みなさんは「STEM」という言葉をご存じでしょうか? Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとった言葉で、先進国のなかでも、日本はSTEM分野の仕事に携わる女性が圧倒的に少ないと言われています。

そこで、企業のSTEM分野で活躍している方々との交流を通し、「STEMの仕事をもっと身近に感じてほしい」「将来の選択肢を広げてほしい」という想いから企画されたのが、東京都主催の“女子中高生向けオフィスツアー”です。

東京都主催中高生向けオフィスツアー

第3回は、日本最大のフリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリ。グローバルに展開するサービスを支えるエンジニア職の方々と女子中高生が交流しました。

メルカリってどういう会社?
女性エンジニア職と中高生が交流!

メルカリ
オフィスツアープログラム

メルカリってどんな会社?

今回、メルカリの本社を訪れた女子中高生は80名。はじめに、社員の方による会社説明がありました。

オフィスツアーの様子

メルカリの会議室でプログラムがスタート

同社が開発する「メルカリ」は、日本最大のフリマアプリ。今回の参加者で「メルカリ」のアプリを利用したことがある方は、実に半数以上でした。メルカリはフリマアプリなどを開発するマーケットプレイス領域の他、スマホ決済サービス「メルペイ」などのフィンテック領域も展開。さらに、グループ会社にサッカーチーム「鹿島アントラーズ・エフ・シー」を保有しチームの成長や地域社会への貢献を目指しています。

オフィスツアーの様子

まずは会社概要の説明

拠点は日本の他、インドやアメリカにもあり、社員は総勢約2,000人。55近くの国と地域から集まったメンバーが、メルカリの各種サービスの運営・開発に関わっています。また、「メルシーボックス」という人事制度があり、産休・育休などの福利厚生も充実。女性も男性も育休をしっかり取れる環境が整っているという話に、参加者は興味津々な様子でした。

オフィスツアーの様子

merci boxとは、メルカリ社員が働きやすくなるための制度

メルカリのエンジニア職特徴1

55近くの国と地域からメンバーが集結。ダイバーシティあふれる組織で、さまざまな発想が生まれている。

プロフェッショナルであれ

続いて、各事業について、詳しい説明がありました。
フリマアプリ「メルカリ」は毎月約2,300万人が利用しているサービス。AIによる不正の監視や独自の入金システムにより、誰でも安心・安全な取引が行えます。また、海外の方も取引ができる仕組みを作り、グローバルにも展開。現在は出品してもらえるユーザーを増やすため、サービスの拡充をさらに進めています。

フィンテック領域の「メルペイ」は、「メルカリ」アプリを使ったスマホ決済サービス。その他、「メルカード」というクレジットカードや、2023年3月からは「メルカリ」アプリ内でビットコインが取引できるサービスも提供しています。

オフィスツアーの様子

今後の事業成長戦略や新サービスについても説明がありました

なお、今回のツアーでは「メルカリ ハロ」という最新のアプリも紹介されました。「メルカリ ハロ」は好きな時間に最短1時間から働ける「空き時間おしごとアプリ」で、仕事を探し、働いて、給与をもらうまでの全てがスマホひとつで行え、誰でも簡単にスポットで働けるサービスを目指して事業を展開しています。

そんな多様なサービスを提供するメルカリが掲げているミッションは「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」。行動指針に「Go Bold(大胆にやろう)」「All for One(全ては成功のために)」「Be a Pro(プロフェッショナルであれ)」を掲げています。メンバー全員が一丸となり、前例にとらわれず大胆にプロフェッショナルとして行動していく。これにより、ミッションの達成を目指しています。

オフィスツアーの様子

グループミッションは「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」

メルカリのエンジニア職特徴2

「Go Bold」「All for One」「Be a Pro」。年齢や経験年数にとらわれず、メンバー全員がプロフェッショナルとして行動することを心がけている!

メルカリのエンジニア職によるトークセッション

続いて、メルカリで活躍する女性社員が事前に寄せられた質問に答える「パネルディスカッション」を開催。今回はソフトウェア・エンジニアのwakanapo(※)さんとバックエンド・エンジニアのmomom(※)さんが、参加者の質問に答えました。

※メルカリ社内では、ニックネームで呼び合うこともあるのだとか

オフィスツアーの様子

左) momomさん 右) wakanapoさん

学生時代にやっておけばよかったと思うことは?

Q.

