インサイドセールスとは?役割や業務、メリット、体制構築/目標設計から事例までわかりやすく解説

約80万件の架電実績データと、204名のテレマ担当の声から、インサイドセールスにおける「架電」の在るべき姿が分かる動画資料を配布中!

非対面で実施できる業務範囲を担当する営業活動、インサイドセールス。インサイドセールスの体制を導入することで、訪問の移動時間が削減され営業活動が効率化したり、密に見込み顧客とコミュニケーションが取れ受注率が高まったり、多くのメリットが期待できます。ここではインサイドセールスと従来の営業や業務の詳細、テレアポとの違い、インサイドセールスに向いている人、成功事例をわかりやすく解説します。

記事の監修者:荒井裕希(あらいゆうき) 

株式会社エフ・コード 取締役。大学在学中に経営コンサルティング会社に参画。セールス・マーケティング領域を中心に担当。創業期からの事業立ち上げを経験。現職においては、セールス・マーケティングや新規サービスの開発および運用業務に従事。2020年、インサイドセールス支援事業を開始し、IT/SaaS系企業のセールス・マーケティングを支援中。 

インサイドセールスとは非対面での営業活動(内勤営業)、およびその役割・部門のこと

インサイドセールスとは、潜在顧客や見込み顧客のリードに対して行う非対面(主に電話、メール、Web商談等)での営業活動(内勤営業)、およびその役割・部門を指します。従来の営業(フィールドセールス)と違い、訪問営業を行わず非対面での活動が主体となり、状況に応じてMAツールなどを使用します。

インサイドセールスの概要、過去と現在

昨今、新型コロナウイルスの影響により、テレワーク導入が急速に進みました※1。これに伴い、営業活動や移動時間削減による営業活動の効率化の観点から注目を集めている営業手法です。

従来の営業(フィールドセールス/アウトサイドセールス)との違い

インサイドセールスと従来の営業(フィールドセールス)は目指す目的や業務内容・役割が異なります。

業種や取り扱う商材により、具体的な業務や目的に違いはありますが、従来営業部門で担当していた新規リードの獲得と育成、商談機会・アポイントの獲得などの役割を担います。これにより、営業活動が分業化され、今までの営業部門が「訪問営業」と「受注」の業務に集中できる環境が整います。

 

インサイドセールス

従来の営業(フィールドセールス)

主な目的

リード、商談の獲得

受注

目標(KPI)

リード数、商談数

受け渡しリードの受注率など

新規受注数・新規売上など

業務範囲

新規リード獲得と育成

新規リード獲得・顧客育成・クロージング営業・契約後のフォローアップ

フィールドセールスとは

従来の営業(フィールドセールス)は、主に対面での商談に集中し、契約獲得のためのクロージングの役割を担います。基本的にインサイドセールスはフィールドセールスの役割を「訪問」と「受注」に集中させるために、これまでフィールドセールスが一手に担っていた業務を分業するために設置されます。

テレアポとの違い

インサイドセールスとテレアポ(テレフォンアポインター)との違いは、目的・目標(KPI)・時間軸の3つが大きく異なります。表にまとめると以下の通りです。

 

インサイドセールス

テレアポ

主な目的

リードの獲得と育成、商談の獲得

商談の獲得

目標(KPI)

条件を満たすリードと商談の獲得件数 など

商談獲得件数

時間軸(効果計測期間)

長期

短期

テレアポは顧客との商談のアポイントを獲得する目的で電話をかける業務ですが、インサイドセールスで電話をする際の目的は、リードの獲得や育成、最終的な自社が設ける受注条件に沿う商談機会の獲得です。

テレアポと違い、電話だけで目的を達成することを目指さず、メールやオンラインmtgツール、お手紙、FAX等、非対面でコミュニケーションができるあらゆる手段で見込み顧客とのコミュニケーションを行います。

目標(KPI)も異なります。一般的にテレアポは「何件電話し、うちいくつアポが取れたか」をKPIとする場合が多く、質より量が評価軸になります。

また、テレアポでは1週間や1日単位など短期的にアポの獲得件数を検証し、トークスクリプトの改善や架電リストのブラッシュアップを行うことが一般的です。一方、インサイドセールスは長期的な目線で顧客育成に取り組むため、その場の電話営業だけでは契約やアポなどの成果に直結しない場合が多いです。そのため、成果の検証期間も短く、1ヶ月単位で行われます。

