オリンパスイメージングは5日、角度を可変できる液晶モニターを備え、クリエイティブな写真表現が可能な「アートフィルター」機能を搭載したデジタル一眼レフ中級機「OLYMPUS E-30」を12月20日から発売すると発表した。同時にライブビューでのAFに対応した標準ズームレンズ「ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 II」も発売する。価格はオープンで、推定市場価格はボディのみの「OLYMPUS E-30ボディー」が15万円前後、同時発表の標準ズームレンズが付属する「OLYMPUS E-30レンズキット」が20万円前後の見込み。

E-30(ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 II装着時)

デジタル一眼レフ中級機「OLYMPUS E-30」

「E-30」は、同社のデジタル一眼レフフラッグシップ機「E-3」と、エントリー機「E-520」の中間に位置する中級機。角度可変の液晶モニターなど、外観はE-3に準じつつ防塵、防滴機能などを省いて低価格を実現したモデル。撮像素子は新開発の有効1230万画素ハイスピードLiveMOSセンサーで、最大5EVステップに相当するボディ内手ブレ補正機能、超音波によるダストリダクションシステムを搭載する。また新開発の画像処理エンジン「TruePicIII+」を採用し、新機能「アートフィルター」や低輝度側の階調を残したまま高輝度側の階調を広げる「ワイドダイナミックレンジ」を実現した。

ボディ前面

ボディ背面

液晶モニターはE-3同様2軸で可動する

E-30では、新たにクリエイティブな写真表現が簡単な操作で実現できるという「アートフィルター」機能を搭載した。同社では、今後同機能をEシリーズの第2の特徴としたいとしている。同機能には、色をカラフルにする「ポップアート」、柔らかいトーンで幻想的な雰囲気を演出する「ファンタジックフォーカス」、フラットで優しい光につつまれたような「デイドリーム」、シャドー部もハイライト部も柔らかくライティングしたような「ライトトーン」、粒子の粗い白黒調の「ラフモノクローム」、トイカメラで撮ったように周辺光量を落とした「トイフォト」の6種類が用意され、ライブビュー撮影時には背面液晶で仕上がり画像をリアルタイムで確認しながら撮影が行える。なお、いずれのアートフィルターもかかり加減などを変更することはできない。

1230万画素のLiveMOSセンサー

ボディ内蔵の手ブレ補正ユニット

軽量化を実現した新開発のペンタプリズム

ファインダーユニット

ファインダー内表示(画像は全ての表示を点灯したもの)

新開発のペンタプリズムにより、E-3と比較し重量比50%以下、体積比約60%を達成しつつ、視野率約98%、倍率1.02倍と大きく見やすい光学ファインダーを実現したという。AFセンサーはE-3と同じく11点全点ツインクロスセンサーを採用し、E-3同等のAF速度、秒5コマの連写と、1/8000秒の高速シャッター、1/250秒のハイスピードシンクロなどE-3を踏襲した機能を備える。また、撮影画像は4:3を基本とし、ワイドの16:9、中判カメラなどと同じ比率の6:6、3:2、5:4、7:6、6:5、7:5、3:4など多彩な比率の撮影が可能となっている。

オプションのパワーバッテリーホルダー「HLD-4」を装着した状態

背面液晶モニターは、E-3の2.5型から、2.7型23万画素で視野角上下左右176度の高精細ハイパークリスタルII液晶モニターに強化された。液晶はE-3と同じ2軸機構を備え、E-3と同等の可動範囲を持つ。また、階調補正機能も備え、オート、ハイキー、標準、ローキーの4種類が選択可能。「顔検出機能」も搭載し、最大8人の人物の顔を検出してAFやAEを制御し、階調補正との協調動作にも対応する。撮影前に、液晶モニター上で露出補正やホワイトバランス調整を施してそのうちの4画面を同時表示する「パーフェクトショットプレビュー」や、2画像を左右に表示して画像を拡大比較可能なライトボックス機能、ファインダー内やコントロールパネル、ライブビューモニター上に水準器を表示可能で、ライブビュー内では水平水準器に加え、あおり方向の傾き表示にも対応する。記録メディアはUDMAに対応したCFカード(typeI/II)、xD-ピクチャーカード。本体サイズは141.5(W)×107.5(H)×75(D)mm、質量約655g。縦位置シャッターボタンのついたパワーバッテリーホルダーはE-3と共通の「HLD-4」(2万3,500円)を使用する。

なお、E-30の発売を記念して1月12日までに購入したユーザーには1万円キャッシュバックされるほか、予約購入した場合には限定の本革ストラップがプレゼントされる。予約は11月5日より開始される。

E-30対応新標準ズームレンズ「ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 II」

「ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 II」は、E-30でライブビュー使用時に使用するコントラスト検出AF方式に対応した新標準ズームレンズ。E-30のほか、E-520、E-420などに対応する。新たに7枚の円形絞りを搭載し、描写性能も向上した。価格は8万3,000円。

ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 II

ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 II内部構造

絞り羽根は7枚の円形絞りとなった

レンズ構成は11群15枚(非球面レンズ3枚)。最短撮影距離は望遠端(テレ端)で7cm、ワイド端でも10cmでの撮影が可能。フィルター径は67mm。本体サイズは74.5×88.5mm、質量は440g。