2月26日(米国時間)、米Sun Microsystems社は、MySQL AB社の買収が完了したと発表した。同日からSunは、MySQL製品と法人向けサービスの提供を開始した。この買収は2008年1月16日に初めて公表されたもので、買収総額は約10億ドルとされている。

両社はオープンソース製品を主力とし、Web2.0アプリの開発やエンタープライズ分野ですでに高い評価を受けているという点で共通している。 MySQLは非常に人気の高いオープンソースのデータベース製品で、現時点でダウンロード数が通算1億コピーを超えるとされている。Sun Microsystemsも、JavaやSolarisをはじめとして多くの製品をオープンソースとして提供しており、オープンソースコミュニティとの結び付きは強い。 両社の統合は市場や開発者からも大きな期待が寄せられており、1日あたりにおけるMySQLデータベースのダウンロード数は、買収発表前の5万件から、現在では6万件に増加しているという。

今回の買収によって顧客が享受できるメリットの1つは、Sunの資金力やパートナー網をバックに、MySQLデータベースの開発スピードや商用サポートが強化される、という点だ。Sunは、MySQLデータベースの法人サブスクリプション契約を結んだ企業を対象に、年中無休、24時間体制のサポートを提供するとしている(詳しくはこちら)。

さらに、Sunの製品とMySQLデータベースがどう関わっていくかについても期待が大きい。 Sunの製品ラインナップは、ハードウェア、OS(Solaris)、プログラム言語(Javaなど)、統合開発環境(NetBeansなど)、アプリケーションサーバ、オフィス製品(StarSuite)など非常に多岐にわたっている。こうした幅広い製品群がMySQLデータベースとどう組み合わせられ、相乗効果を挙げていくのか、Sunの戦略に注目が集まる。