アウトバウンドセールスとの違い

インサイドセールスは「非訪問型の内勤営業」であるため、インサイドセールス=インバウンドマーケティングとは限りません。

つまり、潜在顧客に対して、テレマーケティングなどを活用し、Web商談を通じて非訪問型の営業をする企業もあります。事業・商材・ターゲットに応じて使い分け、戦略的なアウトバウンド方式のインサイドセールス部隊を編成することが重要です。

インサイドセールスが注目されている理由

インサイドセールスは昨今の新型コロナウイルスの拡大によるリモートワークの浸透もあり、企業での導入が増えています。

もともとは国土が広いアメリカで始まり、ひたすら顧客に電話をかけて商談のアポイントを取り付けるテレアポが主流でした。日本では、まだインサイドセールスが流入してきて間もないため、スペシャリストと呼ばれる人が多くないのが現状です。今後はインサイドセールスの需要が増加し、その中でスペシャリストも多数生まれていくことでしょう。

また、以下の調査結果※2にもある通り、買い手・売り手それぞれが考える「好ましい営業スタイル」において、「リモート営業」の割合が増えています。なぜインサイドセールスが必要とされているのか、好まれる営業スタイル

インサイドセールスはマーケティング部門とフィールドセールス部門の架け橋となる部門のため、顧客にとっては訪問営業だけの営業よりも売り手との接点が増え、細かなヒアリングを行ってもらえる点が好意的に感じられるでしょう。

また、営業としてもマーケティング部門が獲得したリードを効率的かつスピーディに対応できる部署として重視される場面が増えていくと考えられます。

参考記事:2022年版 BtoBマーケティングのセオリーと最新トレンド、成功事例まで紹介

参考記事:BtoBのリード獲得方法11選 オンライン・オフライン別の顧客獲得施策を紹介

インサイドセールスの役割と業務の流れ

役割① 見込み顧客の優先順位づけ

マーケティング部門で実施した施策やホワイトリストなどで獲得したリードの中から、ターゲットとなる見込み顧客を選定しアプローチの優先順位をつける作業はインサイドセールスの役割の一つです。

インサイドセールスの意義:顧客の購買フェーズに応じた分業と専門化

今までの営業スタイルだと、1人の業務範囲が広くリードを優先順位づけすることまで手が回らないことも多く、結果としてニーズが明確化していない・受注確度が低い顧客に対しても、訪問営業を行うケースが一般的でした。

しかし、インサイドセールスがニーズの顕在化度合いを測り、見込み顧客の優先順位づけをすることで受注確度が高い顧客に絞り訪問営業を行うことができます。一方、受注確度が高くないと思われる見込み顧客は、電話やメールによる有益情報を提供するなどして、ニーズを高めていく活動を行うなど、営業活動のメリハリを付け、結果として、営業活動の効率化や訪問営業の受注率の向上が期待できます。

また、これには見込み顧客の情報をしっかり管理する必要があります。そのため、MAツール(マーケティングオートメーションツール)やSFAと呼ばれるものを導入することをおすすめします。

参考記事:インサイドセールスツール6種!活用ポイントと目的別おすすめ理由まとめ

役割② 見込み顧客の関係性構築

見込み顧客との関係構築はインサイドセールスで重要な業務です。

インサイドセールスは訪問営業を行わないだけで、部門としては営業部門であるため最終的なゴールは受注です。受注数や受注率を高めるためには、見込み顧客のニーズが顕在化するようにフォローし、ニーズが顕在化した熱量の高い瞬間を逃さないことが重要です。

そのため、インサイドセールスの業務では電話やメールでこまめに見込み顧客とコミュニケーションを取り、顧客の課題や疑問点に迅速に対応することで、潜在的なニーズがより具体的なニーズに向かうようサポートし、顧客からの信頼を獲得することが求められます。

