PwCコンサルティング合同会社 ディレクター

2足歩行ロボット「Palmi(パルミー)」の法人向け販売において、DMM.comの強力なパートナーと言えるのがPwCコンサルティングである。同社は2015年11月より、ロボットを活用しようという企業向けのコンサルティングサービスを開始。続いて2016年1月には、DMM.comとの協業を発表し、ロボット産業の拡大に取り組んでいる。

現在のロボットブームを、コンサルタントはどう見ているのか。DMM.comとタッグを組んだ経緯から、今後のロボット産業の展望まで、同社の水上晃ディレクターに聞いてきた。

ロボット向けのコンサルティング業務とは

―― ロボット向けのコンサルティングとは、どのようなサービスなのでしょうか?

AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)のめざましい発達により、現在は、これらの技術を組み合わせることで、ロボット産業の成長を加速できる状態にあると見ています。しかしこれまでのロボット産業は、市場からのニーズと、メーカーが提供している技術との間のギャップが大きかった。そのため、なかなか成長を加速できていませんでした。

我々はIT分野において、利用者側と提供者側の双方に対し、それぞれコンサルタントとして関わってきましたので、ロボットでもその経験を活かして、両者をうまく繋げることができます。利用者側に対しては、ロボットの導入による効果を分析する、提供者側に対しては、適切なデバイスやソリューションを提案する、そんな取り組みを行っています。

―― 開始してまだ半年ほどですが、市場からの反応はどうでしたか?

予想していたよりも圧倒的に大きいですね。もう少しゆっくり立ち上がるかと思っていましたが、かなり激しく進行しています。我々がサービスを開始した11月の時点では、提供側はDMM.comさん含め数えるほどでしたが、今後は様々な企業がサービスを発表していくと思います。

PwCとDMM.comの協業イメージ。両社は、ロボティクス産業の成長を加速させるため、ロボット開発ベンダーの支援を共同で推進。法人・企業分野において今後活用が期待されるロボットを安定的に市場に提供していくことで、ロボット産業の育成に貢献していくとしている

DMM.comさんが提供する法人向けロボットは、複数ラインナップを提供できる点が特徴です。実際にエンドユーザーが求めるデバイスを調査したところ、場面場面で必要となるデバイスの形が全く違います。このことから、ラインナップが必要だ、という話になります。DMM.comさんはラインナップ戦略を取っていますので、ニーズに合ったロボットを提供できます。

――これから、どんなところにロボットが普及しそうですか?

私は業務改革のコンサルティングも担当させて頂いているのですが、ある企業の社員の時間の使い方を調べてみましたところ、会議が3割、メールが3割、資料作成が3割、なんてことがありました。会社での仕事には、このような煩わしい作業がたくさんあります。こうしたところには、Microsoft製品とロボットを活用する―― という形で、どんどん新しいサービスが出てくるでしょう。

たとえばサテライトオフィスさんは、ロボットの音声マイクを使って議事録を作るアプリを開発しています。会議の議事録などは、毎回担当者を決め、何時間もかけて作成するより、ロボットに任せてしまったほうがいいですよね。スケジュール調整なんかも、ロボットに任せられれば何度もメールする必要がなくなります。

―― 面倒なことはロボットにやらせて、クリエイティブなところに頭を使うと。

スマートデバイスが出てきて、外出先からメールを見たり、スケジュールを確認することが当たり前になりました。便利なものがあれば、自然と使われるようになります。同じような感覚で、今後はスマートロボットとソフトウェアが繋がり、もっと楽ができるようになればいいと考えています。

―― ロボットを使った業務改革はどのくらい進んでいますか?

定型的な作業については自動処理しろというのが海外では必須事項になっていますね。日本ではまだまだですが、今年になってから、意外なほどコンサバティブな会社からも、自動化についての相談をたくさんいただいています。

団塊世代が退職して、働き盛りの40代は親の介護に振り回され、その下の世代は育児に大変―― そんな厳しいシチュエーションの中で競争力を上げるとなると、自動化でゆとりを持たせた上で、付加価値業務の方にシフトしてクリエイティビティを追求するしかありません。そうしないと、国際競争では勝てなくなるでしょう。

今回のロボットブームは本物?

―― 以前もロボットブームはありました。今回、違いをどう見ていますか。

DMM.comさんを筆頭に多くの会社が動き出すと、世の中的には「もう現実的なものなんだ」と思ってもらえます。日本のエンジニアは優秀なので、みんなで知恵を絞れば、いいものが出てくるはずです。多くの会社を巻き込めたのは、コンサルタントとしては一定の成功かなと思います。

―― 今回こそロボットの普及は進みそうですか?

ロボットはまだ、単体だと効果が出ないことも多いです。今回のロボットブームでは、サテライトオフィスさんやsalesforce.comさんのように、ソリューションを提供できる会社が乗ってきたということが大きいでしょう。これは、これからロボットを導入しようという企業にとって、非常に大きなメリットです。

―― 普及に向けた技術課題は何でしょう。

腕の発達ですね。ソフトウェアだけだと、スマートフォンやPCと変わりませんが、お茶を入れてくれるとか、牛乳を取ってきてくれるとか、物理的な作業はロボットならではです。やはりみんな、ロボットには何か手伝って欲しいと考えているんです。

ロボットを製品レベルで見ると、まだ海外の方が優れている分野も多いです。しかし、部品や素材などは日本の得意分野です。土台はしっかりしていますので、ロボットは日本のモノ作りの復活に貢献できる産業だと思っています。ロボットが今後何十年かの日本を支える産業になってくれれば、コンサルタントの一人としてとても嬉しいですね。

サテライトオフィス


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