また、枕の洗濯が必要な理由や洗う頻度、枕が洗えるか確認する方法、洗濯できない枕のお手入れ方法も整理してまとめました。
お気に入りの枕、何とかきれいにしたい
枕カバーは交換しているのになんだか枕が臭う
このように、枕の汚れや臭いが気になって「洗いたい!」思っている方も多いと思いますが、枕は素材によって洗い方が違い、中には洗えないものもあるので要注意です。
適切な方法で定期的にお手入れをして、臭いや汚れのない清潔な枕を使いましょう。
【枕の手洗い方法を動画で観る】
【洗濯機】枕の洗い方の手順
洗濯機を使った枕の洗い方の手順を解説していきます。
洗濯機で洗える枕の場合でも、汚れがひどいときは予洗いをし、その後ネットに入れて洗濯機を使用してください。
また、型崩れしないように、干す前に形を整えることも忘れないでくださいね。
枕の洗濯におすすめの洗剤
- おしゃれ着洗い用の中性洗剤:汚れの落ち方はマイルドだが、枕の素材を傷めにくい
- 部屋干し用洗剤:脱臭効果や抗菌作用が強いので、枕の臭いが気になるときにおすすめ(部屋干し用洗剤となっていても天日干しも可能)
枕カバーを外して本体を確認
枕カバーを外し、本体の洗濯表示を見て、洗い方や漂白剤が使えるかどうかなどを確認します。
また、汚れ具合もチェックして、必要であれば予洗い(STEP2を参照)も考えましょう。
縫い目のほつれがある場合は、洗濯中に枕の中身が出てくる可能性があるため要注意です。
ほつれを処置してから洗うようにしてください。
汚れがひどいときは予洗いをする
汚れがひどいときは、洗濯機に入れる前に予洗いをしましょう。
洗面台・浴槽・バケツなどに40℃程度のお湯をためて、漂白剤を入れ、枕を1~2時間ほど漬け置きします。
漂白剤NGの素材の場合は、重曹やセスキ炭酸ソーダを使います。
重曹やセスキ炭酸ソーダはアルカリ性のため、汗・皮脂・よだれなど酸性の汚れに効果的です。
枕を洗濯ネットに入れて洗濯機で洗う
【準備】
洗濯機に水を張り、洗剤を入れて溶かします。
粉末洗剤は溶け残ると枕に付着する恐れがあるため、液体洗剤のほうがいいでしょう。
枕のサイズに合った洗濯ネットに枕を入れ、ファスナーをしっかり閉めます。
万が一洗濯中に枕の中身が出てもいいように、洗濯ネットは目の細かいものだと安心です。
枕の傷みや型崩れを防ぐために、洗濯モードは「手洗いコース」「ドライコース」など弱水流のコースを選びましょう。
大きめの枕や厚みのある枕には、たっぷりの水で奥までしっかり洗ってくれる「毛布モード」もおすすめです。
洗濯が終了したら手でたたいて形を整える
脱水まで終了したら枕を取り出し、中身の偏りをなくすために、手でたたいて全体が均一になるように整えましょう。
特に、ポリエステル綿や羽根の枕は脱水の際に中身が偏りがちです。
中身が偏ったままの状態で乾いてしまうと枕が変形してしまうので注意してください。
ドラム式洗濯機は、洗濯中や脱水中にドラム内で重さが偏ると、エラーが出て停止してしまうことがあります。
どうしてもドラム式洗濯機がうまく作動しない場合は、手洗いにしましょう。
【手洗い】枕の洗い方の手順
次に、手洗いで枕をきれいにする手順を説明します。
はじめに中性洗剤を溶かしたぬるま湯で枕を優しくもみ洗いし、しっかりすすいだら、手で水分を押し出すようにして念入りに脱水しましょう。
枕を干すときには、形を整え、完全に水分が抜けてから使用してください。
こんなときは手洗いにしましょう!
