目次

  • VDI基礎の基礎
  • ここがすごい VDI導入のメリット
  • 考慮すべきVDI導入の懸念点
  • 広がるVDIのスモールスタート

第2回:「VERDE VDI」でVDIのスモールスタートを実現

VDI基礎の基礎

VDI(Virtual Desktop Infrastructure)の歴史は古く、その技術自体は1990年代から存在した。しかし、VDIというキーワードがビジネス界に広く認知されはじめたのは、今から10年程前、2006年のことだ。仮想デスクトップインフラの普及を目指し、仮想インフラソフトメーカーのVMwareがVirtual Desktop Infrastructure Allianceを発表したことに端を発する。それから10年、VDIは今では誰もが耳にしたことがある単語として、ビジネス界に浸透した。

VDIはデスクトップ仮想化と言い換えられることが多いが、実際はデスクトップ仮想化という言葉だけではVDIの全体像は掴めない。"Virtual Desktop Infrastructure"を直訳すると、バーチャルデスクトップ基盤である。つまりVDIとは、仮想的なデスクトップ環境を支えるための基盤を指すのだ。

従来PCは、そのスペックや設定がそれぞれのハードウェアに依存しており、人によって使用するOSや、インストールしているアプリケーションが異なっていた。しかし、デスクトップ仮想化ではその概念がなくなる。OSやアプリケーションはすべてサーバーで管理され、手元のPCはそのサーバーに繋いだときだけ、OSやアプリケーションを使用することが可能となる。このとき、手元のPCは画像を写すだけのモニターのような役割を果たし、仮想(バーチャル)的にPC環境を作り出している状態となる。

つまりVDIとは、サーバーで何台ものPC環境を保持し、手元のPCにあたかもOSやアプリケーションが入っているかのように仮想的なデスクトップ環境を作り出すことが可能なのである。

ここがすごい VDI導入のメリット

VDIがビジネス界に浸透しているのは、導入後のメリットが大きいからだ。VDIのメリットとしては次のようなものが挙げられる。

個々のPCの問題点が解決しやすい

デスクトップ仮想化を選択しない場合、PCは個人個人で管理をすることになる。しかしその場合、PCの故障や紛失、ハードディスクの故障など物理的なアクシデントと常に隣り合わせであることを忘れてはならない。大切なデータの消失や1台のPCからの機密情報の漏えいは、時に企業にとって取り返しのつかない損失を生んでしまう可能性がある。VDIの導入により、そういった心配は大幅に軽減できる。なぜなら、クライアントPCの中には、基本的に何もデータがないからだ。VDI導入時のクライアントPCはあくまでモニターである。大切なデータはすべてサーバーが保管している。極端な話、もしPCを紛失したとしても、別のPCを使えば今までとまったく同じ環境を再現できるのだ。

人的負担の大幅な軽減が可能

従来方式のPC管理では、端末の入れ替えやバージョンアップ時などに大きな労力を割かなければならない場合が多い。PCを入れ替えたら1台1台初めから設定を行い、重要な脆弱性が見つかったらそれぞれにセキュリティパッチを当てる必要がある。アプリケーションの導入、OSの更新、セキュリティソフトの導入など、すべて1台ずつ対応しなければならない。そしてPCの数が多ければ多いほど、その管理は煩雑を極める。

しかしVDIであれば、そうした煩雑さは大幅に軽減できる。OSの入れ替えやセキュリティソフトの導入などはサーバーで一括適用をすればよい。個々人によるPC環境の差異はなくなり、セキュリティソフトの入れ忘れや、PCスペックの違いなどによる懸念が一掃される。サーバー側で設定を行うだけで、何百何千というクライアントPCの管理を一箇所で行うことが可能だ。

事業の継続性や働き続けることの可能性を高める

もし、わたしたちの身に災害が降りかかったとき、業務がどうなるのか考えたことがあるだろうか。過去わたしたちが経験してきた災害時には、多くの企業が休業を余儀なくされたという事実がある。もちろん緊急事態なので休業はやむをえない、という考えもあるが、一方で、できることなら休業をすることなく継続的に事業を行っていきたいという考えもあるだろう。災害時に人の助けになる事業ならなおさらだ。

