ヤフーバリューインサイトは17日、テレビ・新聞・雑誌・ラジオの4大メディアから、動画共有サービスなどのWeb系メディアまで含む「情報メディア」に関する調査結果を発表した。これによると、Wikipediaに代表される「利用者が編集可能なフリー百科事典」は、信用度が新聞、ラジオに次いで3位となるなど、一定の信用が置かれていることが分かった。

「フリー百科事典」は、信用度が新聞、ラジオに次いで3位となるなど、一定の信用が置かれていることが分かった

ヤフーバリューインサイトではこれまで、情報メディアに対するユーザー態度の経年変化、新メディアの信用度や利用状況の把握を目的に、同様の調査を2005年~2007年の各年3回にわたり実施。今回、第4回となる調査を2008年12月18日~19日、全国の15~59歳の男女1,000人を対象にインターネットで実施した。

これまで同様、横軸で「信用度」、縦軸で「利用度」、バブルサイズで「今後の利用意向」を表現したチャートで、各メディアのポジショニングを確認。

これによると、今回新たにカテゴリを追加したWikipediaに代表される「利用者が編集可能なフリー百科事典」は、信用度が「新聞」「ラジオ」に次いで3位、利用度が「テレビ」「検索エンジン」「ポータルサイト」「新聞」に次いで5位、利用意向は「検索エンジン」に次いで2位。

「利用度、信用度、利用意向が三拍子揃う注目の結果となった」(ヤフーバリューインサイト)。

また、前回(2007年)調査で利用度・利用意向ともに高かった検索エンジンや、初登場ながら存在感を見せた「動画共有サービス」の利用度・信用度は、今回調査でも上昇傾向。利用意向も依然高く、「今後も伸びが期待される」(同社)。

一方、はてなブックマークなどの「ソーシャルブックマークサービス」、Flickr、フォ ト蔵などの「画像/写真共有サービス」、Ustream.TV、Justin.tvなどの「ライブストリーミングサービス」などの新メディアは、いずれも信用度、利用度、利用意向ともにまだまだ低い状況となった。

テレビ・新聞・雑誌・ラジオの従来4大メディアは、信用度、利用度、利用意向とも、2008年のレベルをおおむね維持した。

また、同調査では、CGM(消費者作成型メディア)系の各メディアの認知・利用・参加経験を調査。これによると、フリー百科事典や動画共有サービスは、認知率が9割、利用経験率が7~8割。

フリー百科事典や動画共有サービスは、認知率が9割、利用経験率が7~8割だった

「情報発信に至るユーザーは少数派ではあるものの、インターネットユーザーにとっての一般的な情報メディアという存在を確立していると言える」(同社)。

だが、ソーシャルブックマークサービスや画像/写真共有サービスは、認知率が7割強~8割と高いものの、利用経験率は3割未満に留まり、「閲覧を含めた利用者はまだ限定的」(同)となっている。

また、「SNS」は利用経験率が4割強と昨年から伸びが見られなかったが、「よく閲覧し、よく参加するユーザー」が1割強と他メディアよりも構成比が高く、一部のヘビーユーザーの利用頻度が高い傾向が見られた。

さらに同調査では、CGM系メディア利用者を対象に、シーンや目的別に利用したいメディアについて質問。その結果、「他人から情報を得たい」ときに利用するメディアは、フリー百科事典、動画共有サービス、特定カテゴリの掲示板が4割前後と高く、複数メディアに分散している。

一方、「自分の情報を他人に提供したい」ときには、「個人のブログ」(25%)やSNS(19%)に集中しており、「自らの情報を提供したいときと他人から情報を得たいときでは、メディアの使い方が異なっている」(ヤフーバリューインサイト)。

また、個人のブログは発信だけでなく、受信においても高めで、受信・発信の両目的で活用したいメディアという位置付けとなっていることが分かった。

ウェブ系メディアの定義