食生活でマグネシウムを多く摂取している人は、少ない人に比べて心筋梗塞などの「虚血性心疾患」になるリスクが低くなることを示す大規模調査結果を、国立がん研究センターと国立循環器病研究センターの研究グループがこのほどまとめた。研究グループはマグネシウムを食事で十分取ることで、虚血性心疾患の予防が期待できるとしている。

図 国立がん研究センター提供

研究グループは、岩手県、秋田県、茨城県、長野県、新潟県、高知県、長崎県、沖縄県の計8県に住む45~74歳の男女約8万5千人を対象に約15年間にわたり追跡調査した。その結果、1,283人が心筋梗塞などの虚血性心疾患を、4,110人が脳梗塞などの脳卒中を発症していたことが判明。これらの病気になった人を対象に発症率とマグネシウム摂取量の関係を分析した。

分析では摂取量の多寡で5グループに分けて比較した。その結果、男性では最も摂取量の多いグループ(下記図でQ5)は最も少ないグループ(同Q1)に比べて虚血性心疾患の危険性が34%減っていた。女性では、中程度摂取グループ(同Q3)が一番多く減少、摂取量が一番多いグループ(同Q5)も少ないグループ(同Q1)より発症リスクは低くなっていた。脳卒中とマグネシウム摂取量との関係については有意な関連性は見いだせなかった。

マグネシウムは魚や果物、野菜や大豆に多く含まれるミネラルの一種。研究グループによると、マグネシウムの欠乏は血圧上昇、血糖代謝低下、動脈硬化促進や脂質代謝異常など、虚血性心疾患の原因になる複数の要素と関連するという。

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