みなさんは「STEM」という言葉をご存じでしょうか? Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとった言葉で、先進国のなかでも、日本はSTEM分野の仕事に携わる女性が圧倒的に少ないと言われています。
そこで、企業のSTEM分野で活躍している方々との交流を通し、「STEMの仕事をもっと身近に感じてほしい」「将来の選択肢を広げてほしい」という想いから企画されたのが、東京都主催の“女子中高生向けオフィスツアー”です。
第7回は、創業89年を誇る大手総合電機メーカー、富士通株式会社です。いたるところに最先端の技術が取り入れられた新オフィスの見学に、参加した中高生は目を輝かせていました!
富士通で働くイメージが膨らむ!
女子中高生が興味津々のオフィスツアー
富士通 オフィスツアープログラム
富士通のオフィスは「行きたくなる場所」
ツアー当日、中高生が訪れたのは、JR川崎駅直結、地上28階建てのFujitsu Uvance Kawasaki Tower。2021年7月にオープンした富士通のオフィスを、「将来STEM分野で活躍する学生の皆さんを応援したい」とのことで、特別に見学させていただきました。
富士通ってどんな会社?
プログラムの開始に先立ち、総務本部コミュニティ推進室室長、大谷真美さん(当時)から挨拶がありました。
「富士通では、環境や人が心身ともに健康で充実した日々を送るという意味の“ウェルビーイング”、さまざまな人がICT機器やオンラインサービスをスムーズに活用できるようになる“デジタルアクセシビリティ”などの社会課題を、テクノロジーで解決することを目指しています。それらのサービスや製品の開発担当者、課題解決のためのコンサルティングを行う社員がこの川崎タワーで働いています。在籍している社員は、およそ26,000人です。テレワークを行うメンバーも多数いますので、実際に出社している人数は、全体の16%の4,000人ほど。社員が心地よく働けるよう、社内にはおもしろい仕掛けがいろいろと施されています。みなさん、今日はぜひ見学を楽しんでくださいね」(大谷さん)
富士通の会社概要を紹介する大谷真美さん
続いて、総務本部ワークスタイル戦略室マネージャーの瀧塚真未さんから、富士通の働き方について説明がありました。
「富士通は2020年から働き方改革“Work Life Shift”を推進しています」(瀧塚さん)
働き方改革“Work Life Shift”について説明する瀧塚真未さん
「“Work Life Shift”という改革を取り入れて以降、社員は、それぞれが最適な働き方を選択し自律的に活動をしています。どの拠点、どのフロア、どの席で働いてもOKで、勤務時間についてもフレックス制度を導入しているため、たとえば朝はオフィスで打ち合わせを行い、午後は趣味に時間をあて、その後はまた別のオフィスで仕事をするということも可能です。オフィスは従来のように社員が当たり前に出社する場所ではなくなりました。オフィスを行きたくなる場所にして社員がそこで様々なコミュニケーションを生み出すことをサポートしていく必要があります。今後も様々な施策にチャレンジしていきます」と、瀧塚さんは伝えてくれました。
広大なフロアは、社員同士が交流しやすい「ボーダレスオフィス」
富士通の事業内容や働き方を理解したところで、次はいよいよオフィス見学です!
フロアごとに異なるコンセプトのオフィス。働きやすさを追求した設計になっています
広くて快適なオフィスで生産性とモチベーションアップ!
フロアに足を踏み入れると、広大なオフィス空間が広がっていました。木目調やモノトーン、パステルカラーを基調とした3種類のフロアで構成されているそうです。
「ボーダレスオフィス」というコンセプトで、社員同士のコミュニケーションを重視しているのだとか。フロア内にはアイデアを書き出しながらディスカッションできるように、様々なミーティングスペースがあるのも特徴です。
富士通では作業のデジタル化を進めているため、書類は紙に出力することなく、ほとんどの場合ペーパーレスで作業を行っています。しかし、印刷の必要性はゼロではないため、複合機も完備しています。
フロアには、コーヒーマシンやウォーターサーバー、ティーバッグ、電子レンジなどを利用できるコーナーもあります。ここに立ち寄ると社員同士のコミュニケーションが自然と生まれるそうです。
オフィスは実証実験の場として活用!