これにより、フィールドセールスが訪問する際には顧客との信頼関係が構築され、スムーズな受注へつながります。

参考記事:インサイドセールスの手法とは?基本の電話方法から営業の種類(SDR/BDR)と段階別で具体的に紹介

役割③ 営業担当者への見込み顧客の連携

適切なタイミングでフィールドセールスへ顧客対応を引き渡すこともインサイドセールスの業務です。

インサイドセールスとフィールドセールスを連携した営業モデル プロセス分業型解説図

顧客のニーズが最も高まったタイミングでフィールドセールスがクロージングをかけられるかどうかは、受注に直結する大切なポイントのため、温度感の見極めはフィールドセールス部門にとって重要なテーマの一つです。適切なタイミングでクロージングするためには、日々のヒアリングはもちろん、マーケティング部門とも協力しながらCRMツールなどで顧客のステータスを詳細分析することが重要です。

どの業務の優先度が高いかは、インサイドセールスの種類によっても異なります。

SDRとBDRの2つに大別

インサイドセールスの種類は、大きく分けて反響型営業新規開拓営業の2つに分類されます。多くは、獲得したリードを分類し顧客育成を行うことを目的としているのが実態でしょう。

業務内容は「反響型営業」「新規開拓型営業」の2つに分けられ、それぞれターゲットやアプローチの方法も違います。

 

ターゲット

重要な部分

反響型営業

・既存のリード顧客

・インバウンドにより獲得した新規リード顧客

・ニーズの引き出し

・ニーズに対応した提案

新規開拓型営業

・アウトバウンドにより獲得した新規リード顧客

・ターゲット顧客の調査

・営業戦略の組み立て

獲得リードに対応する反響型営業(SDR)

反響型営業は既に取引のある顧客や、インバウンドにより新たに獲得したリード顧客をターゲットとし、営業活動を行うものです。反響型営業ではより良い関係性を構築する中でニーズを引き出し、寄り添った提案ができるかが重要となります。

いわゆるPull型と呼ばれ、SDR(sales development representative)とも言います。

製品・商材の資料請求やホワイトペーパーのダウンロード、問い合わせのあった企業担当者へすぐにフォローを入れるなど、スピード感の求められる業務です。

新規リードの場合、営業担当として最初に顧客にアプローチをするのはインサイドセールス部門の役割となります。

そのため、電話やWeb会議などでどれだけ顧客のニーズを引き出し、受注確度を高められるかはインサイドセールス部門のスキルレベルに左右されるところです。また既存リードの場合は顧客とのこまめなコミュニケーションを取り、自社に対する信頼性を向上することで将来的な受注率を高める顧客育成の要素が強いといえます。

反響型営業のリード獲得経路は、Web広告やオウンドメディアの運営などインバウンドマーケティングが主体となるケースが多く、マーケティング部門との連携も密に行う必要があります。

また、近年はGoogleが発表したクッキー廃止の宣言を受け、インバウンドマーケティングでも特にオウンドメディアが重要な役割を果たしています。

マーケティング部署やサービス提供部門との連携が重要なため、顧客情報・商談内容の履歴など、顧客データ管理も必要な場合が多く存在します。

自社からアプローチする新規開拓型営業(BDR)

対して新規開拓型営業は自社から営業活動を行い、新たに興味のある顧客を獲得していくものです。

いわゆるPush型で、BDR(business development representative)とも呼ばれます。

新規開拓型営業は、反響型営業と異なり事前の顧客情報が比較的少ないため、企業情報やテレアポリストをもとにした企業調査や営業戦略立てに時間をかける必要があります。また、アプローチ方法は代表電話への架電営業や、IR情報から調べた決裁者へ直接メールを送るなどです。

導入するメリット・デメリット

メリット

  • スピーディかつ頻度の高い営業活動が実現(リードタイムの短縮)
  • 受注確度の高い顧客にのみ訪問営業を行うという効率的な営業活動が実現(商談化率と受注率の向上)

デメリット

  • 顧客からより深いニーズを引き出すことが難しい(信頼構築の障害)
  • 部門間の連携業務が増加(業務負荷の増加)

メリット① リードタイムの短縮

インサイドセールスでは、訪問のためのアポイント取りや日程調整が必要ないため、スピーディかつ頻度の高い営業活動が実現します。その結果リードタイムを短縮できるというメリットがあります。

インサイドセールスでは電話やメールの他に直近ではWeb会議システムを活用したオンライン会議での営業活動も多く取り入れられており、移動時間を削減しつつ、顧客と顔を合わせて会話ができることもメリットの一つです。