- 洗濯表示で洗濯機不可となっている
- 洗濯機可の枕だが、デリケートな素材・高価な枕なので洗濯機で洗うのは不安
- 一人暮らしなどで洗濯機がない
手洗いは手間はかかりますが、汚れの落ち具合を目で確認しながら作業できるというメリットもあります。
枕カバーを外して髪の毛などを取る
枕カバーを外し、枕を濡らしてしまう前に髪の毛・手で取れるホコリなどの汚れを取り除きましょう。
また、縫い目のほつれがある場合は、手洗いの最中に枕の中身が出てきてしまう可能性があるため、あらかじめ処置しておきます。
ぬるま湯or水に中性洗剤を溶かす
洗面所やバケツなどにぬるま湯or水をため、中性洗剤を溶かします。
作った洗濯液に枕全体がしっかり浸かる必要があるため、サイズにゆとりのある容器や場所で行ってください。
枕が大きい場合には浴槽で洗うのがおすすめですよ。
枕を優しく揉み洗いする
洗濯液に枕全体を沈め、ゆっくりと優しく手で揉み洗いし、汚れが目立つ部分はつまみ洗いをします。
中身の偏りや型崩れが心配な場合は、まずは押し洗いで汚れが落ちるか様子を見ましょう。
押し洗い:洗濯液に浸しながら手で全体を優しく押す洗い方で、洗濯で負担をかけたくないデリケートな素材のもの(ニットなど)に適している
枕が浮いてきてしまう場合は、内部まで洗濯液が浸透していないことが考えられるので、しっかりと洗濯液を吸わせてください。
しっかりとすすぐ
汚れが落ちたら、何回か湯or水を変えてしっかりとすすぎます。
洗剤が枕に残ると黄ばみや傷みの原因になるので注意しましょう。
洗剤の泡が出なくなるまで念入りにすすいでください。
手作業で脱水し、枕の形を整える
すすぎの後は、枕を上から両手で押すようにして水を切ってください。
この脱水作業を繰り返してできるだけ水分を出したら、さらにバスタオルにくるんで残った水気を吸収させます。
絞ると素材を痛めたり、型崩れの原因になるので、絞って水気を切ることはやめましょう。
水が出なくなったら、変形しないように形を整えて終了です。
枕の洗濯が必要な理由や洗う頻度は?
ここからは、枕の洗濯が必要な理由や洗う頻度について説明します。
毎日使う枕はどうしても汗や皮脂などがついてしまうため、意外と汚れています。
枕の汚れは臭いの原因になるので、半年に1回は洗うのがベスト。
枕は適切な方法で洗い、いつも清潔な状態で気持ちよく使いましょう。
枕は意外と汚れている
毎日使う枕は想像以上に汚れています。
枕は肌が直に触れるものなので、汗・皮脂・唾液、化粧品や洗髪料などが付着しやすく、その汚れを放置していると、枕カバーを通して枕本体にも染みついていきます。
そして、枕の汚れを栄養分としてダニや雑菌が繁殖し、顔や頭皮のニキビ・抜け毛などのトラブルを引き起こす場合もあるため、注意が必要です。
臭いの原因になる
汚れた枕は臭いの原因になるため、洗濯などのお手入れが必要です。
枕の臭いの原因のひとつは、寝汗・皮脂・フケなどを栄養にして繁殖する雑菌です。
また、皮脂自体も時間が経つにつれて酸化が進み、臭いを発するようになります。
さらに、加齢臭・ミドル脂臭・ストレス臭などを発する身体から分泌される臭い物質も枕の臭いの元です。
【加齢臭】
40代頃から分泌が増える「ノネナール」という臭い物質が原因。
背中や胸のほか、頭部周辺(耳や首の後ろなど)からも発生すため、枕が臭くなります。
【ミドル脂臭】
中年男性に多い「ジアセチル」という臭い成分が原因で、脂っぽい臭いが主に頭部から発生するので、枕のいやな臭いの元になります。
【ストレス臭】
ストレスホルモン「コルチゾール」や精神的な緊張が主な原因で、全身の皮膚から分泌されます。
半年に1回洗うのがベスト
枕は半年に1回は洗うのがベストです。
枕は乾くまでに時間がかかるので、湿度の低い、天気の良い日に洗うことをおすすめします。
それでも、厚みのある枕などは1日では完全に乾かないこともあるので、いつもの枕が乾くまでの間、臨時で使える枕があると安心かもしれません。
また、雑菌の繁殖やいやな臭いを防止するためには、洗濯するだけでなく、枕をこまめに干したり、枕カバーを交換することも習慣にしましょう。
枕が洗えるか確認する方法
次に、枕が洗えるか確認する方法をご紹介します。
枕には洗えるものと洗えないものがあるので、まずは洗濯表示を確認しましょう。
洗濯表示が不明の場合には、枕の素材が洗濯可・不可の判断材料になります。
洗えない枕の「洗えない理由」は素材の性質によるものが多く、主に以下のようなものがあります。
- 水に弱く、洗うと劣化してしまう
- 渇きにくい性質のため、水分が残ってカビが生えやすい
- 一度洗うと型崩れしやすい
枕が汚れたときはすぐに洗濯にとりかからずに、洗える枕なのかどうか、また、洗濯機使用がOKなのかどうかなど、事前にしっかりチェックすることが大切です。
枕の洗濯表示を確認する
枕を洗う前には、必ず洗濯表示を確認しましょう。

画像引用元:東京ガス ウチコト
洗濯表示のタグには
- 洗濯機使用が可能か、手洗いのみ可能なのか、洗うこと自体がNGなのか