社員のみなさんが居心地よく働ける環境を目の当たりにして、中高生は興味津々な様子。次は自社ソリューションである手のひら静脈認証を活用したロッカーを案内してもらいました。とある会社と協同開発をしたもので、実際にオフィスで使用して、実験・検証しながら新しいビジネスの種を探しているとのこと。富士通にとって、Fujitsu Uvance Kawasaki Towerは「テクノロジーの実証実験の場」なのだとか。
「実証実験こそがビジネスのスタートです!」という説明を聴き、中高生たちは、深く頷いていました。
オフィスは自社テクノロジーの実証実験の場として使われています
続いてはシックで落ち着いた雰囲気のフロアへ移動。こちらは、一人で集中して作業する際に使いやすいスペースで、最も人気のある階だとか。
こちらのフロアでは、富士通の画像処理技術を活用した混雑状況検知システムを見せてもらいました。誰かが椅子に座っていると画面上にアバターが登場するだけでなく、荷物が置かれている椅子の部分にも吹き出しマークが現れます。実際の物理設備の情報を仮想空間内で表現する、デジタルツイン技術を使った効率的でユニークなシステムです。
参加者は、各所に使われている最新技術に「次は何があるのかな」とワクワクしている様子でした
ユニークな部屋も! 「eSports Room」とは?
そして次に訪れたのは、「eSports Room」。とある高校生は「ここ、めっちゃ気になる!」と興奮気味で、部屋に並ぶゲーミングチェアに座ると満面の笑みを浮かべていました。
まずは自分たちでeスポーツを体験してみることでビジネスに繋げるきっかけを提供しようと、この部屋を作ったのだそうです。社内にはeSports部があり、大学のeSports部やサークルと交流することもあるそうです。
食事の時間も最先端の技術で快適に!
最後は、食堂フロアを訪れました。広々とした空間で、カフェをイメージした雰囲気のあるインテリアで統一されています。夜には懇親会やイベントが行われることもあるため、プロジェクターやマイクなどの設備も完備。
富士通の最新技術があらゆるところに搭載された、先駆的でありながらリラックス度も高いオフィスの見学を終え、中高生は終始圧倒されている様子でした。
富士通で活躍する女性社員がキャリアアップの秘訣を伝授!
オフィス見学を終えると、今度は、2名の女性社員から富士通の仕事内容についてお話がありました。
左)下川智美さん 右)柴川七子マネージャー
為せば成る! をモットーにチャレンジ――柴川七子マネージャー
一人目は、ファイナンス&サービスインダストリー事業本部マネージャーの柴川七子さん。「社会のため、会社のため、チームのため、自分のために“とにかくやってみる”。これが、私のパーパスです」と、前向きなメッセージから挨拶が始まりました。
「パーパス」とは、目的や目標、意図のこと。富士通では、全社員が自身の「パーパス」をもち、仕事に励んでいるそうです。
柴川さんの現在の顧客は、損害保険会社の子会社と外資系の生命保険会社。保険業界が抱える課題を富士通のテクノロジーで解決するべく、ビジネスプロデューサーとしてプランを提案し支援をしています。
大学では文学部に在籍し、教職の免許を取得したという柴川さん。しかし、「まずは一般企業に就職し、社会を知ることを優先しよう」と、富士通でインターンシップを体験。そこで、ITやICTで社会が改善されていく様子を体感し、富士通への就職を決意したそうです。
「今までで一番印象に残っている仕事は、大手保険会社向けにAIチャットボットのシステム導入を実現させたことです。お客様のところに毎日通って、どうすれば使いやすいだろうかと話し合いました。実際にシステムが始動したときはとても嬉しかったです。この仕事で富士通の社長賞を受賞することができ、自信がつきました。一つひとつ成功体験を積んできたことが今につながっています。“為せば成る”です!」(柴川さん)