学生時代、どうやって進路選択をしましたか? それが今の仕事にも繋がっていますか?

A.

学生時代は将来のイメージがあまり湧いておらず、目の前に選択肢が出てくるたびに、どっちがいいのかを選んできました。たとえば、数学・理科が好きだったので高校では理系を選択しました。大学はその流れで自然と理系学部に決めましたね。もともとソフトウェア・エンジニアになりたかったわけではありませんが、好きなほうを選択してきた結果が今なので、自分に合っているなと思っています。(wakanapoさん)

なりたい職業が理系だったので、高校の文理選択は理系を選びました。ただ大学受験の時に、目指していた分野にこのまま進むのは難しそうだと感じたんですよね。そんな時、小さい頃からパソコンを触るのが好きだったことを思い出しました。そこで、情報科に行く選択をして、今に至ります。小さい頃の原体験って大事だなと思っていて、結局、小さい時に楽しかったことが、エンジニアになった今も変わらず楽しいんです。エンジニアになれてよかったです。(momomさん)

オフィスツアーの様子

自身の学生時代について話すmomomさん

Q.

仕事で英語はどのくらい使いますか?

A.

チーム内に英語話者が多いので、会話は基本英語ですね。私は英語が得意ではないのですが、日本語も英語も得意な社員が助けてくれるので安心です。(wakanapoさん)

普段はあまり使いませんが、メルカリ社内には多くの英語話者がいるので、その方々とコミュニケーションを取るときに使います。(momomさん)

Q.

学生時代を振り返ってみて、当時やっておけばよかったと思うことは何ですか?

A.

部活や勉強などに、もう少ししっかり取り組んでおけば良かったです。勉強する姿勢や思考のプロセスは社会人になってから役立つことが多いと、今になってわかります。逆にやっておいて良かったのは、インターンシップです。実際に会社の雰囲気を見て、自分が社会人になった時の姿が想像しやすくなりました。(momomさん)

もっと英語を勉強しておけば良かったと感じています。あとは、部活や海外留学など。学生時代に、やれることは何でもやったほうが良かったと思っています。(wakanapoさん)

オフィスツアーの様子

wakanapoさんは自身の経験をもとにアドバイスを送りました

場所・スタイルにとらわれず、それぞれのペースで作業!

Q.

メルカリでの1日の働き方はどんな感じですか?

A.

今、富山県に住んでいることもあり、在宅ワークがメインです。朝の7時頃に子どもを保育園へ送り、8時くらいから仕事をスタート。会議が少ないチームなので、自分のペースでタスクをこなしています。17時には仕事を終えて子どもを迎えに行き、その後はプライベートの時間です。ちなみに、2023年4月から今年の2月まで産休と育休を取っていました。不安もありましたが、マネージャーがサポートしてくれて、わからないこともすぐに聞ける環境が整っているので、復職後も難なく仕事ができています。(wakanapoさん)

私も在宅ワークが中心で、オフィスに行くことは、ほぼ無いですね。日によってはAMはゆっくり過ごすこともあります。12時30分にチームの朝会があるので、それに出席します。基本的には、1週間のタスクを前週に決めていて、それをこなしていますね。退勤はだいたい19時くらいが多いです。(momomさん)

Q.

メルカリのワークライフバランスについて教えてください。

A.

在宅ワークがメインで通勤時間がないため、外出は、子どもを保育園に預ける時間等の最低限で済みます。家事育児にも取り組みやすいので、働きやすい環境だと思っています。ワークライフバランスが整っていて、ありがたいですね。(wakanapoさん)

福利厚生が充実していて、女性も働きやすい環境です。仕事をするうえで性差を感じたことは入社してから一度もありません。自分らしく働ける会社だと思います。(momomさん)

オフィスツアーの様子

メルカリではそれぞれのライフスタイルに合わせた働き方が可能

Q.

午後から仕事をしている人もいるのでしょうか?

A.

私の周りにはたくさんいます。コアタイムが決められていないので、夜中に効率が上がるタイプなら、その時間帯に働く方もいます。(momomさん)

文系からエンジニアになった方も!

Q.

仕事でやりがいを感じた瞬間を教えてください。

A.

自分が開発した機能を家族や友人が使っているのを見たときは嬉しいです。(wakanapoさん)

大きなシステム変更を社会に送り出した時にやりがいを感じます。エンジニアって、その時々で違うことを求められると思われがちですが、実際は過去に同じような事例があって、それを応用して問題を解決できることもあるんです。そういった応用出来るものが増えるたびに、やりがいや成長を実感できますね。(momomさん)

Q.