- 漂白剤は使えるか
- 日干しか、陰干しか
などの情報が記号で表示されています。
下の衣類の取り扱い表示一覧を参考に確認してみましょう。

画像引用元:政府広報オンライン
誤った方法で洗濯すると、枕が痛んだり、型崩れしたり、最悪は使えなくなってしまうこともあるので注意してください。
枕の素材を確認する
枕に洗濯表示タグがついていない場合や、取れてなくなってしまっている場合などは、枕の素材を確認しましょう。
素材がわかれば、多くの場合は正しい洗濯方法を判断できます。
枕の素材は、詰め物の手触りや形状でわかるものもありますが、製品の公式ホームページや通販サイトの商品詳細などで確認するのが確実です。
もし、洗濯表示タグ・素材のどちらも不明の場合は、念のため洗えない素材であると考えて、洗濯不可の枕に適した方法を選ぶほうが無難です。
洗える素材
一般的に洗えるとされている枕の素材で代表的なものは以下のとおりです。
- パイプ
- コルマビーズ(ミニボール)
- ポリエステル綿 ※洗濯不可のものもあり
- 羽根(フェザー)
パイプやコルマビーズ(ミニボール)のように中が空洞になっている素材は、通気性があり、乾きも早いので水洗いに向いています。
パイプやコルマビーズ(ミニボール)は枕から取り出せることが多いので、ザルなどに移し替えて水洗いすることもできます。
一方、ポリエステル綿の枕は製品によっては洗えないものがあるので、洗う前には必ず洗濯表示を確認しましょう。
洗えない素材
洗えない枕の素材は、主に次のようなものです。
- そばがら・もみ殻
- 細かいビーズ
- 低反発・高反発ウレタン
- 羽毛
- 綿
そばがらやもみ殻のような自然素材は吸湿性が高いため、水洗いするとなかなか乾かず、カビが生えたり、腐ったりします。
同様に、細かいビーズも水をたくさん含みやすく、乾きにくいため、水洗いはNGです。
また、ウレタン素材は水に濡れるとボロボロと崩れてしまう性質のため、洗濯できません。
枕の正しい干し方
枕の正しい干し方について考えてみましょう。
枕には、天日干しに向いている素材と向いていない素材があるので、素材をしっかり確認し、適切な方法で干すことが重要です。
干す際には、型崩れしないように形を整えることも忘れないようにしましょう。
水分が残っていると臭いや雑菌の原因になるため、枕の内部まで完全に乾燥させ、清潔で気持ちのいい状態の枕を使ってくださいね。
天日干しに向いている・向いていない素材
素材の性質上、枕には天日干しが向いているもの・陰干しが向いているものがあります。
天日干しの場合には日光が当たる場所、陰干しなら風通しのいい日陰の場所(室内でも可)で干します。
枕の干し方といえば「天日干し」をイメージする方も多いかもしれませんが、ウレタンのように紫外線に弱い素材の枕もあるので注意しましょう。
逆に、そばがらのような天然素材は虫が湧きやすいため、紫外線による殺菌効果が期待できる天日干しが最適です。
【洗濯した枕を天日干しで乾かす方法】
- 枕の中身の素材を均一にならす
- 日が当たる場所に干し、枕の裏表をひっくり返すなどして、両面に日が当たるようにする
- 枕を室内に取り込んだら、表面に掃除機をかけ、ホコリや花粉などを吸い取る
- 形を整える
【洗濯した枕を陰干しで乾かす方法】
- 枕の中身の素材を均一にならす
- 日が当たらない風通しのいい場所に干す
- 屋外で陰干しした場合は、枕を室内に取り込んだ後、表面に掃除機をかけ、ホコリや花粉などを吸い取る
- 形を整える
※陰干しは、直射日光が当たらない場所なら室内でもOKです。
枕の形を整えてしっかり乾くまで干す
枕を洗濯した後は、形を整えてしっかり乾くまで干すことがとても重要です。
枕は乾くまでに時間がかかり、特に、手で脱水した場合には1日では乾き切らないこともあります。
しかし、枕に残った水分は臭いや雑菌が繁殖する原因になるため、枕は数日かけてでも完全に乾いてから使用しましょう。
天日干し・陰干しにかかわらず、水分が抜けきらない場合には、以下のものを適宜利用し、枕の内部まで完全に乾かすようにしてください。
- 扇風機
- サーキュレーター
- 除湿機
- エアコンの除湿機能
- 浴室乾燥機
- 布団乾燥機
※洗濯機のタンブル乾燥機能やコインランドリーのタンブラー乾燥機を使うという手段もありますが、熱に弱い素材には使えない場合もあるため、必ず枕の洗濯表示タグを確認してください。
枕を干す時は、平干しか吊り干しをおすすめします。
【平干し】
平らな場所に置いて干す方法。
ベランダ・窓際・室外機の上などのスペースに枕を置き、片面ずつひっくり返しながら表裏とも乾くように気をつけましょう。
【吊り干し】
物干し竿などに吊るして干す方法で、市販の枕ハンガーなどを使うとバランスよく干せます。
枕ハンガーはホームセンターや100均ショップなどで売っています。
枕の大きさや厚みに合う、しっかり固定できるものを選びましょう。
洗濯できない枕のお手入れ方法は?
