学生の進路において大きな岐路のひとつである「文理選択」。最近では、STEM*分野と呼ばれる理系や技術系のフィールドで活躍する女性も、どんどん増えてきています。東京都では、さらなる女性活躍を推進するため、女子中高生向けオフィスツアーを開催。学生がSTEM分野で働く方々や現場に触れることで、自分がやりたいことや関心のあることを見つける機会を提供します。 *Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとった言葉

東京都主催中高生向けオフィスツアー

「スモールビジネスを、世界の主役に。」誰もが自由に経営できる環境を作る会社・freee

「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションを掲げ、会計ソフトをはじめとするアプリ開発・サービス提供で知られるフリー株式会社(freee)。日本企業の約99.7%を占めるスモールビジネス(中小企業)の挑戦と成長を後押ししています。

オフィスツアーの様子

多くの参加者が集まり、オフィスツアーはスタートしました

最初に登壇したのはfreeeスモールビジネス総合研究所所長の小泉美果さん。「ジェンダーと社会経済」について話してくれました。
「日本のジェンダーギャップ指数は、国際比較すると20年間足踏み状態なんです。例えば、教育に関するデータをみると、大学卒・大学院卒に占める性別の割合が、女性より男性のほうが多いのは、先進国の中でもはや日本だけなんです。そして、理系分野にもジェンダーバイアスが根強く存在します。皆さんにはぜひ『女性初』や『女性では珍しい』といわれている分野にも挑戦してほしいと思います」と参加者に熱いメッセージを送りました。

オフィスツアーの様子

参加者たちは、小泉さんの説明に熱心に聞き入っていました

女性エンジニアの先輩に聞こう! 進路のこと、仕事のこと

続いてfreeeで働く3名の女性社員が登壇し、参加者から事前に寄せられた質問に回答しました。登壇したのは、エンジニアリング基盤本部 SRE部 Database Reliability Engineeringチームの鈴木嘉恵さん、AIラボの翁理紗子さん、常務執行役員CIO Culture&IT Produceグループ長の前村菜緒さんです。

オフィスツアーの様子

左から、鈴木さん、翁さん、前村さん

Q.

なぜ理系を選択したのですか?

A.

勉強していて苦にならなかったのが歴史と数学で、そのうち歴史は過去を学ぶ学問である一方、数学はこれからの社会や未来を形づくる可能性を秘めていると感じました。そこで、理系の道を選びました。(鈴木さん)

Q.

進路選択の決め手は何でしたか?

A.

大学1年生のときに宇宙飛行士の山崎直子さんの講演を聞いたことです。未知の領域に挑戦し続ける姿に感銘を受け、自分もこんな風に「最先端の技術で社会や未来に貢献したい」と思うようになったんです。興味があることを学生のうちからとことん学んでおくと、将来の選択肢が広がります。(翁さん)

Q.

AIを積極的に使うべきですか?それとも自分で考える力が損なわれるからあまり良くないのでしょうか?

A.

そもそもAIを使うこと自体が「良い・悪い」ではなく、どう活用するかが大切だと思います。自分で考える力を手放すのではなく、AIを道具としてうまく使えば、勉強の幅はぐんと広がります。たとえば疑問をすぐに調べて知識を深めたり、新しい視点に気づいたりもできますよね。AIと一緒に学ぶコツを身につければ、これまで難しかった課題も解決できるようになるはずです。(前村さん)

キッチン付きの会議室?オフィスに駄菓子屋さんがあるワケは?