リードタイムが短縮されると、顧客の購入意欲も高まりやすく成約率の向上につながります。

メリット② 商談化率と受注率の向上

今までの営業方法では、リード顧客の契約確度などを具体的に把握できないまま訪問アポイントを獲得するため、営業担当は契約確度の高い低いに関わらず同量の時間と労力を全ての顧客に割く必要があります。

一方、インサイドセールスではリード顧客を契約確度順にまずは分類することから始めるため、確度の低い顧客は電話やメール対応で済ませ、確度の高い顧客にのみ訪問営業を行うという効率的な営業活動が実現します。結果として、インサイドセールスの導入は商談化率や受注率の向上につながるでしょう。

デメリット① 顧客からより深いニーズを引き出すことが難しい

顧客と直接会って関係性を構築できるフィールドセールスに対し、信頼関係を築くのに時間がかかる場合がある点です。それにより顧客からより深いニーズを引き出すことが難しいなどのデメリットが発生するでしょう。

デメリット② 部門間の連携業務が増加

インサイドセールスは部門単独で業務が完結せず、マーケティング部門やフィールドセールス部門との連携が必要不可欠なため、各部署との連携や定期的な効果検証などにコストをかける必要があるでしょう。

また、企業の商材や営業スタイルによって適切な役割や業務範囲が異なるため、インサイドセールス導入や体制構築には社内の業務整理などが必須となり時間や人員のコストがかかります。

インサイドセールスの効率化や組織・体制づくりのポイント

インサイドセールスは顧客から得られる情報を的確に把握し対応することが求められる業務です。

そのため、導入時の業務整理や対応マニュアルなどの整備にはしっかりと時間をかける必要があり、人による対応の質に違いが出ないことが求められます。さらにマーケティング部やフィールドセールスから共有された顧客情報を整理し、最善の顧客対応を行うことで受注率を高められるでしょう。

①目標設定:ターゲット設定、目的、KPIの共有

インサイドセールスの目的やKPIを明確化することで、成果が落ちた際に施策を改善しやすくなります。

KPIとは「重要目標評価指標」と呼ばれ、受注獲得など最終的なゴールの達成に向けて設けられた中間目標のことを指します。

インサイドセールスに用いられるKPI は主に5つあります。

  • メール開封数

  • 架電数・架電率

  • 商談化数・商談化率

  • 受注数・受注率

  • 受注額

インサイドセールスのKPI

例えば、ECサイトなどでの最終目標(KGI)がAという商品を10点受注することの場合、ECサイトのA商品のページの閲覧数や、カートへ入れた数などがKPIとして設定されます。

また、場合によっては顧客との関係性を構築して受注率の向上をKPIに設定する場合もあります。ただし、いずれのKPIも最終的な目標に対しての達成度合いを図るために活用されます。

加えて、インサイドセールスが対応すべき顧客のターゲット像をあらかじめ明確にしておくことも大切です。なぜなら顧客管理システムやMAツールなどからアプローチすべき適切なターゲットを選定する指針ができ、効率的な営業活動が実現するからです。

過去の実績などをもとに、顧客の行動履歴なども参照しつつ顧客に適切なタイミングで刺さるアプローチを組織的に行うことも重要です。

②組織連携:営業、マーケティング、広報など周囲の協力を得る

営業部署やマーケティング部署など関連する部署との連携は、インサイドセールスにおいて成功のカギを握るポイントです。

フィールドセールスを行った結果や顧客の反応などはできる限りインサイドセールスにもフィードバックをもらい、顧客の心理や検討状況を常に最新の情報にアップデートしておくことで、シナリオを改善する際のヒントとなるでしょう。また、マーケティング部署が行うキャンペーン施策や広報がリリースした情報などは都度事前に連携し、顧客育成中のリードに対してうまく活用しましょう。

特にマーケティング部とは密な連携を行い、コミュニケーションを取っているリード顧客に限定したキャンペーンを打ち出すなどを行うとより成果が上がりやすくなるでしょう。

担当者レベルでのコミュニケーションが円滑になるよう、組織レベルでの仕組みづくりが重要です。

③リソースの確保:適性のある専任の人員を置き、取りこぼし防止

インサイドセールスでよくある失敗の一つに、リソース不足による対応の遅れが挙げられます。

リードが立ち上げ当初よりも増えてきた場合や、対応件数が想定よりも少ない場合はすぐに人材の獲得や人員調整を行うことが大切です。人員が適切でない場合、リードに対して適切とされているアプローチよりも遅れて対応するリスクが発生し、設計したシナリオ通りの対応ができなくなる可能性があるためです。

どんな人がインサイドセールスに向いているのか?

