2021年2月19日(金)、翔泳社が主催するDevelopers Summitにて、Pythonエンジニア育成推進協会代表理事の吉政 忠志氏と、顧問理事の寺田 学氏が登壇し、「Pythonエンジニア認定基礎試験とPythonエンジニア認定データ分析試験の紹介と例題解説」と題した講演を行いました。当日は500名を超える多くの方にご視聴いただきました。本レポートでは講演内容の概要をお届けします。

■講演概要

Pythonエンジニア認定基礎試験とPythonエンジニア認定データ分析試験の紹介と例題解説
~稟議に使えるPython市場データと試験も紹介~

一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会
講演者:代表理事 吉政 忠志 氏、 顧問理事 寺田 学 氏

※当講演の資料はこちらからダウンロードできます。

■注目を集めるプログラミング言語「Python」の市場動向と課題

PythonはパーソルキャリアがIT・テクノロジー人材のための社会人コミュニティ「TECH Street」で行った調査「2021年、 ITエンジニアが学びたい(強化したい)プログラミング言語ランキング調査」で1位を獲得、また、2020年TIOBE プログラミング言語オブザイヤーでアワードを受賞するなど、注目を浴びる機会も多いプログラミング言語です。

  • Developers Summit2021「試験の紹介と例題解説」の様子
  • Developers Summit2021「試験の紹介と例題解説」

そうした注目を浴びた結果、世間には多くのスクールや教本が登場し、盛り上がりを見せています。しかしその一方で、Pythonが持つ保守性といったPythonの本来の良さをあまり理解せずに書かれている教本やスクールが増えつつあり、同協会ではその良さを知らないエンジニアが増えてしまう可能性があることを懸念しています。

■PythonicなPythonエンジニア育成を目指す

同協会ではそうした背景から、Pythonエンジニア間で共有されている造語「Pythonic」を理解した、健全なPythonエンジニアの育成を推進するため設立し、学習の指針となる試験の提供と、認定スクール制度による人材育成だけでなく、認定インテグレータ制度も設けることで、Python市場の成長に貢献すべく活動しています。

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同協会が提供するPython3エンジニア認定基礎試験は2017年6月に開始し、約3年で1万が受験しました。この1万名達成を機にさらに受験者数が順調に伸び、4年目を迎えた頃には4万人を達成しています。さらに、2020年9月に日経xTECHによる「今取るべき資格」調査で、民間資格で2位を獲得するといった、他の資格試験と比べても、短期間での快挙が続いております。
※Pythonicとは…https://www.pythonic-exam.com/pythonic

より効率的に学習できるよう、直近ではTECH+内にPython学習コーナーを、日本の人事部内にPython試験コーナーを開設し、さらにはSoftwareDesign5月号(技術評論社)からPython試験情報局をスタートする予定です。

■試験の紹介

同協会が提供するPython試験は、全国で展開されており、通年受験が可能となっています。現在行っている試験は次の2種となります。

(1)文法基礎を問う試験「Python3エンジニア認定基礎試験」(詳細
(2)Pythonを使ったデータ分析の基礎や方法を問う「Python3エンジニア認定データ分析試験」(詳細

  • Developers Summit2021「試験の紹介と例題解説」
  • Developers Summit2021「試験の紹介と例題解説」

基本的に、Python試験は試験の指定教材をひとつずつ勉強していくことでその内容が理解でき、合格ができるようになっています。また、全問題が「Pythonic」に基づいているため、「Pythonic」を理解することで、より合格率が高まります。認定スクールが提供するものには、対策コースや、無料の模擬試験「PRIME STUDY」があり、自身の学習スタイルや習熟度に合わせて利用できます。

合格後は同協会の景品をもらえる合格体験記の投稿をご検討ください。(体験記投稿の方法

試験例題

講演の中では基礎試験から2問、データ分析から3問の例題を出題されました。本レポートではそれぞれ1問ずつご紹介します。回答と解説は例題のあとに載せた画像をご参照ください。 残りの例題と解説にご興味のある方は講演資料をご参照ください。 ※講演資料はこちらからダウンロードできます。

<基礎試験編>
タプル(tuple)の特徴として誤っているものを1つ次の記述の中から選択せよ

a:tuple同士を+記号で連結することができる
b:順序を持ち、インデックス操作でデータを出力できる
c:データの変更ができる
e:hashable以外のオブジェクトも内包できる

<データ分析試験編>
特徴量の正規化手法のひとつである最小最大正規化の説明として誤っているものを1つ次の記述の中から選択せよ

a:最小値を0、最大値を1になるように正規化する
b:宰相最大正規化を実施しなくても影響が少ない機械学習アルゴリズムがある
c:特徴量ごとに、桁数が違う場合に用いられる正規化手法の一つ
d:平均0、標準偏差値差1となるように数値を正規化する

  • Developers Summit2021「試験の紹介と例題解説」
  • Developers Summit2021「試験の紹介と例題解説」

■Pythonの学習のコツ

Pythonを学んでみようと考えたときに、本を読んでも何から始めたらいいのかわからないと感じている方は多いと感じています。そうしたときにはまず、自分がPythonを使ってやりたいものを見つけることがゴールに向かう第一歩となります。

また一緒に勉強をする人を探すことも大切で、同協会がおすすめする認定スクールへの入校もひとつの手段ですし、この時期であっても共に学習する人を見つけやすいオンラインの勉強会やオンラインイベントへの参加という手段もあります。怖がらずに参加し、仲間を作ることで学習のモチベーションを上げることが可能です。

また、Python初学者に向けた学習のポイントとして、「環境」、「データ型」、「制御構造」を押さえることをおすすめしています。詳しい内容についてはTECH+内にあるPythonチャンネルに掲載した寺田氏のコラム「これから始めるPython認定基礎試験」をお読みください。

■さいごに

同協会はPythonの運営団体であるPython Software Foundationのスポンサーとして参加しています。 また、寺田氏が代表理事を務める一般社団法人PyCon JP Associationは、日本国内のPythonユーザーのためにPythonの普及と開発支援を継続して行うPyCon JPというカンファレンスを開催しています。同協会はPyCon JPが開催するイベントのスポンサーとしても参加しており、直近ではPython Software Foundationに日本国内のPythonユーザーからの寄付を募ることを目的としたオンラインイベント、Python Charity Talks in Japanに吉政氏が登壇しました(2021年2月20日開催)。

同協会は今後も、Python Software FoundationやPyCon JPなどのPython業界の発展と普及に努める団体とともに、今後も業界全体へ貢献していきます。

<取材協力:菱沼佑香>

[PR]提供:Pythonエンジニア育成推進協会