柴川七子さん
“特別な存在”になるための挑戦――下川智美さん
次は、クロスインダストリーソリューション事業本部でデータサイエンティストを務めている下川智美さん。下川さんはご自身のことを「スロースターター」と説明し、これまでどのようにキャリアアップをしてきたかについて教えてくれました。
下川智美さん
「大学ではユニバーサルデザインについて学び、富士通に入社後は教育市場向けの営業の仕事に就きました。8年ほどは特徴的なキャリアはなかったのですが、周りの方に“特別な存在”として信頼されるようになるにはどうすればいいだろう? と、次第に考えるようになりました。そんな時に、アメリカで仕事をするチャンスをいただきました。そして、現地で1年間業務を行いながら英語を勉強し、帰国後は自分で希望を出してデータサイエンティストの仕事をするようになりました。データサイエンティストとは、お客様のデータを分析し、課題解決につなげていく業務です」(下川さん)
「チャレンジをする時は勇気が必要。でも、“将来こういう自分になれたら嬉しい”と想像して、ワクワクすることには一歩を踏み出してみましょう!」(下川さん)
質問会では、様々な質問が次々と!
お二人の向上心溢れる話に刺激を受けた女子中高生たち。その後の7名の女性社員のみなさんへの質問会では、各テーブルで活発なやりとりがありました。
富士通で活躍する女性社員との貴重な交流会
- Q.
-
文系と理系の選択をどうするか迷っています
- A.
-
難しく考えず、興味のあるほうに進めばいいと思います。社会人になってからでも、やりたいことが見つかればチャレンジすることはできるので、学生のうちは学びたいことに集中すればいいのではないでしょうか(福井莉紗さん)
貴重なお話に女子中高生たちは興味津々でした
- Q.
-
どうやって進路や就職先を決めればいいのでしょうか?
- A.
-
企業の合同説明会には誰でも行けるので、まずはそこに出向いて、いろいろな会社の話を聞いてみるのはどうでしょう。自分はどういう分野に興味があるのか、そこで何となく様子が見えてきますよ。そのうえで、これから進む高校や大学を決めるのも一つの手です(武田陽奈子さん)
7名の女性社員と交流した女子中高生のみなさん。
今後の糧になるお話をたくさん聞けたようです。
会場に到着したばかりのときは、「DXって何?」「デジタルアクセシビリティとは?」と、疑問だらけの表情を浮かべていた中高生のみなさんですが、プログラムを終える頃には企業への理解が深まり、女性社員のみなさんに活き活きと質問をする姿が印象的でした。
最先端技術に触れた
中高生の感想は?
プログラム中、まめにメモを取り積極的に質問を行っていた参加者に感想を聞いてみました。
自分たちの会社でロッカーを作ったり、デジタルツインの画面を職場に活用したり、新しいことをどんどん取り入れて実践力がすごいと思いました。私もこのような実践力を持ちたいです!
ここまでオフィスを見せてもらえるとは思っていなかったので感激しました。ICTは未来につながる技術だと思うので、進路選択の際に意識してみたいです。
企業の女性活躍推進担当セクションから 学生に向けてのメッセージ
一人ひとりがいかに生き生きと、生き甲斐を持って働けるか、そういう社会をつくっていくためのひとつに、若いときから挑戦できる環境があり、共感しあえて信頼できる仲間がいる、それが富士通です。共に明るい未来をつくっていきましょう!
( Employee Success本部 人材採用センター 天谷 暁子マネージャー)
次回のオフィスツアーは「デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社」お楽しみに!
オフィスツアーレポート一覧
[PR]提供:東京都