最後はfreeeの社内を巡るツアーに。まず案内されたのはキッチン設備がある会議室。なんと鶏が4羽まで焼ける大型オーブン付きです!一緒にご飯を作りながら話すことで、チームの絆を深めることができるのだそう。

オフィスツアーの様子

参加者たちは「会議室なのに料理ができるの!?」と驚いていました

続いてエントランスに進むと「フリカエリ」という展示コーナーが一角にあり、会計の歴史に触れられる年表や、江戸時代の勘定台を再現したものなどが置かれていました。 さらに進むと、昭和の駄菓子屋さんが目の前に出現!ここは「ゲンブツシキュウ」と名付けられた会議室で、なんとこの駄菓子屋さんに置かれている商品はすべて無料でもらえます。

オフィスツアーの様子

レトロな雰囲気の展示や施設に「すごい!」とはしゃぐ参加者の姿が印象的でした

オフィスツアー参加者の感想

参加者

大学受験の文理選択を迷っていて、参加を決めました。実際に話を聞いてみて、得意不得意ではなく自分の興味のあることを軸に進路を決めていくべきなのかもと感じました!オフィスを見学すると、淡々と仕事をしているというよりは、コミュニケーションをとる機会が多そうでよい会社だと思いました。

戸田建設のスマートオフィスビルで、社会インフラを支える建設の世界を体感!

戸田建設株式会社は、街の建築物、社会インフラの構築・整備などを通して、人々の生活を支える企業として発展し続けてきました。また、近年は地域活性化を目指すまちづくり事業、そして建設現場におけるICTを活用した現場運営の生産性向上にも取り組んでいます。今回のオフィスツアーは、2024年に誕生した新本社ビル「TODA BUILDING」で実施。最新のテクノロジーを駆使したスマートオフィスビルの内部にあるミュージアムの見学からスタートしました。

オフィスツアーの様子

戸田建設グループのミュージアム「TODAtte?」で建設の世界を見て・聞いて・触れて・体験しました

戸田建設グループのミュージアム「TODA CREATIVE LAB “TODAtte?(トダッテ)”」は、戸田建設と建設業の過去・現在・未来の姿を楽しく学習できるミュージアム。一部スケルトンの仕立てとなっていて、ビルの構造や設備機器などの中身を見ることができるのも特徴です。ここでは、戸田建設の創業から現在までの歩みをたどり、幅15mのLEDダイナミックビジョンで、「TODA BUILDING」ができるまでの映像を観賞。国内トップレベルの耐震性能を実現した「コアウォール免震構造」の仕組みを学びました。

オフィスツアーの様子

TODA BUILDINGの中心に配置されている「コアウォール」の説明に参加者も熱心に聞き入っていました

さらに騒音制御や耐震技術など、実際に戸田建設の技術を体感。最後に戸田建設が考える2050年の未来像を360度円筒シアターで鑑賞し、未来に思いを馳せました。

オフィスツアーの様子

身近に使われている技術に、参加者たちも興味津々でした

見学後は、技術研究所長の村江行忠さんから「モノづくりと技術」についてのお話がありました。村江さんがこの道に進んだ理由や戸田建設に入社してからの仕事について聞き、「建設業は常に一品生産で、同じモノはふたつとない。だからこそみんなで創意工夫し、技術力を発揮しながらチーム一丸となってモノづくりができることが醍醐味です」と、建設業の魅力を教えていただきました。

オフィスツアーの様子

技術研究所長の村江行忠さん

その後、ミーティングルームや食堂など、最新の設備が整った職場を巡り、「こんな素敵な環境で働きたい!」と、参加者は将来に夢を膨らませていました。

建築、土木、イノベーション。それぞれの現場の最前線で活躍する3名の女性技術者との交流

続いて、戸田建設で働く3名の女性技術者が登場。パネルディスカッションと座談会が行われました。メンバーは、建築に関わる常見奈央さん、土木に関わる山本千尋さん、イノベーション分野に関わる長幡逸佳さん。参加者と活発な質疑応答が交わされました。

Q.

理系に進んだ理由はなんですか?

A.

高校時代のクラス担当の先生が数学専攻で、教え方が上手で興味を持ちました。暗記が苦手だったのですが、数学、化学、物理などは公式のみ覚えれば対応できることが多かったので馴染みやすかったです。(常見さん)

Q.

土木はどんなお仕事ですか?なぜ、土木の仕事に就こうと思ったのですか?

A.

土木は、道路や橋、トンネル、ダムなど、人々が安心で快適に生活できるように社会の基盤を作る仕事です。幼い頃参加した現場見学で、大きな構造物の断面を見て未完成の構造物に魅力を感じて、土木の仕事に就きたいと思うようになりました。(山本さん)

Q.

