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ダイハツ「ミラ」は軽自動車のホットハッチ? 20代が愛車に選んだ理由

JUN. 13, 2025 11:30
Text : 森口将之
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その昔、自動車メーカーが軽自動車に4気筒エンジンを積むなどして武装し、スポーティーな「ホットハッチ」モデルとしての魅力を競い合っていた時代があった。その時代のホットな軽を愛車に選んだ20代に会えたので、話を聞いてきた。

  • ダイハツ「ミラ」の「TR-XXアバンツァートR」グレード

    「35歳以下のクルマ好き」が集まるイベント「YOKOHAMA Car Session 2~若者たちのカーライフ~」(2025年4月に横浜赤レンガ倉庫で開催)でダイハツ「ミラ」のホットハッチバージョンを発見した

各社が個性的な軽スポーツを出した時代

現在、新車で買える軽自動車のスポーツモデルといえば、ホンダ「N-ONE」の「RS」グレードくらいだ。しかし以前は、ほとんどのメーカーがこういった車種をラインアップしていた。中には3ドアボディや4気筒エンジンを採用する軽自動車もあった。

現在の「ミライース」の前身にあたるダイハツ工業「ミラ」もそのひとつ。2代目でエアロパーツを装着したターボエンジン搭載グレード「TR-XX」が登場し、排気量が550ccから660ccになった次の世代では、上級仕様「TR-XXアバンツァート」がラインアップに加わった。

「YOKOHAMA Car Session 2~若者たちのカーライフ~」で発見したミラは、1994年に発表となった4代目。軽自動車用としてはダイハツ初となる4気筒ターボエンジン搭載の「TR-XXアバンツァートR」グレードだ。ミラで4気筒ターボを搭載したのは4代目だけ。TR-XXアバンツァートという名前もこの世代が最後になった。

  • ダイハツ「ミラ」の「TR-XXアバンツァートR」グレード

    4代目「ミラ」の4気筒ターボエンジン搭載グレード「TR-XXアバンツァートR」

当時はライバルのスズキが「アルト」に軽自動車初のDOHCターボエンジンを搭載した「ワークス」を設定していたほか、三菱自動車工業が「ミニカ」に日本の市販車初となる5バルブ方式の3気筒DOHCターボを積んだ「ダンガン」を設定するなど、ホットな軽自動車がいくつも存在していた。

そんな中、ミラTR-XXアバンツァートは、軽自動車のスポーツモデルとしては落ち着いたデザインと4気筒ターボエンジンによるパフォーマンスで根強いファンを獲得。モータースポーツでもジムカーナなどで活躍したのだった。

  • ダイハツ「ミラ」の「TR-XXアバンツァートR」グレード

    ボンネットのエアインテークが目立つ

大分県まで見に行って即決!

ミラのオーナーは神奈川県に住む26歳の「うじさと」さんだ。これが自分で買った初めてのクルマだという。なぜ25年以上前の軽自動車を選んだかと聞くと、このような答えが返ってきた。

「『グランツーリスモ4』にこのクルマが出ていたのがきっかけです。それまでは三菱の「ランサーエボリューション」などが好きだったんですが、説明文に『4気筒ターボエンジンで速さはピカイチ』などと書いてあって、ひと目ぼれしてしまいました」

  • ダイハツ「ミラ」の「TR-XXアバンツァートR」グレード

    「ミラ」オーナーの「うじさと」さん

うじさとさんは早速、クルマ探しを始めた。しかし、グランツーリスモ4に出ていた後期型、おまけにアバンツァートRという車種名のステッカーが残っている個体にこだわったためもあって、なかなか見つからなかった。

「ところが、たまたま見た雑誌で大分県にあることがわかりました。当時は群馬県に住んでいましたが、すぐに電話しました。ショップの人には『そんなに遠くから来られるんですか?』と言われましたが、見に行って、その場で決断しました。さすがに自走で帰るのは大変なので、陸送はお願いしましたが」

  • ダイハツ「ミラ」の「TR-XXアバンツァートR」グレード

    ゲームで出会って一目ぼれし、大分県まで買いに行ったという「ミラ」

4気筒は回すといい音を響かせる

今の軽自動車では体感できない4気筒エンジンは、高回転まで回すとけっこういい音がするとのこと。メカニズムだけでなくデザインも好みで、今の軽自動車にはない3ドアハッチバックというスタイルも気に入っているそうだ。

「主に日常の足代わりとして使っています。とはいえ、群馬にいたときは、榛名山が近かったので走りに行ったりもしました。あとはイベントに行くときにも乗っていくのですが、このクルマが参加できるミーティングはなかなかないですね。それと、好きなアイドルがいるので、ライブ会場に出掛けるときなどにも乗っていきます」

  • ダイハツ「ミラ」の「TR-XXアバンツァートR」グレード
  • ダイハツ「ミラ」の「TR-XXアバンツァートR」グレード

    高回転まで回すといい音がするという4気筒ターボエンジン

購入時の走行距離は13万km、現在は23万kmだ。ちょうど10万kmを上乗せしたことになる。自分でホイールやショックアブソーバーを交換するなど、カスタムも楽しんでいる様子だった。

トラブルはそれほどないそうで、部品も意外に出回っているとのこと。燃費は街乗りでリッター15~16km、遠出では20kmに達することもあるそうで、軽自動車ということもあり維持費は安く済んでいるようだ。

TR-XXアバンツァートRは、ミラの中では上級グレードでもあったので、インテリアにはMOMOのステアリングやロゴ入り専用シートを装備するなど、プレミアムコンパクトスポーツという言葉を与えても良い仕立てだ。

  • ダイハツ「ミラ」の「TR-XXアバンツァートR」グレード

    捉え方次第では「ホットハッチ」とも「プレミアムコンパクトスポーツ」とも呼べる「ミラ」

近年のクルマと比べたら遮音性はほどほどで、エンジンの熱がかなり入ってくるなど快適とは言いがたいクルマなのだが、今は楽しいという気持ちが勝っているのか、あまり気にならないとうじさとさん。乗り続けられる限りは乗っていたいという言葉からも、このクルマを気に入っていることが伝わってきた。

  • ダイハツ「ミラ」の「TR-XXアバンツァートR」グレード
  • ダイハツ「ミラ」の「TR-XXアバンツァートR」グレード
  • ダイハツ「ミラ」の「TR-XXアバンツァートR」グレード
  • ダイハツ「ミラ」の「TR-XXアバンツァートR」グレード

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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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