米Facebookは1月30日 (現地時間)、iPhone用のニュースアプリ「Paper」を発表した。雑誌を読むような感覚でFacebookのニュースフィードをブラウズでき、自分の興味のあるテーマやトピックのセクションを追加して、自分専用の雑誌を作るようにカスタマイズできる。2月3日に米国のApp Storeで提供開始になる予定で、価格は無料。

Paperは、新しいアプリや情報共有方法の開発に取り組むFacebook Creative Labsの初めての製品だ。従来のFacebookのiOSアプリに比べるとボタンが少なく、スワイプなど自然なジェスチャーを使ってコンテンツをブラウズできる独特のユーザーインターフェイスになっている。

セクションをドラッグ&ドロップして追加しながらPaperをカスタマイズ

カバー写真とカードで構成されたセクションのメイン画面

PaperにはFacebookのニュースフィードが最初のセクションとして登録されており、さらに写真、スポーツ、食べ物といった豊富なカテゴリからユーザーが好みのセクションをドラッグ&ドロップで自分のPaperに追加する。セクションには、写真、ビデオ、記事、コラムやエッセイなどが含まれる。記事はフルスクリーン表示で読みやすく、写真やビデオもユーザーがコンテンツに集中できるように表示される。ユーザーがコンテンツを自然にブラウズできるように、ジェスチャーに様々なエフェクトが組み合わせられている。例えば、RSSで配信されている情報をフリップするとめくれるようにオリジナルコンテンツが現れ、パノラマ写真を拡大表示して端末を傾けると、写真をずらしながら見ているように表示範囲が動く。

フィードをめくってソース記事にアクセス

共有にも、Paperならではのインターフェイスが採用されている。例えば、共有ボタンからのリシェアは、Twitterでリツィートするような感覚だ。投稿(テキスト、写真)の作成画面にプレビュー機能が組み込まれており、共有する前に内容だけではなく、投稿の表示も正確に確認できる。

雑誌風にニュースフィードを読めるアプリというとすでにFlipboardなどが存在するが、FacebookやTwitterに比べると情報が広がる範囲やスピードが限られる。FacebookやTwitterは情報をたくさんの人にすばやく広げられるツールになっているが、"雑誌のように"と呼べるほど快適にコンテンツをブラウズできない。12億人を超える月間アクティブユーザー数を持つFacebookは、その規模を活かし、Paperを通じて2つを兼ね備えたソーシャルメディアの実現を目指す。