退職したいのに辞めさせてもらえない人や、パワハラがひどくて顔を合わせるのも苦しいと悩んでいる人に、退職代行サービスはおすすめです。
本来企業側が従業員の退職を拒否する権利はないですが、労働法など構わずに強引な行為に出るブラック企業は後を絶ちませんよね。
ここでは退職代行サービスを使う上で、退職金は出なくなってしまうのか、残りの有休はどうなるのかなどが気になる方に、プロが回答します。
リスクや注意点、対策まで紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
法律事務所や大手不動産会社、大手不動産投資顧問会社を経て独立。IT、不動産、相続、人事労務など幅広い相談に対応している。さまざまなメディアにおいて多数の執筆実績がある。
退職代行のデメリットに関する噂1.退職代行を使うと退職金がもらえない?
退職代行サービスはまだ歴史が浅いにも関わらず非常に多くの会社が存在しています。
そのためいろいろな噂があり、例えば退職金がもらえなくなってしまうのかといった懸念もあるでしょう。
結論としては以下になります。
- 退職代行サービスと退職金は原則関係ない(デメリットにはならない)
- 退職代行の利用の有無に関わらず約20%の会社は退職金がない
ここでは個別サービスではなく労働法の観点から人事が解説します。
退職代行サービスと退職金は原則関係ない(デメリットにはならない)
まず結論として、退職金と退職代行サービスは関係がありません。
退職代行サービスを使ったせいで退職金がなくなるということは原則ありません。
もし企業側がそのような理由をつけて退職金を払わない場合は不当である可能性が高いでしょう。
退職代行に関わらず約20%の会社は退職金がない
一方でそもそも退職金が出ない会社も多いです。
企業が退職金規程を設けることは必須ではなく、退職金が出ない企業は実は多いです。
厚生労働省が2018年に実施した調査によると、従業員30人以上の企業において退職金がない企業は19.5%もあるという結果が出ました。
従業員30人以上で約20%なので、それ以下の会社やベンチャー企業などでは5人に1人以上がそもそも退職金はもらえない可能性が高いといえます。
退職代行のデメリットの噂2.退職代行を利用すると有休がもらえない?
退職を考えている時に退職金と並んで心配になるのが有給休暇ですよね。
辞めると言ってしまった後に残りの有休はどうなるのか分からない方も多いでしょう。
企業の担当者も法律を理解していないことがあるのですが、人事がしっかりと解説していきます。
退職代行を使っても有休は必ずもらえる
有休については、退職代行サービスを使っても必ずもらえます。
有給休暇の日数や期限は労働基準法によって決められているので勝手に減らすことはできません。
退職するから有休が消滅するようなことを企業が言った場合は完全に違法となります。
退職金とは異なり有給休暇の付与は労働基準法で守られている労働者の権利と言えるでしょう。
有休消化も交渉してくれる退職代行サービス「退職代行Jobs」をチェック
退職代行のデメリットの噂3.未払い賃金の交渉や請求ができない?
退職代行サービスを使うことで未払いの残業代などの支払いについての交渉と請求ができるのでしょうか。
こちらも人事視点でわかりやすく解説をしていきます。
通常の退職代行業者では非弁行為になる可能性
弁護士ではなく通常の一般企業である退職代行業者の場合、未払い賃金の請求は非弁行為になってしまう可能性があります。
実際に一般企業の退職代行業者では未払い賃金の交渉や請求は行わず、退職の意志を伝えることに特化しているところがほとんどです。
未払い賃金交渉は弁護士に依頼すべき(時効は注意)
明らかに残業代が少ない場合や、タイムカードを通した後に残業させることが常態化しているような会社に対しては、未払い残業代を請求できる可能性が高いです。
その場合は退職代行サービスで辞めてしまう前に、弁護士に相談することをおすすめします。
注意点としては未払い賃金については時効があるので、速やかに請求をするべきということでしょう。
退職代行は有給休暇や退職金を交渉できるサービスを選ぶ
退職代行を選ぶ際は、有給休暇や退職金を適切に交渉できるサービスを選びましょう。
本来は有給休暇などを不正に減らすことや無くすことは違法なので会社が悪いと言えますよね。
しかしいくら会社が悪くても、権利はあなたが行使するしかありません。
会社は不正を働いた結果に責任を持つことになりますが、あなたも権利を使わずに泣き寝入りしてしまった場合、その行為による損失を受け入れざるを得ないことになります。
