先日、「米MS、Windows XPへのダウングレード権を2020年まで延長」というタイトルでWindows 7におけるダウングレード権延長に関する記事を執筆したが、その後、Microsoft側から期日に関する正確な解釈に関する連絡をもらったので、ここにその内容をまとめてさせていただく。

当初公開されていた記事では、ダウングレード権がWindows 7の延長サポート(またはメインストリームサポート)が終了する2020年(または2015年)まで延長されたと記述していた。これは、今回の情報ソースとなった米Microsoft公式BlogでのBrandon LeBlanc氏の「To support our customers’ "unprecedented move" to migrate their PC environment to Windows 7, we have decided to extend downgrade rights to Windows XP Professional beyond the previously planned end date at Windows 7 SP1. This will help maintain consistency for downgrade rights throughout the Windows 7 lifecycle. As a result, the OEM versions of Windows 7 Professional and Windows 7 Ultimate will continue to include downgrade rights to the similar versions of Windows Vista or Windows XP Professional.」という記述を基に、ダウングレード権の延長が「Windows 7 lifecycle」の終了まで、つまり「Windows 7のサポートが終了するまで」と判断させていただいた。これに基づけば、前述のように延長サポート(またはメインストリームサポート)が終了する最大2020年まで延長されたということになる。だがMicrosoftの連絡によれば、正確には下記のようになるという。

[変更前]
Windows 7出荷後18カ月または Windows 7 SP1の提供のどちらか早い方

[変更後]
OEM版Windows 7の提供が終了するまで(Windows XP等へのダウングレード権自体は永続)

Microsoftによれば、購入時期によりダウングレード権を有するPCとダウングレード権が存在しないPCが混在することによる混乱を避ける措置とのことで、付帯権利をシンプル化した結果だという。

だがここで注意するのは「OEM版Windows 7の提供が終了まで」という部分で、この時期については現時点で明確化されていない点だ。Microsoftによれば、PCメーカー等の経由で提供されるOEM版Windowsの提供終了時期について、最新のWindowsのリリースから2年後が目安とされている。そのため、現時点では「Windows 7の次期バージョンがリリースされてから2年後」が提供終了時期の目安となる(もちろん、これが今後変更される可能性もある)。

また、ダウングレード権を保有するエディションについて、Windows 7 Professional、Enterprise、Ultimateと表記していたが、OEM/DSP版とEnterpriseなどで提供されるボリュームライセンス版では扱いが異なる。OEM/DSP版では、ダウングレード先のOSはダウングレード元OSと同等エディションが対象となり、さらにWindows XPまたはWindows Vistaと限定されていた。だがボリュームライセンス版についてはWindows 95を含み、ダウングレード先OSの選択肢が若干広くなっている。これら詳細についてはMicrosoftのWindows 7のダウングレード権に関するサイトを参照してほしい。

以上、前回の記事と合わせて本記事を参照いただき、相違点に関して照合してほしい。本件について混乱させてしまった各位に対してお詫びし、訂正させていただく。