洗濯できない枕のお手入れ方法をご紹介します。
洗濯できないタイプの枕の基本的なお手入れは、定期的に干して湿気を逃がすことです。
汚れが目立つ場合には中性洗剤などで部分洗いすることは可能ですが、間違って全体を洗濯してしまった場合は、水分を出して陰干しするなど、早急に対処することが大切です。
それでは、洗濯できない枕のお手入れ方法のポイントを整理してみましょう。
定期的に干して湿気を逃がす
洗えない枕は、定期的に干して湿気を逃がすことが何よりも重要です。
洗えない枕は洗剤や水を使って汚れを落とすことができないため、臭いや雑菌の繁殖を防ぐためには干して乾燥させることが基本です。
天日干しか陰干しか、素材に適した方法を確認の上、定期的に干すようにしましょう。
また、洗えない枕は干すことが必須とはいえ、以下のようなアイテムも利用するとお手入れが楽になります。
【枕に使える簡単お手入れアイテム】
布団クリーナー:布団クリーナーは枕の表面のホコリやダニなどを吸い取ることができるので、洗えない枕には特におすすめです。
除菌・消臭スプレー:雑菌によるいやな臭いも簡単に除去できるので便利ですが、枕にスプレーの水分が残らないように気をつけましょう。
汚れが目立つときは中性洗剤などで部分洗いを
洗えない枕の汚れが目立つときは中性洗剤などで部分洗いをしましょう。
洗えないタイプの枕は全体を洗濯液に漬けることはできませんが、部分的な汚れなら中性洗剤や漂白剤を使って落とすことができます。
水濡れに弱い素材を使っているため、濡れる範囲を最小限にすることが大切です。
【部分洗いの手順】
- ぬるま湯で濡らして絞ったタオルで、汚れ部分を叩くようにして汚れを浮かせる
- ぬるま湯に中性洗剤(おしゃれ着用洗剤)を溶かした洗濯液を作る
- 洗濯液で濡らして絞ったタオルで、汚れ部分を叩くようにして汚れを浮かせる
- 汚れを落としたら、きれいな水で濡らして絞ったタオルで洗濯液をふき取る(汚れが落ちていない場合は③と④を繰り返す)
- 乾いたタオルで拭いて水分を取り、風通しのいい場所で乾燥させる
※漂白剤を使用する場合は、漂白剤OKかどうかを事前に洗濯表示で確認し、使用可であれば、②の段階で追加してください。
枕の汚れやシミが広範囲に広がっている場合は、買い替えを検討した方がいいでしょう。
間違って洗濯した場合は早急に対処する
洗えない素材の枕を間違って洗濯してしまった場合は早急に対処することが大切です。
洗濯で枕が含んでしまった水分はなるべく早く取り除くべきなのですが、その前に、水抜き作業の際に素材が傷まないように枕カバーを取り付けておきましょう。
枕は決してねじって絞ったりせずに、全体を優しく押すようにして中の水分を出しましょう。
水が抜けたら、風通しのいい場所で十分乾燥させてください。
枕の洗い方のよくある質問・Q&A
まとめ
この記事では、枕の正しい洗い方・干し方などを徹底解説しました。
毎日使う枕は想像以上に汚れているため、お手入れを怠ると臭いや雑菌の繁殖の原因になり、ニキビなどの肌トラブルを引き起こすこともあります。
しかし、枕には洗えるもの・洗えないものがあり、干し方も素材によって異なるため、方法を間違えるとかえって枕を傷めたり、寿命を縮めてしまう恐れがあります。
枕の洗い方がよくわからない方、洗えない枕のお手入れが気になっている方は、ぜひ本記事を参考にしてくださいね。