高級腕時計の代表格として、多くのファンを持つロレックス。その人気は新品だけではなく、現在は販売していないモデルが数多く取引される中古市場でも根強い。
そこで今回はオークファンプロPlusを使って、ヤフーオークションで2025年3月中に取り引き去れたロレックスの商品(最低金額8万円以上)を価格順にランキング化。最も高額で取引されたモデルと、その特徴を解説する。
2025年3月中に8万円以上で取引されたロレックスの商品は合計692点。平均取引価格は40万9,704円だった。
中でも高額取引価格を記録したモデルは次の3本。「“フローティング”希少文字盤 付属品完品 6263」(591万7,001円)と「サブマリーナ デイト 116618LB ランダム番 ルーレット K18YG 金無垢 自動巻き」(489万910円)、そして「デイトナ 逆6 N番 16518G K18YG/クロコ」(352万2,728円)だ。なお、ここで取り上げている商品名は基本的に出品時の表記に沿っている。
一見すると、3月に最も高額で落札された「“フローティング”希少文字盤 付属品完品 6263」の出品画像は、一般的なロレックスの「デイトナ」モデルと同じに見える。出品名には「フローティング」とあるが、通常のモデルと何が違うのだろうか? 時計ジャーナリストの渋谷康人氏に解説してもらった。
「1971年に登場したRef.6263は、6265と並んで、デイトナの中でも最もコレクター人気の高いモデル。搭載されるムーブメントはバルジューベースの手巻きCal727で、今では一般的な防水性に優れたネジ込み式リューズを、なぜか何十年も前に採用。またオイスターケースが採用されたので、文字盤12時位置に『OYSTER』の文字が入ったことでも有名。
そして写真のモデルは6時位置のインダイヤルの上に入った『DAYTONA』の文字が赤い。実はこの赤い文字にはフォントが細い“スモールレッド”とフォントが太い“ビッグレッド”があり、どうやらこれはフォントが太い“ビッグレッド”。どれも希少なことからコレクターのターゲットになっているので高額になるのは納得できる。
なおこの時計は『“フローティング”希少文字盤』として出品されているが“フローティング”の名称は自動巻き化されてRef.が5桁になってからの希少モデルなので、“ビッグレッド”の間違い、出品者の勘違いだと思われる。」
どうやら今回出品されていたのは、「フローティング」ではなく「ビッグレッド」と呼ばれる別の希少モデルだったよう。いずれにせよ珍しいモデルであることは間違いない。やはりオークションサイトにもお宝が眠っている。定期的に覗いてみるのも面白いかもしれない。