査を実施した。EV普及を阻んでいる要因はやっぱり……?
調査は非公開型インターネットアンケートで実施。調査期間は2025年2月27日~3月10日、有効回答者数は4,811人。以下、パーク24による調査結果のレポートだ。
EV購入の理由は「維持費の安さ」が1位に
現在のEV保有状況を問わず「EVの購入や購入検討をしたことがあるか」を聞いた質問では、EVを購入したことがある人は2%にとどまり、最も多くの比率を占めたのは「購入を検討したことがない」の81%となった。
EVを「購入し現在も保有している」と回答した人に「EVを購入した理由」を聞くと、1位は「ガソリン車よりも維持費が安い」の46%で、2位は「エンジン音が静か」の40%、3位は「環境に優しい」の37%と続いた。現在EVを保有している人のうち4人に1人は「自宅に充電設備が備わっている」こともわかった。
EVを手放した人にその理由を聞くと、「EVステーションが少なかった」の33%が最も多く、「維持費が高かった」の27%、「充電時間が長かった」の16%が続いた。全国の充電スタンドの口数は年々増加しているものの、自家用車としてEVを保有するには充電インフラが不足していると感じる人は少なくないようだ。
EVの購入を検討したものの購入に至らなかった人に理由を聞くと、過半数が「EVステーションが少ない」「車体価格が高い」と回答。3位に「自宅での充電が難しい」(38%)が挙がった。自宅を含む充電インフラの整備状況も購入判断に影響を与えているようだ。
EVを手放した理由およびEVを購入しなかった理由における「航続距離へ不安を感じた」の比率を比較すると、前者は11%であるのに対し、後者は37%だった。バッテリー容量の増加などによってEVの航続距離は年々長くなっており、実際にEVを自家用車として利用することで、航続距離への不安が軽減するようだ。
EVの購入経験がない人に「どのような条件がそろえばEVを購入したいと思うか」を聞くと、「価格が手ごろになったら」の49%が最多となった。続いては「EVステーションが増えたら」が45%、「航続距離に不安がなくなったら」が31%という結果となった。なお、4人に1人は「購入するつもりはない」と回答している。
今回のアンケートにおいて、EV保有者は「維持費の安さ」を主な理由としてEVを選んでいる一方、EVの購入経験がない人は車体価格や充電インフラの整備状況が購入意欲に大きく影響するなど、重視する点に違いが見られた。
国からのEV購入の補助金制度に加え、東京都では新築建築物にEV充電設備の設置を義務付ける条例が2025年4月から施行されるなど、国や地方自治体でEVシフトに向けた政策が進められている。EVシフトの加速により、EVステーションが増えることで航続距離への不安が解消されれば、EV購入を検討する人が増えるかもしれない。
なお、カーシェアリングサービスの「タイムズカー」では3種のEVをラインアップしているとのことだ。