VDI導入の利点の1つは、クライアントPC、あるいはクライアント端末を選ぶことなく、どこからでも同じ環境を再現できることだ。会社に行けなくても、クライアント端末さえあれば、必要な情報を手元に得ることができる。「会社に行かなければできない」ことがなくなることで、事業の継続性は大幅に増加する。このことは、現在総務省が推進している、テレワークにも適用できる。育児や介護など、ワークスタイルの変化に併せて、いつでもどこでも仕事の環境を再現できることは、業務の可能性を広げ、多くの人に継続的に働ける世界への扉を開くことに繋がる。

このように、VDI導入には目を見張るメリットがある。一方で、VDI導入が従来のPC運用よりもすべて優れているかというとそうではない。

考慮すべきVDI導入の懸念点

まず、VDI導入にはそれなりのコストがかかる。サーバー等の初期導入コストとランニングコストである。 ランニングコストについては、付随業務や付加価値をコスト換算すれば十分に費用対効果はあるものの、従来のPC運用よりも割高になる傾向がある。また、明確な目的意識がないままにVDIの導入を行った結果、目に見えるVDI導入の効果が得られず、結局VDIから従来のPC運用に戻すケースも少なくない。

明確な目的意識とは、具体的には先に挙げたメリットに紐づくものだ。たとえば、従来のPC管理の負担過多が社内で問題点として挙がっているのであれば、VDI導入は大きなメリットをもたらすだろう。一方で、現状それほど負担になっていないのであれば、ただ運用コストが上がっただけに感じる可能性もある。また、従業員一人ひとりのITリテラシーが高い場合、VDI導入によって従業員の創造性が失われる可能性がある。VDIはPC環境のテンプレートを作るのは得意だが、それ以上の機能を制限してしまうからだ。つまり、VDIの導入はどの企業にも隔てなくメリットをもたらすものではなく、それぞれの企業の環境により、メリットの差異があるということを理解しなければならない。

自社でPC運用・保守にどのような課題を抱え、どのように解決されればよいかを理解して導入することで、初めてVDIはその真価を発揮するのだ。

広がるVDIのスモールスタート

さて、プラス面も注意すべきことも持ち合わせているVDIだが、今日ではこれまでと違った広がりを見せていることを最後に紹介したい。

今まで、VDIの導入は、かなり大掛かりな基幹システムの変更というイメージをもつものだった。 全社規模でVDI導入する例も珍しくなく、社員の働き方そのものを変革させる一手としての役割を担うことも少なくなかった。しかし、VDIのメリットを十分に活用できている企業もあれば、活かせる環境にない企業もあった。全社的にみてVDIが必要かどうかと問われれば、必要でない企業もあったのだ。

そんななか、VDIのスモールスタートに注目が集まっている。VDIのスモールスタートとは、必要な人や部署にだけ、VDI導入を行うというものだ。たとえば、セキュリティ管理の徹底が必要な部署、緊急時に対応が必要な部署、テレワークが必要な社員などである。こうした人や部署にのみVDIを適用することで、運用保守上のメリットとコスト上のメリット、セキュリティや事業持続性のメリットなどをバランスよく得ることができる。実際、1つの部署のパソコン10数台の管理のためにVDI導入を行い、最適な環境を整えている企業もある。

こうしたスモールスタートができるようになった背景には、仮想化技術や通信ネットワーク、サーバーなどの劇的な進歩がある。いつの時代も技術の進化によってわたしたちを取り巻く環境は変化していくが、VDIにおいても、技術の進歩によってより多くの人にVDI活用の光が差したといっても過言ではないだろう。

今回はVDIの導入によりもたらされるメリット及びデメリットを紹介した。VDIのスモールスタートはいま、少しずつ注目されつつある。では、VDIのスモールスタートを検討するにあたり、どのような基盤を活用すればよいのだろうか。次回は、大規模導入からスモールスタートまで幅広く対応している、非常にシンプルでユニークなVDIである「VERDE VDI」について紹介する。

[PR]提供: オリゾンシステムズ