実際に「インサイドセールス 辛い」で検索する人が多い事実もある通り、インサイドセールスは業務の特性上、向き・不向きがあります。

インサイドセールスに向いている人として、以下の4つの特徴が挙げられます。

  1. 電話・メール・Zoomを使ったコミュニケーションスキルが高い
  2. 楽観主義でめげず、チャレンジ・継続する精神力がある
  3. 業務・タスクの処理スピードが速い
  4. 事実ベースで報告できる

インサイドセールスに向いている人の特徴

電話やメールにおいては相手との会話のテンポを合わせ、内容を簡潔に伝える能力が必要です。ZoomなどのWeb会議ツールで顔が見える場合は、多少コミュニケーションスキルのハードルは低くなります。しかし、画面越しでの表情や声のトーンなどの工夫は必要です。

また、インサイドセールスは相手と連絡が取れなかったり、時にクレームを受けたりする場合があります。そのため、心が折られるような出来事が起こった状況でも楽観的に捉えられ、次のアプローチを行えるチャレンジ精神が求められます。

他にも、多岐にわたる業務が発生するため、効率よく処理するスピードの速さが求められ、数多くの業務を行うと同時に事実ベースで報告できる能力が必要です。

④ツールの導入:CMS、SFA、MA、CTI、名刺管理、Web(テレビ)会議ツールなどで効率化

CMS:リード獲得(リードジェネレーション)を効率化する

CMS(コンテンツ・マネジメントシステム)をWebサイトに導入し、Webコンテンツの制作・配信や、よく見られているコンテンツやサイトへの流入元などがすぐに分析できます。ツールによっては、問い合わせまでの導線管理機能も搭載されているものが多いため、リードジェネレーションにも役立つツールです。

リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションのステップ例

MA(マーケティングオートメーション)ツール:リードを管理、見込み度合いを判断し、ナーチャリング(育成)する

MAとはマーケティングオートメーションの略であり、主に企業がマーケティング活動する際に使用するツールを一元化し、マーケティング業務の効率化をはかることを意味します。そして、MAツールとはメールやモバイルマーケティング、ウェブサイト分析など、多岐にわたるマーケティング活動を一つのソフトウェアにまとめたものです。

また、シナリオ設計によりスコアリングを使用することで、コールドリードホットリードなどのリードの仕分け(リードクオリフィケーション)が可能となり、より確度の高いインサイドセールスを支援してくれます。

マーケティングシナリオ設計の例

MAツールを利用することで、マーケティング活動で発生する定型業務や反復作業を自動化でき、従来よりも効率的な営業活動が実現できます。

CTI(コンピューター電話統合):MAツールのデータベースと電話を連携する

CTIとは、Computer Telephony Integrationの略称であり、電話機能にCRM(顧客管理システム)やMAツールと連携させることで、電話業務を効率化するツールです。

例えば、電話機能がCTIを搭載していると、顧客の電話番号をキーとしてCRMからキーに適合した顧客情報を画面に映し出すことができます。つまり、インサイドセールスにおいて重要な要素である顧客情報を見ながら電話対応が実現できます。

また、CTIには電話応対品質向上を目的とした録音・着信履歴の確認機能や、一人のオペレーターに応対の負担が偏らないようにする電話制御機能もついています。そのため、導入の際は電話業務の効率化だけではなく、オペレーターの応対品質向上や心理的負担の軽減も見込めます。

Web(テレビ)会議ツール:非対面での商談を実現する

近年、コロナウイルスの影響もあり、急速に需要が伸びたのがWeb会議ツールです。

Web会議ツールは、対面することなくインターネットを介して商談や打ち合わせができるので、移動時間の削減やスケジュール調整の簡略化など、業務効率化に役立ちます。また、ツール上で資料やデータの共有ができるWeb会議ツールの場合、事前に配布しなくてもその場で展開してアプローチすることも可能です。