今どんなお仕事をされていますか?

A.

私は農学部出身ですが、戸田建設ではイノベーションの仕事に関わっています。今は北海道下川町でイチゴを育てて、農業を中心としたまちづくりを行なったり、ロボットと人が一緒に暮らす世界を作ったりすることに奮闘しています。 (長幡さん)

Q.

建築の現場で活躍している女性は多いですか?

A.

私が所属する部署は女性社員が1割ですが、性別で業務内容に差異を感じたことはなく、とてもフラットに仕事ができています。建物の要に携わる仕事なので、その分責任も多いですが、やりがいも感じています。 (常見さん)

Q.

土木の仕事を選んで良かったことはなんですか?

A.

「人の生活を支え、何十年先もかたちに残る仕事」ができること。そして、私たちの仕事は人々の生活に直結することなので、「ありがとう」と感謝されることが多いのも魅力です。(山本さん)

オフィスツアーの様子

建築分野に関わる常見さん、イノベーション分野に関わる長幡さん、土木分野に関わる山本さん

オフィスツアー参加者の感想

参加者

ミュージアムがとても楽しかったです。色々な体験ができ、特に地震の揺れを防ぐためにさまざまな工夫を施していることが分かり、建設業の大切さを知ることができました。まだ文理選択は先ですが、女性技術者の方がみんな楽しそうに仕事をしていることを知り、理系に興味を持ちました!

あなたらしい働き方を叶える職場とは?“好き”を仕事にするヒント

「Just for Fun」をミッションに掲げ、情熱や楽しみに駆動される経済をつくることを目指しているSTORES株式会社。ネットショップ開設・POSレジ・キャッシュレス決済・オンライン予約システム・店舗アプリ作成など、お店のデジタル化に関する幅広いサービスを提供しています。

オフィスツアーの様子

司会を務める広報本部のえんじぇるさんによる会社説明から、オフィスツアーはスタートしました

オープニングでは、広報本部のえんじぇるさん、人事部門シニアマネジャーのますみんさん、あきちゃんさんが登壇。仕事内容や、やりがい・楽しさを感じるときについて、趣味や家族の話題も交えて親しみやすく語りかけていたのが印象的でした。

オフィスツアーの様子

(左)えんじぇるさん、ますみんさん (右)あきちゃんさん

初めて作ったアプリが転機に

トークセッションでは、エンジニアのませちゃんさんがSTORESに入社するまでの経緯について質疑応答を交えながら自身の経験を語りました。

オフィスツアーの様子

自身の経験について話す、エンジニアのませちゃんさん

Q.

中学・高校時代はどんな学生でしたか?

A.

勉強は好きでしたが、運動は大の苦手でした。中学時代から数学や理科が好きだったので、高校はSSH校(スーパーサイエンスハイスクール=高校・中高一貫で先進的な理数教育を重点的に行う学校)に通い、授業で研究をしたり、時にはタイで行われたタイと日本の高校生による研究発表会「TJ-SSF」に発表をしに行ったりもしました。

Q.

高校卒業後の進路を決めるときはどんなことを考えましたか?

A.

将来は体を使うよりも座ってできる仕事がいいと思っていました。あと、研究はもう高校まででやりきった感覚があったので、仕事に直結する勉強をしたいと思い、大学ではなく専門学校を選びました。

Q.

専門学校ではどんなことをしましたか?

A.

IT学科に在籍して、資格を取ったりアプリを作ったり、学外のコミュニティに参加してアプリ開発をしたりしました。プログラミングは専門学校に入ってから始めましたが、初めて自分でアプリを作ったときに「これは天職かもしれない!」と思いました。

Q.

就職活動ではどのような基準で会社を選びましたか?

A.

「成長できる環境」、「事業内容」、そして「働いている人たちの“人の良さ”」の3つを大事にしていました。個人での開発やインターンで経験を積みながら、自分に合う会社を探しました。あと、女性として長く働ける環境かどうかも重視しました。

Q.

実際に働いてみてどうですか?

A.

