スバルは2024年12月5日に同社初となるストロングハイブリッド車の「クロストレック」e-BOXER(ストロングハイブリッド)を発売した。スバル伝統の水平対向エンジンにモーターとバッテリーを組み合わせたいわゆるハイブリッド車(HV)なのだが、はたして売れているのだろうか。スバルに聞いた。
スバル初のストロングハイブリッド、どんな技術?
スバルのストロングハイブリッドシステムは状況に応じて動力源であるエンジンとモーターを効率よく使い分ける「シリーズ・パラレル方式」を採用。アライアンス関係にあるトヨタ自動車の「トヨタハイブリッドシステムⅡ」(THSⅡ)が源流にある技術だが、スバル伝統の「水平対向エンジン」と「シンメトリカルAWD」(プロペラシャフトを使った機械式の四輪駆動システム)を組み合わせた同社独自のシステムに仕上げ、クロストレックに搭載した。
スバルの技術者に言わせると、「トヨタの技術を使ってはいるが、スバルらしさは失わない」ように作り上げたハイブリッドシステムであるとのこと。このシステム、今後は他のスバル車にも採用が広がっていくものと見られる。
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2.5Lの水平対向エンジン(最高出力160PS、最大トルク209Nm)に発電用モーターと駆動用モーター(119.6PS/270Nm)および駆動用バッテリー(総電力量1.1kWh)を組み合わせたストロングハイブリッドシステムを搭載する「クロストレック」。ちなみに、もともとあったクロストレックのマイルドハイブリッド車(MHEV=e-BOXER)はエンジンの排気量が2.0L、モーターの性能が13.6PS/65Nmだ
ゆとりのあるエンジン排気量と高出力の駆動用モーターを使うクロストレックHVの走りは、力強く俊敏に進化している。HV化により燃費性能も改善。クロストレックのMHEVが前輪駆動車16.4km/L、AWD15.8km/Lであるのに対し、HV(AWDのみ)は18.9km/Lとなっている。HV化により燃料タンク容量が63Lに拡大したこともあり、航続可能距離は大幅に伸びた。
ハイブリッドの最上級グレードが売れている!
気になる販売状況だが、まずは、日本におけるこれまでのクロストレックの実績を押さえておくと、販売台数は発売日の2022年12月1日から2024年12月31日までの累計で4万5,379台となっている。
それでは、ストロングハイブリッドが追加となって以降はどうかというと、2024年12月5日~2024年12月31日の全体の受注台数は2,023台で、そのうちストロングハイブリッドは1,297台、構成比は64%となっている。ストロングハイブリッド購入者のうち92%は「アイサイトX」を搭載する最上級グレード「Premium S:HEV EX」を選択している。クロストレック全4グレード合計での販売計画は月間2,100台だ。HVの売れ行きについてスバルでは「大変ご好評をいただいている」(スバル広報)との手ごたえを得ているという。