インサイドセールスでは、電話だけでなくWeb会議ツールを用いた営業活動も実施できるので、Web会議ツールを使いこなせれば非対面での商談を希望する顧客のニーズにも応えられ、今まで以上の顧客満足度の向上も期待できるでしょう。

SFA:営業進捗管理で案件の進捗状況を可視化

SFAとは、Sales Force Automationの略称であり、営業支援ツールとも呼ばれます。営業が受注するまでのプロセスを管理し、営業が取り組む仕事の中でも繰り返し行う業務や定型業務などの自動化を行いフォローする役割を持ちます。

具体的な機能は以下のとおりです。

  • 顧客管理
  • 案件管理
  • 行動管理
  • 予実管理
  • スケジュール管理
  • 活動報告管理
  • 売り上げ予測・集計分析

なお、SFAの最大のメリットは、営業活動全体を包括的に可視化できることです。SFA活用で従来担当者にしかわからなかった情報などを可視化することで、ひとりの担当者が抱える業務をチームで対応できる体制作りが可能になります。

チームで対応できると、担当者不在や変更の際にも円滑な顧客対応ができるため、安定したサービスを顧客に提供することができます。

また、SFAでは担当者ごとの営業活動の内容を数値化して記録することが可能です。数値化することで評価のフィードバックや改善方法の発掘に役立てることができるので、従来よりも効率的な営業活動が実現しやすくなります。

名刺管理ツール:名刺をデータベース化しリードを確保する

名刺管理ツールは、紙の名刺をスキャンで読み取ることで電子情報として保管し、名刺情報をデータベース化して管理できるツールです。

従来の管理方法はカードケースなどに保管するので、いっぱいになると新しいものを購入する必要性や名刺を紛失するリスクも懸念されます。さらに名刺の保管場所がわからなくなり、欲しい名刺を見つける時間がかかるケースも起こり得ました。

一方で名刺管理ツールを使えば保管場所に困ることなく、また欲しい名刺情報を検索でスピーディに確認できるので、データとしてリード情報を確保し有効活用することが可能です。

また、名刺管理システムを使用して社内で名刺情報を共有化すれば、簡単に顧客情報をシェアでき、効率的な運用が可能になります。

各部門で情報の連携をとることもインサイドセールスにおいて重要なので、社内で統一した名刺管理ツールを利用することでビジネスチャンスも広がるでしょう。

⑤責任者の覚悟:決裁者が目標(KPI)にコミットする

インサイドセールスは他部署との連携が必要不可欠な業務のため、KPIに向けた運用改善や新たな施策の実施には他部署の協力を仰ぐ必要が出る可能性があります。

この際に決裁者がインサイドマーケティング部署にコミットしていない場合、必要な改善が他部署に通せずに効果が発揮できない、という事態に陥りかねません。このようなことを防ぐためにも、インサイドセールスのKPIに対して決裁者がコミットし必要な施策などを責任持って推進していくことが求められます。

参考記事:インサイドセールスのやり方 導入手順と設計方法~失敗しない運用のコツを紹介

これらの業務には各部署との密な連携はもちろん、MAツールやCRMツールなどのマーケティング支援ツールを駆使した営業活動が大切です。そのため、初めて導入や運用する場合にはインサイドセールスの実績がある経験者や専門企業へ相談、委託することも選択肢の一つです。

⑥インサイドセールス担当者が主体的に動ける環境づくり

インサイドセールス担当者のレベルを上げるには、チームの連携を強化し、全体の経験値を底上げしましょう。そのためには、トライ&エラーをチーム全体で共有できる仕組みを作ることが重要です。特に、インサイドセールス部門の新規立ち上げ初期には、チーム内にさまざまな熟練度の人が存在する状態です。この状態では、先述したKPIの見込みも算出しずらいでしょう。

しかし、未成熟なセールスパーソンでも、ベテランと一緒にトライ&エラーを繰り返してナレッジ(商材の知識やセールストークのコツ)を共有できれば、短期間で戦力化できます。管理職は成功事例などの有益な情報が組織に行き渡るように意識し、定期的にミーティングや研修などを行い、業務レベルの均一化を図りましょう。

