「腕時計」と聞いて皆さんはどんなブランドを思い浮かべるでしょうか? ロレックス、パテック フィリップ、オーデマ ピゲなどは誰もが知るビッグネームですが、これらは数ある時計ブランドのごく一部に過ぎません。今回はマイナーながらも圧倒的なプライスパフォーマンスを誇り、なおかつ装着していても人と「かぶる」ことの少ない新興ブランド「Venezianico」(ヴェネチアニコ)から「Nereide Acquaforte」をご紹介します。
ヴェネチアニコってどんなブランド?
ヴェネチアニコは2017年にクラウドファンディングで80万ドルの資金を調達してスタートした若いブランドです。ブランドの拠点をイタリアの水上都市ヴェネチアに置き、ヴェネチアの歴史やシンボルからインスピレーションを得た時計を数多くリリースしています。機械式時計を専門に製造する本格的なブランドながら仕上げと価格のバランスが高水準でまとまっており、世界中の時計マニアから高い支持を獲得しています。
今回ご紹介するNereide Acquaforteはヴェネチアニコのダイバーズシリーズ「Nereide」に精緻なレリーフを施した新作です。
細部までこだわった精緻な造り
時計全体に施されたレリーフは「アカンサス模様」という古代ギリシャから続くヨーロッパの伝統模様。西洋アザミの葉をモチーフにしています。
制作工程はまず、時計を保護皮膜でマスキングした後、図柄を彫り込み、酸で侵食させる「エッチング」という手法で大まかに加工します。その後、腐食部分を切開して模様に深みとエッジを与え、凹み部分にインクを流し込むという大変手間のかかる工程を経て完成します。
裏蓋にはヴェネチアのシンボル「有翼の獅子」が表現されています。時計の表面だけにレリーフを施すブランドは多いですが、本機のように裏面まで徹底してレリーフを彫り込んだ時計は大変珍しいです。
リューズガードの天頂部やラグの裏側など、面積が狭く湾曲しているため加工が困難な部分にまでレリーフが彫られており、造り込みに対する妥協が一切見られない逸品です。
ムーブメントにはMIYOTAのプレミアムムーブメント「9039」を搭載しているため、20気圧防水のダイバーズウォッチでありながら、ケース径は42mm×厚さ12.2mmというスリムな時計に仕上がっています。
ベルトはイタリアンレザーにあえて金属ブラシなどを当ててエイジング加工を施したエイジングベルトが付属しています。
これだけ手の込んだ造りに対して18万4,800円という価格設定は、もはやバーゲンプライスと言えるでしょう。