社内に文系からエンジニアになった方はいますか?

A.

たくさんいます。例えば、デザインが好きな人はデザインに関わるプログラムを書いています。エンジニアの仕事は幅広い知識が役立つので、文系で学んだことも役に立つと思います。(wakanapoさん)

オフィスツアーの様子

活躍する社員の話に参加者は熱い視線を送っていました

中高生一人ひとりの疑問に女性社員が答える!

次に、各グループに分かれて、女性社員の方々への質問会が行われました。

学生時代の情報収集はSNSも活用!

質問に答えてくれた社員:「メルカリ」のアフィリエイトを担当している入社2年目のtorichanさん。

Q.

文理の進路はどうやって決めましたか?

A.

文理選択は、「国語が苦手だから理系かな」くらいの気持ちで選びました。進路は化学関係の仕事もありかなと思いつつ、情報系にも興味があって。それで、大学も情報系を学べるところを選びました。

オフィスツアーの様子

torichanさんのグループでは進路選択の話など、学生時代の話で盛り上がりました

Q.

学生時代にどうやってインターンシップや企業の情報を知りましたか?

A.

大学からの紹介のほか、SNSで同じような学部に通っている学生をフォローしていると情報が流れてくることもありました。

Q.

大学で文系科目を学んだ人はメルカリでどういう仕事をされていますか?

A.

マーケティングやPRのほか、エンジニアのなかにも文系の方がいます。前職は美容師なんて方もいますよ。理系しかエンジニアになれないということはありません!

オフィスツアーの様子

年齢の近い若手社員の貴重な話に参加者は興味津々

“やさしい英語”“やさしい日本語”でお互いに歩み寄る!

質問に答えてくれた社員:入社1年目のwakuchanさん。

Q.

リモートワークをされていますか?

A.

鎌倉に住んでいて通勤に1時間以上かかることもあり、リモートワークが中心です。同期と話して仲良くなりたかったので、研修期間は出社していましたが、今は週に1、2回くらい。新卒だから出社しないといけないという空気も無いです。

オフィスツアーの様子

wakuchanさんのグループでは、メルカリでの仕事について質問が飛び交っていました

また、参加者から英語のスキルに関する質問が多く寄せられると「メルカリは『やさしい英語』『やさしい日本語』がベースで、お互いに歩み寄りながら会話するのが基本です。そういう想いから、日本語でも敬語を気にし過ぎなくていいという空気があります。

バリスタが淹れたコーヒーも飲める! 快適さを追求したオフィスを見学

プログラムの最後は、オフィス見学へ。執務エリアでは、フリーアドレスで多くの社員の方が仕事をしていました。各机には大きめのパソコンモニターなどが設置されていたほか、ゆったりくつろげるソファが置いてあったり、バリスタが淹れたコーヒーが飲めたりと、リラックスできる設備も充実。

オフィスツアーの様子

メルカリのオフィスには社員が働きやすくなる仕組みがたくさん!

また、英語での会話も飛び交っており、中高生たちから「すごい……!」という声が漏れていました。

参加者の感想は?

参加者

今回のツアーに参加してみて、職種は文系・理系問わずにフレキシブルに考えられるのだと思いました。次はマーケティングなどの仕事も見学してみたいです

参加者

色々な国の方が働いている姿を見て、日本の会社でもこんなにグローバルなんだとビックリしました。実際に見てみないとわからなかったことなので、今回のツアーに参加できて良かったです

参加者

いい意味でITへのハードルが低くなりました。私の周りの理系選択者は、プログラミングを学んでいる方が多くて。それくらいのレベルじゃないとIT職は無理なのかなと思っていたのですが、今回のお話を聞いて、決してそうじゃないことが分かりました

メルカリのITを支える社員から 中高生に向けてのメッセージ!

この度はオフィスツアーにご参加くださり、ありがとうございました。この機会を通じて、皆様が進路選択をする際の一助になれば大変嬉しく思います。大学生になったタイミングでメルカリのインターンにチャレンジいただくことも可能ですので、引き続きよろしくお願いいたします。(新卒採用チーム マネージャー 村上将教さん)

次回のオフィスツアーは「日本電気株式会社(NEC)」お楽しみに!

NEC