定期的なミーティングでは、以下を共有すると良いでしょう。

  • 商材に対する理解や捉え方
  • 成果が伸びてきた担当者の会話や成功の秘訣
  • 成功した施策、会話に至った考え方

また、そのためにもマネジメント担当者は、個々人の状況を以下のように分解し、体系的なデータを作成すると良いでしょう。

1.ナレッジ
└商材理解度
└会話ノウハウ
2.経験
└営業経験年数
└営業同行回数
3.成果
└商談設定数
└提案数・提案率
└受注数・受注率

⑦内製するか外注するか

 メリットデメリット推奨条件
内製化ノウハウや情報が社内に蓄積される
トラブルや改善項目に素早く対応できる
効果や実績が出るまでには時間がかかる
トップセールスメンバーを配属すると現状の売上が失われるリスクがある
自社内にインサイドセールス経験者がいる
自社リソースに余裕がある
外注人員採用や教育にかかる手間やコストを抑えられる
即効性がある
商材・サービスの理解が浅い委託先との連携・調整が発生する
自社にノウハウが蓄積されない
自社内の人員やノウハウが不足している
短期間で大量にリードやアポを獲得したい
ハイブリッド自社にはない業者のノウハウやナレッジを摂取できる
自社では届かなかった領域にもチャレンジできる
コスト対象が多く、高額になる傾向がある将来的には内製化したいがリソースが足りていない
自社内で集中してアプローチをしたい顧客層がいる

内製では、自社で既に持っているリソースを活用するため創設や運用のコストを抑えられる点や、ノウハウや情報が社内に蓄積される点がメリットです。トラブルや改善項目が見つかった場合でも社内での連携がとれていれば素早く対応でき、業務サイクルを快速に回せます。

着実に結果を出せるトップセールスのメンバーを配属できれば成功の可能性は高まりますが、現状で売り上げている数字が失われるリスクもあるため、経営陣や直属のマネージャーとの調整が必要になることもあるでしょう。

インサイドセールスを外注すると、人員採用や教育にかかる手間やコストを抑えられる上に、即効性がある点がメリットです。専門業者にアウトソーシングするため、「社内に経験者がおらずノウハウがない」「新たにインサイドセールス分門を立ち上げるだけの組織的な余力がない」などの課題が解消されます。

セールスをかける商材・サービスのLTVと、長期的に運用する際の手間・コストを基に、投資対効果を考慮ながら、導入を検討するようにしましょう。

一部外注型では、基本的には社内リソースで内製しながら、不足分を外注で補いますので、自社にはない業者のノウハウやナレッジを摂取できる点や、自社では届かなかった領域にもチャレンジできる点がメリットです。

しかし、内製での人材育成コストや初期費用と外注コストの双方が必要になるため、一部外注はコストが高額になる傾向があるため注意しましょう。

また、インサイドセールスの導入に併せてホワイトリストの運用やオウンドメディア運用などインバウンドマーケティングを導入する場合は以下のサービスもご検討ください。

 LGCが 短期かつ手離れ良い「成果に繋がるオウンドメディア運用」を代行

成功事例4選

インサイドセールスは企業によって役割や業務範囲に様々な違いがあります。ここではいくつかの業種に絞り、インサイドセールスの成功事例を紹介します。

ビズリーチ社はリードタイムが半分以下に!インバウンド営業へのシフトで生産性向上

インサイドセールスの事例1 株式会社ビズリーチ

インターネットを活用した転職支援事業を運営している株式会社ビズリーチでは、インサイドセールスの導入により営業から獲得までのリードタイムの短縮や商談数の向上を実現しました。

インサイドセールス導入前は、アウトバウンド営業を主体としており、テレアポによる商談化の確率の低さが要因となり生産性が伸び悩んでいたようです。また、せっかく取れた商談も契約までのリードタイムが40日と長期的な営業が必要な点も課題として挙がっていました。

そこで営業主体をアウトバウンドからインバウンドに移行しインサイドセールスの体制強化を行いました。結果としてテレビCMなどを用いたマーケティングから獲得したリードをインサイドセールスがオンラインで営業対応することで、飛躍的に商談件数を向上させ、リードタイムも17日まで短縮することに成功しました。