特に不正行為をしてくると予想される企業に対しては、初めから交渉覚悟で弁護士による退職代行を使いましょう。
退職代行を利用することで考えられるデメリット・リスク2選
退職代行サービスを使うデメリットやリスクはあるのでしょうか。
デメリットやリスクには以下があります。
- 引継ぎを全くせずに大きな損害が出る場合は注意
- 退職金が不当に減額される可能性がある
退職金に影響するのかなど気になる点を説明します。
退職代行のデメリットやリスク1.引継ぎを全くせずに大きな損害が出る場合は注意
退職代行サービスを使う注意点として、引継ぎを全くしないで大きな損害が出てしまう場合は弁護士に相談するなど慎重に退職をすすめましょう。
自分が一切引継ぎをしないで突然辞めることで明らかな損害が出てしまう場合は、稀ではありますが企業側が損害賠償請求をしてくるケースがあります。
損害を与えた従業員が悪いわけではなく、そもそも負荷が重すぎることや、要求しても後任やスタッフを企業側が用意していなければ企業側に過失があるとも考えられます。
このため、実際に従業員に損害賠償責任が認められることはほとんどありません。
ブラック企業は辞める従業員に対して、脅迫のように損害賠償請求をちらつかせることがありますが、念の為こちらの非を減らす対策は必要かもしれません。
退職代行のデメリットやリスク2.退職金が不当に減額される可能性がある
企業が就業規則などで退職金の支給を規定していれば、退職代行サービスを使ったとしても正当に退職金を受け取れる権利はあります。
ただしそもそも退職代行サービスを使ってすぐにでも辞めたくなるような企業であれば、不正に退職金を減額することや、こちらが退職金の支払いを主張するまで放置する可能性はあるでしょう。
そのような会社だと予想されるケースでは、労働組合が運営している退職代行サービスで交渉をするか、場合によっては弁護士法人の退職代行に依頼して徹底的に請求することを検討してみてください。
退職代行のデメリットやリスクに対する4つの対策
退職代行サービスを使う際の対策を紹介します。
- 損害が出る辞め方は極力避ける(ただし自分の心身が最優先)
- 退職金について就業規則を確認しておく
- 残りの有休日数を確認しておく
- 未払い給与がある場合は得するケースもある
それぞれ詳しく説明します。
退職代行を使う時の対策1.損害が出る辞め方は極力避ける(ただし自分の心身が最優先)
退職代行サービスを使うとしても、企業に損害が出る辞め方は極力避けた方が良いでしょう。
従業員が1人辞めたことで大きな損害が出る時点で企業側にも責任があるとも言えますが、例えばパワハラの仕返しに会社の誹謗中傷をするとか顧客名簿を持ち出すなど故意に損害を出させる行為はこちらが不利になります。
一方で、度重なるハラスメントや過剰労働などで心身ともに限界の場合は、自分自身を最優先して構わないでしょう。
後任者への引き継ぎを十分できずに退職したというだけで損害賠償が認められることは通常ありません。
出社して顔を合わせるだけでうつ病などになってしまうケースもあるので、そのために退職代行サービスを使う意義はあると思います。
退職代行を使う時の対策2.退職金について就業規則を確認しておく
退職代行サービスを使うか使わないかに関わらず、退職金については就業規則で確認しておくことは重要です。
実は自社に退職金がなかったと驚くことも少なくありません。
入社時の契約できちんと確認した記憶がない方は、辞める前にチェックしておきましょう。
退職代行を使う時の対策3.残りの有休日数を確認しておく
有休日数は労働基準法で決められています。
また民法627条では2週間前に退職を伝えれば退職できると定められています。
2週間以上の有休が残っているにも関わらず、退職の意思を伝えた後で有休が無くなったから出てこいなどと言われるケースは違法になります。
残りの有休日数を調べておくことも重要でしょう。
退職代行を使う時の対策4.未払い給与がある場合は得するケースもある
すでに未払いの残業代や給与が確実にあるとわかっている場合は、労働組合が運営している退職代行か弁護士法人に依頼することで、今までの未払い分を回収できる可能性があります。
人によっては数十万円も取り返せる場合があるので、退職代行の利用料金を支払っても十分得するかもしれません。
退職代行の料金を気にして1人で辞めることで、本来は回収できたはずの大きな金額を手放してしまうのはあまりにもったいないと言えますよね。
残業代がたまっている場合はぜひ弁護士などに相談してみてください。
退職代行に関するリスクにすべて対策できる「弁護士法人みやび」をチェック
退職金や有休を交渉できる退職代行サービス3選を紹介!
