米Microsoftは5月29日 (現地時間)、Starter Editionに設けている制限の一部をWindows 7で緩和することを明らかにした。

Starter Editionは、デジタル格差の解消や海賊版対策を目的にWindows XPから用意された低価格Windowsで、現在は新興市場のみでOEM向けに提供されている。低価格である代わりに、同時に実行できるアプリケーション数が3つに限られ、また画面解像度やネットワーク機能などにも制限が設けられている。

今日これまでStarter Editionが提供されてこなかった地域でも低価格なネットブックが人気を集めている。Windows 7では、こうした低価格製品向けのEditionの登場が期待されていたが、2月に発表されたSKUでは従来同様にStarter Editionが用意されたのみだった。以来、「低価格ネットブック用Windows 7はどうなる?」という議論が続いてきた。

価格面からStarter Edition に興味を持つベンダーは多いようだ。「Windows 7 Starterについて話そう」というタイトルのブログ書き込みで、MicrosoftのBrandon LeBlanc氏は「Windows 7 Starterと小型ノートPCの組み合わせで、よりリッチな利用体験の実現を求めるフィードバックがパートナーや顧客から多数寄せられた」と明かしている。そこで同社はWindows 7において、Starter Editionの2つの制限を廃止する。まず提供地域を世界規模に広げる。そして同時実行アプリケーション数に制限を設けない。これにより「Windows 7 Starter Editionは、Webブラウジングや電子メール、パーソナル・プロダクティビティなどの基本的なタスクをこなす小型ノートPCを求める顧客にとって、より魅力的なオプションになった」と同氏。

ただしWindows 7 Home PremiumやWindows 7 Professionalなどに比べると、Starterは「Aero Glass」「デスクトップ・カスタマイズ」「マルチモニター」「DVD再生」「Windows Media Center」「Remote Media Streaming」「ビジネスユーザー向けドメイン・サポート」「Windows XP Mode」などの機能を備えない。そのためLeBlanc氏は利用体験を重視する小型ノートPCユーザーに対して、Windows 7 Home Premiumとの組み合わせを試すことを強く勧めている。