スリーシーズ社は受注率が3倍に!オンラインデモのアポイントへの切り替えでの興味づけに成功

インサイドセールスの事例2 株式会社スリーシーズ

法人向けの営業支援事業を行なっている株式会社スリーシーズでは、インサイドセールスを導入し、訪問アポからWeb会議アポに変更することで受注率を引き上げました。

リードを獲得し電話で訪問アポイントを行っても購買意欲の高まっていない顧客では、訪問アポイントを断られるケースが多いことが課題でした。そこで、インサイドセールスを導入し訪問営業ではなくオンラインデモを案内する方法に変更し、顧客が気軽にアポイントを承諾できるような営業スタイルにしました。結果として顧客とのアポイント率が上がったことで案件受注率が3倍に向上しました。

富士ソフト社は商談取得率が2倍に!連携強化による相互効果も実感

インサイドセールスの事例3 富士ソフト株式会社

富士ソフトでは今まで営業部門がリード獲得や商談獲得を全て担当していたものの、受注効率が悪いことが課題として挙がっていたため、インサイドセールスを導入しました。

インサイドセールスがリード獲得や商談獲得をはじめとして、プロモーション部門が実施している展示会・セミナーで獲得した顧客情報も営業活動への連携にうまく活用できるようになりました。結果として営業担当とインサイドセールスの分業が成功し、新規顧客の商談取得率が2倍に向上しました。

エフ・コードによるインサイドセールス支援により、月間商談数3倍、受注率1.5倍など実績多数!

エフ・コードの事例(inside sales HACKERサイトキャプチャ)

デジタルマーケティング領域のSaaSを提供するエフ・コードは、元々インサイドセールスによって、自社商材であるSaaSのセールス活動を行っていました。長年の活動で培って来たノウハウを元に、2019年よりインサイドセールスの支援を開始しました。IT/SaaS系企業をはじめとして、多くのBtoB企業にサービスを提供しています。

電話はもちろん、メールやDM、ウェビナー、FAX等、多くの手段を活用し、月間商談数が3倍以上、受注率が1.5倍以上の商談獲得等、数多くの実績を出しています。 

インサイドセールスを学ぶためのおすすめ書籍

上記の事例からも分かる通り、適切な導入、運用を行うためには、インサイドセールスについて詳しい知識やノウハウが必要です。

予め書籍によるインプットはマストと言えるでしょう。

代表的なものは「THE MODEL」(著:福田康隆インサイドセールス ~訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド」(著:茂野明彦)が挙げられます。

導入する際は自社に合った役割決めや体制構築を

インサイドセールスはリード獲得や顧客育成といった営業活動を専門に行う営業部門を指し、リードタイムの短縮や受注率の向上に効果があるとされています。

本稿を参考にし、インサイドセールスを導入する際は自社に合った役割決めや体制構築を行いましょう。

脚注

※1 第14回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査より
※2 HubSpot Japan実施『日本の営業に関する意識・実態調査』より

自社サイトのSEOに携わる方々の現在の取り組み状況が分かる

自社サイトのメールマーケティングに携わる方々の現在の取り組み状況が分かる

成果につながるオウンドメディアの運用を支援

実態調査で読み解く テレマのリアル 2022

リード獲得につながオウンドメディアの運用を支援

自社サイトのメールマーケティングに携わる方々の現在の取り組み状況が分かる

自社サイトのメールマーケティングに携わる方々の現在の取り組み状況が分かる

著者

TECH+ セールスプロモーション事務局

TECH+は、総合ニュースポータルサイトであるマイナビニュースより生まれたITを中心としたテクノロジーを活用したい人に向けたビジネス情報サイトです。

世界的なデジタル化の潮流によりこれまで限られた人しか使いこなせなかった高度なテクノロジーであっても、誰でも手軽に利用できるようになっています。その結果、企業の中でも、エンジニアやIT管理者に限らず幅広いビジネスユーザーが、IT・テクノロジーの導入に関与する時代が到来しています。

TECH+では「テクノロジーとビジネスの課題解決を ”つなげる” メディア」をコンセプトに掲げ、高度なテクノロジーであっても、普通のビジネスユーザーがわかりやすく理解してもらえる形で情報を届けることで、課題をもって訪れていただいた読者の皆様が必要とするテクノロジーを適切に選択できる場となることを目指し、最新のテクノロジーに関する情報のみならず、実際にどうすれば活用できるのか、さまざまな視点に立ったコンテンツの充実に努めてまいります。ご利用のほど、何卒、宜しくお願いいたします。