ここまで述べた通り一般企業である退職代行業者が企業と交渉や請求をすることはできません。
一方で弁護士法人や労働組合が運営している退職代行サービスでは、企業相手に退職金や有休を正当に求めることができます。
ここでは退職の意志を伝えることに加えてオプションのある退職代行サービスを紹介します。
退職金や有休交渉できる退職代行サービス1.辞めるんです
相談可否 | 可能(無制限) |
料金 | 27,000円(税込) |
オプション | 後払いOK、返金保証つき、有給サポート付き |
顧問弁護士 | あり |
辞めるんですは、後発ながら10,000件の退職代行実績がある人気のサービスです。
27,000円(税込)と相場より安いにも関わらず、
- 24時間365日対応
- 即日退職可
- 退職率100%
- 後払いOK
- 全額返金保証付き
- 有給サポート付き
- 無制限で相談可能
と、退職代行を検討している人が不安になるであろう要素がほとんど解消されるほどの充実したサービス内容になっています。
顧問弁護士から業務指導も受けているため、デメリット・欠点といえる箇所が見当たらないほどです。
退職代行に加えて、有給休暇以外のサポートを受けたい人は後ほど紹介する「弁護士法人みやび」がおすすめですが、「退職代行(+有給サポート)」のみを依頼したい人であれば、辞めるんですを利用しておけばまず間違いないでしょう。
辞めるんですの運営会社概要
会社名 | LENIS Entertainment株式会社 |
電話番号 | 03-6279-3967 |
本社住所 | 〒108-0022 東京都港区海岸3丁目7-18 ALTO-B1101 |
退職金や有休交渉できる退職代行サービス2.退職代行Jobs
相談可否 | 可能(無制限) |
料金 | 【正社員・契約社員・派遣社員・パート・アルバイト】 27,000円(税込) 【退職代行(27,000円)+労働組合(2,000円)】 29,000円(税込) |
オプション | 現金後払いOK、転職サポート、引っ越しサポート |
退職までの日数 | 最短即日 |
顧問弁護士 | あり |
退職代行Jobsは、顧問弁護士から適正業務範囲の指導を受けている退職代行サービスです。
24時間365日対応していて、最短30分で手続きが完了するので即日退職を希望している方に向いています。
簡単な審査はありますが現金での後払いが可能なので、退職完了してから料金を支払いたいという方にもおすすめ。
また、労働組合と連携しているので勤務先へ有給休暇の交渉も任せられます。
有給休暇を取得してから退職したいという方は、退職代行Jobsに依頼すると良いでしょう。
さらに希望者には無料で転職サポートを行っており、社宅や寮に住んでいる方には引っ越しサポートも行っているので相談してみてください。
退職代行Jobsの運営会社概要
会社名 | 株式会社アレス |
所在地 | 大阪府大阪市東淀川区上新庄3-14-12-1202 |
代表者 | 佐藤美代子 |
設立 | 2021年1月8日 |
退職金や有休交渉できる退職代行サービス3.弁護士法人みやび
相談料 | 無料 |
料金 | 55,000円(税込) |
オプション | 残業代、退職金、未払い給与などの請求と交渉可
※費用は回収額の20% |
退職までの日数 | 最短即日 |
顧問弁護士 | 佐藤 秀樹 |
弁護士法人みやびは名前の通り弁護士に退職代行を依頼する形になります。
料金は相場よりも高いため、辞めたいだけの方にはおすすめしません。
一方で残業代、退職金、未払い給与などの請求と交渉が可能なので、ブラック企業相手に請求したい方には頼もしい存在でしょう。
オプションの弁護士費用は回収額の20%で完全成功報酬制なので、オプションを付けることのデメリットはないと言えます。
弁護士法人みやびの運営会社概要
商号 | 弁護士法人みやび |
弁護士 | 佐藤 秀樹 |
事業内容 | 企業法務全般 訴訟等の裁判業務 顧問業務 コンサルティングなどの相談業務 一般民事事件などの個人向け業務 |
所在地 | 〒105-0021
東京都港区東新橋1-1-21 今朝ビル5階 |
退職金や有休交渉できる退職代行サービス3.退職代行ニコイチ
相談可否 | 回数無制限 |
料金 | 27,000円(税込)(退職できなければ返金保証) |
オプション | 有休消化、2か月アフターフォロー |
退職までの日数 | 最短即日 |
実績 | 43,000人以上 |
退職率 | 100% |
退職代行ニコイチは有休消化のオプションが付いている実績豊富な退職代行サービスです。
実績で選ぶのならば退職代行ニコイチは優秀で、創業18年の会社が運営していて、43,000人以上をすでに退職させてきた豊富な実績を持ちます。(2023年6月時点)
料金は27,000円(税込)と安い水準で、返金保証も付いていて、さらに2か月間のアフターフォローもあります。
面倒な会社相手だとしても間違いなく退職できるノウハウや経験がありますよね。
バイトでも利用できるので、雇用形態に関わらずおすすめできる退職代行サービスでしょう。
退職代行ニコイチの運営会社概要
会社名 | 株式会社ニコイチ |
創業 | 2004年 |
退職代行店舗名 | 退職代行ニコイチ |
まとめ
自分の心身を考えた時に退職代行サービスを使ってでもすぐに退職することも大切です。
退職金については企業ごとに決められていますが、退職代行サービスを使って辞めたことが原因で減額するのは不当である可能性が高いです。
有給休暇については労働基準法で決められているため、退職代行サービスの利用の有無に関わらず企業が勝手に日数を減らすことは違法になります。
ここで紹介した退職に向けた対策をぜひ参考にしてみてくださいね。