部下指導において、「教え方の最適解」を知っていますか? 部下のやる気を引き出し、主体的に動けるようになる指導法を、「一流・二流・三流」の比較を通じて解説する『教え方の一流、二流、三流』(北 宏志/明日香出版社)から一部を抜粋して紹介します。今回のテーマは「【信用を得る見た目】三流は、安物にこだわり、二流は、流行にこだわり、一流は、何にこだわる?」
【年上の部下】三流は、平等に仕事を与え、二流は、何も頼まず、一流は、どうする?
昨今は終身雇用ではなく、転職などでステップアップする人も増えています。
必然的に、年功序列ではなくなるため、年上の部下を持つことになる人も多いです。
「仕事において年齢は関係ない。部下は部下なのだから、他の部下と平等に仕事を与える」
というスタンスの方も一定数いらっしゃるでしょう。
しかし、年齢が上の人に対し、気遣いをまったくしないというのは、失礼にあたります。
とは言え、気を遣いすぎて、何も頼めないのでは、会社における上司と部下という役割分担が崩壊してしまいます。
周りの部下から見ても、不自然な関係性に思えるのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、まずは年上の部下の方の得意なことを聞き出すことです。
これまでのキャリアなどにそってヒアリングをし、どのような業務が得意なのか、これまでの経験を生かせる業務は何なのかを確認します。
そのうえで、この業務に関しては任せるという分野を決めましょう。一度任せたら、もう口は出しません。
この方法をおすすめする理由は、年上の部下のプライドを傷つけず、メンツを維持しながら、業務を進められるためです。
逆の場合はどうでしょうか。
例えば、年上の部下に初めて経験する業務や苦手な業務を任せてしまうと、年下の上司が一から指導をする必要があります。
あるいは、困ったことがある場合、年上の部下は年下の上司に相談せざるを得ません。
私であれば、どちらの立場になったとしても、とても気を遣うだろうなと想像ができます。
つまり、最初から年上の部下の得意なことを任せることで、お互いに余計な気を遣ったり、気まずい思いをしたりすることなく、スピード感を持って業務を進めることができるというわけです。
もちろん、適切な上司と部下の関係を維持するためには、報告・連絡・相談といった基本的なことは他の部下と同様に、やってもらいましょう。
上司側が変に気を遣いすぎて、特別扱いをし過ぎることは、他の部下への悪影響にもなりかねません。
「あの人だけずるい」というような意見が出てしまっては、元も子もないのです。
年上であるという点に敬意を示し、一定の配慮をしつつも、遠慮をする必要はありません。
また、年上の部下から学ぶべきこともたくさんあります。
年下の上司はつねにそのような気持ちをもって、年上の部下に接してみてください。
一流は、得意なことを聞き、任せる
『教え方の一流、二流、三流』(北 宏志/明日香出版社)
本書は、次のように悩むすべての上司に向けて書きました。部下に仕事を教えても、なかなか動いてくれない / やる気のない部下に、どう指導すればいいかわからない / 仕事の任せ方が難しい / 部下に接する時、つい感情的になったり、ハラスメントが怖くて指摘できなかったりする――部下指導において、「教え方の最適解」を知っていますか?本書では、部下のやる気を引き出し、主体的に動けるようになる指導法を、「一流・二流・三流」の比較を通じて解説。元中学・高校教師であり、現在はZ世代向け研修で人気の著者だからこそ書ける、職場で即実践できる教え方のコツを紹介します。