クラウドはそれ自体からサービスが受けられるだけでなく、既存のシステムをクラウド化することもできる。また、LinuxやWindowsといったようにプラットフォームが違うシステムでも、一つのクラウドシステムに同居させることが可能だ。これを実現するのが「仮想化」という技術になる。仮想化されたシステムをユーザー側から見ると、使い心地や機能はまったく同じで、あらたな教育やヘルプデスクも不要となる。乱立した社内システムの統合にも有効に活用できるため、システム運用の最適化を目指したい企業が導入を進めている。

LinuxもWindowsも同じシステムで運用できる仮想化プラットフォーム

仮想化技術にはいつくか種類があるが、もっとも代表的な「サーバの仮想化」を説明しよう。これまでのサーバは物理的に1台のマシンを使っており、Webサーバやメールサーバ、ファイルサーバなど様々なサーバはそれぞれ個別のマシンとして稼働していた。

これを1台のサーバ上に複数のサーバを構築できるようにしたのが仮想化技術だ。これは仮想化ソフトウェアを使うことで実現でき、1台のサーバの上に複数のOSとソフトウェアで作られた「仮想サーバ」が構築できる。

つまり乱立していた各サーバを一つのシステム上に集約。それによって運用コストが大幅に削減できる。これを自社システムで構築することも可能だが、仮想化環境のリソースが不足するとパフォーマンスが大きく低下するケースがある。しかし、クラウドで仮想サーバを構築する場合は、データセンターにリソースが十分に確保されているため、不足した場合でもすぐに増やすことができ、スケール変更も容易になる。クラウドと相性が良いのもサーバの仮想化の特長だ。

他にもある仮想化技術

仮想化には他にも技術がある。OSやアプリケーション、データをサーバに置き、ネットワーク経由でサーバにアクセスして活用する「デスクトップ仮想化」や、アプリケーションのみをサーバにおいて利用する「アプリケーション仮想化」だ。

それぞれにメリット・デメリットはあるが、これらの技術を活用すれば、業種や部署ごとに使いやすいサービスが思いどおりの形で提供できることになる。つまり、仮想化技術を知ることがクラウドを上手に活用するコツになるともいえるのだ。

クラウドサービスの形態は3つ

仮想化について理解してもらった後は、クラウドが提供するサービスについて説明していこう。自社でサーバやアプリケーションを持つ、いわゆる自社システムのことを「オンプレミス」というが、クラウドでは提供するサービスの範囲から大きく3つに分けることができる。それが「SaaS」「PaaS」「IaaS」だ。

SaaS

「Software as a Service」を略したクラウドサービスで「サース」と呼ばれ、クラウド上から提供されるサービスという意味がある。ユーザーは機能を利用するだけで、アプリケーションやサーバはサービスを提供する企業が稼働させている。これまではパッケージ製品を購入していた、あるいは自社で作っていたアプリケーションをインターネット経由で使えるようにしたのがSaaSといえる。

PaaS

「Platform as a Service」を略したクラウドサービスで「パース」と呼ばれる。アプリケーションを動かすためのデータベースやOS、サーバなどが提供される。企業はプログラムを用意するだけなので利便性が高く、プラットフォームがすでに用意されているので、アプリケーション開発にもコスト削減などを通じた多大な貢献ができるサービスになる。

IaaS

「Infrastructure as a Service」を略したクラウドサービスで「イアース」と呼ばれる。PaaSとは違い、ミドルウェアも用意されず、サーバやネットワークなどのインフラ設備だけが提供されるサービスになる。サーバの利用に必要なサーバリソースをユーザーは自由に設定でき、OSも好きなものを選ぶことができる。ただし、セキュリティなどは自分で構築する必要があるので注意が必要だ。

●関連記事はこちら
数字で読むインフラ管理の実情~どこまで進んでいる?企業のクラウド化

ソフトクリエイト

[PR]提供: ソフトクリエイト