日夜、孤軍奮闘するひとり情シスを応援するメディアとして開設した「ひとり情シスチャンネル」。本連載はその特集の一つとして「ひとり情シスTips」と題し、全4回に渡ってWindows Server 2008移行についてのコラムをお届けします。

最終回である今回は、Windows Server 2008移行における「真の課題解決への道」について解説します。

レガシーサーバーの再ホストは課題解決ではなく、そのスタート

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    Azureへのレガシーサーバーの再ホスト完了、しかしこれで完結ではない

Windows Server 2008/2008 R2やSQL Server 2008/2008 R2ベースの業務アプリケーションのサーバーを、Azureなら無料、オンプレミスなら有料の「拡張セキュリティ更新プログラム(Extended Security Updates:ESU)」を利用しながら、Azure IaaSや最新の仮想化基盤(HCIなど)に移行できれば、大幅に時間を稼ぐことができます。しかし、それでOSやデータベースの製品サポート終了(End of Support:EOS)への対応が終わるわけではありません。率直に言ってしまえば、課題を解決した訳ではなく、喫緊の課題を再び先延ばしにしただけだからです。

本来、これらの製品における5年のメインストリームサポートが終了した2015年頃までには、後継バージョンへの移行の検討を開始し、延長サポートが終了するまでに移行を完了しているべきでした。ESUで得た最大3年のさらなる猶予は、現行システムが抱えているさまざまな課題を本当の意味で解決するために使いましょう。

現行業務システムを維持しながらも、新システムを再構築

Azureやオンプレミスの仮想環境に再ホストした業務アプリケーションのサーバーは、当面の間は現行のまま運用できるでしょう。その間に、長期運用を見据えた新システムを準備し、ESUの期限までに本番運用にまで漕ぎ着ける必要があります。業務アプリケーションの移行には、次のような方法があります。

  • 現行の業務アプリケーションを、最新のWindows ServerやSQL Serverバージョン、クラウドが提供する各種サービスに最適化させるために修正を加える。
  • オンプレミスの最新技術に基づいて業務アプリケーションを再設計する。
  • クラウドの最新技術を活用して業務アプリケーションをゼロから再構築する。

Windows ServerやSQL Serverの特定のバージョンに密結合した従来の設計では、たとえ今は最新バージョンであっても、いずれEOSの課題と再び向き合うことになります。長期運用を見据えた場合、可用性やスケーラビリティに優れ、物理環境やソフトウェア環境に依存せず、簡単にデプロイできる、10年前にはなかった新しいアーキテクチャに移行したいところです。完全にクラウドに移行することを前提に、ゼロから再構築したほうがコストを抑制できることもあります。

自社のWebサーバーを移行したいという場合は、PaaS型サービスであるAzure App ServiceのWeb Appがお勧めです。Web Appは、WindowsのIISや、LinuxのApache HTTP Serverをベースに、ASP.NET、.NET Framework、.NET Core、PHP、Node.js、Javaなど、さまざまなランタイム環境をフルマネージのサービスとして提供します。静的なHTMLコンテンツなら修正なしで、動的なWebアプリなら最小限の修正で、コンテンツをコピーするだけで簡単に移行が可能です。カスタムドメインや自動スケール、自動バックアップ機能なども利用できます。シンプルなWebサイトであれば、オンプレミスの仮想環境やAzureのIaaSに再ホストすることなく、すばやくクラウド化できるでしょう。

もし、ESUを得るためのAzureへの再ホストが“初めてのAzure”という場合は、これを機会にAzureのさまざまなサービスを試し、学びましょう。そして、クラウドへの本格的なシフトを始めるのです。クラウドは仮想マシンのホストやアプリケーションをデプロイする場所だけでなく、新しいビジネス機会をも提供してくれるでしょう。

ひとり情シスでもWindows Server 2008問題に立ち向かえる

第1回では課題の整理を。第2回では時間を稼ぐためのESUの説明を。第3回では再ホストについての説明を。今回は、これからどうしていくべきかをまとめました。

“まさに今”なにからはじめるべきか解説してきましたが、実際に動くとなると、いままで提供してきた情報では不十分です。実際に技術や知見をもったパートナー会社を見つけることが大切になります。ひとり情シスだからといって、全部ひとりでやる必要はありません。うまく外の会社を使うことも、ひとり情シスの大切なスキルの一つです。そうすれば、一見難解に見えるWindows Server 2008の問題にも立ち向かえるでしょう。

4回にわたってWindows Server 2008/2008 R2やSQL Server 2008/2008 R2の問題について説明してきました。ひとり情シスには時間も、気軽にできる相談できる同僚もいません。だからこそ、このコラムが、そんなひとり情シスの助けに少しでもなれれば幸いです。

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