日銀の政策金利の0.25%引き上げのニュースが話題になっています。住宅ローンで「変動金利」を選択する人は多くいますが、もし金利が0.25ポイント上昇したとすると、毎月の返済額や合計の返済額にはどのような影響があるのでしょうか?
この記事では、4000万円の住宅ローンの金利が年0.4%から年0.65%に上昇した場合を想定し、その影響を解説します。
金利が0.25%上がると返済額はどのくらい増える?
以下の条件で4,000万円の住宅ローンを借りた場合について、銀行のシミュレーションを使って見てみましょう。
- 借入金額:4,000万円
- 金利:年0.4%→年0.65%
- 返済期間:30年
- 返済方法:元利均等返済
- ボーナス時の追加返済:なし
金利が0.4%、0.65%の場合でそれぞれシミュレーションを行いました。その結果、金利が0.5%の場合の毎月の返済額は11万7,929円、総返済額は4,245万4,440円です。金利が0.65%の場合、毎月の返済額は12万2,326円、総返済額は4,403万7,360円となります。
この事例では、金利が0.65%に増加したことで、毎月の返済額は4,000円以上増加しました。総返済額が150万円以上増えることからも、金利の上昇がもたらす影響は大きいといえます。
変動金利で知っておきたい「5年ルール」と「125%ルール」
変動金利に関して、返済負担が急激に増加するのを防ぐため、多くの金融機関では「5年ルール」と「125%ルール」を定めています。
まず「5年ルール」とは、原則として金利が上昇しても最初の5年間は返済額が変わらないというルールです。金利が上昇したら、すぐ返済額に影響が出るというわけではありません。
2つ目の「125%ルール」とは、毎月の返済額に関するルールです。たとえ5年ごとの見直しで金利が上がったとしても、毎月の返済額は最大でも1.25倍までとなります。たとえば10万円の場合、12万5,000円を超えることはありません。
5年ルールと125%ルールは法律で決められているものではないため、金融機関やローンによっては適用されないこともあります。
変動金利と固定金利のどちらを選ぶ?
変動金利と固定金利にはそれぞれメリット・デメリットがあり、何を重視するかによってどちらを選ぶべきかは異なります。
変動金利がおすすめの人
変動金利は、固定金利より金利が低く設定されているのが最大のメリットです。ネット銀行を中心に、年0.3~0.4%など、低金利の住宅ローンを提供している金融機関は数多くあります。
変動金利がおすすめなのは、低金利が今後も続くと考える人です。固定金利より金利が低く設定されており、低金利が続けば総返済額も少なくなると考えられます。
ただし、日銀は今後も金利を上げる想定をしています。住宅ローンは現在だけでなく、10年後・20年後も影響してきますが、その時代も今と同じ低金利であるかはわかりません。
変動金利を選ぶ場合、将来金利が上昇しても返済ができるか、シミュレーションをしておくのがおすすめです。
固定金利がおすすめの人
固定金利の最大のメリットは、一度契約すれば金利は上がらないことです。日銀の金利政策や世界の経済情勢がどうであっても、契約している住宅ローンには影響しません。
固定金利が向いているのは、金利の変動を心配したくない人です。固定金利を選べば、金利の変動を気にする必要はなくなります。
一方で、低金利の時代が今後もしばらく続く場合、総返済額は変動金利より高くなる可能性があります。
毎月の返済額も多くなるため、多少金利が高くても問題なく支払える方でないと難しいでしょう。