思った以上に自由で驚きました。リモート勤務もでき、働く時間も柔軟に調整できます。福利厚生で、STORESを使っているお店の商品を購入できるのも嬉しいですね。自分が実装したものが世の中に出て喜ばれるのはやりがいがありますし、成長を実感できるのも楽しいです。

先輩と熱く語り合う“進路の悩み”と“働く楽しさ”

その後は複数のテーブルに分かれ、これまでの登壇者も交え、 社員と参加者が座談会を実施。文理選択をどう決めたのか、大学時代に頑張ったこと、デザイナーを目指したきっかけ、AI活用の事例など、多様な話題が飛び交いました。社員のリアルな体験談に、参加者も興味深そうに耳を傾けていました。ランチタイムでは用意されたお弁当を食べながら、さらにリラックスした雰囲気で社員と参加者が交流を深めました。

オフィスツアーの様子

ランチタイムには、学校のことや趣味のことなども話し、打ち解けた様子でした

今回のツアーでは、参加者のために「おたのしみブース」も設けられ、STORESのレジとキャッシュレス決済を体験したり、非エンジニアの社員がAIを活用して制作したゲームに触れたりして楽しんでいました。

オフィスツアーの様子

「エンジニアじゃなくてもゲームが作れちゃうんですね!」と驚いていました

オフィスツアー参加者の感想

参加者

社員の方々の学生時代の話を丁寧に聞けて楽しかったです。いろいろとチャレンジして自分にあった仕事を見つけたいと思いました。オフィスにスーツの人がいないのが意外で、自由な雰囲気が魅力的でした。将来はこんなオフィスで働きたいと思いました。

DNPと一緒に、「未来のあたりまえをつくる。」を考える

2026年に創業150周年を迎える大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、長年培ってきた印刷技術を基盤に「スマートコミュニケーション部門」「ライフ&ヘルスケア部門」「エレクトロニクス部門」など幅広い分野に事業を拡大しています。DNP独自の「P&I」(印刷と情報)の強みを掛け合わせ、セキュリティや医療、AIや半導体など最新のテーマにまで応用、常に世の中の“あたりまえ”をつくり続けてきました。そんな“未来をつくるDNPの技術”を体感できる施設「P&Iラボ・東京」で、今回のオフィスツアーが開催されました。

オフィスツアーの様子

DNPの技術を体感できる施設「P&Iラボ・東京」

「P&Iラボ・東京」は、主に社外のパートナーとの「対話と協働」を実践するために構築・運用している施設。今回のオフィスツアーでは、体験ゾーンと技術ゾーンを見学しました。 体験ゾーンでは、アバターを利用した“暮らしの未来”や、ウェルビーイング(心身ともに良好な状態)をテーマにした“未来の居住空間”などを見学し、より良い未来への想像を膨らませました。 技術ゾーンでは、約250の製品・サービスを展示。今回は主な商品・サービスの展示物には、説明員として女性社員がスタンバイ。中高生たちは自由に巡り、説明を聞いたり、質問したりしながら、DNPの技術を間近で体感しました。

女性先輩社員と一緒に、自分を振り返るワークショップを実施!

次に5~6人ごとのチームに分かれ、グループワークが実施されました。自分の好きなことや、やってみたいことをチームで披露。それらを「わたしの樹」と題してフリップボードに書き出し、自分の考える未来を表現しました。

オフィスツアーの様子

「わたしの樹」ワークショップの様子

その後、それぞれのチームでリーダーを務めた社員が代表して「わたしの樹」を発表。みんなが描く未来を共有しました。
最後に、各チームの社員から参加者一人ひとりに本がプレゼントされました。机に並べられた本は全面をカバーで覆われ、見えるのは社員の“おすすめコメント”だけ。参加者はそのコメントを読みながら、ワクワクした様子で自分だけの一冊を選んでいました。

オフィスツアーの様子

「え~、どれにしよう」と迷いつつ、目を輝かせて選んでいました

文理選択に迷う中高生たちへ理系女性社員がアドバイス!

続いて、DNPで働く理系女性社員を代表してABセンター AI事業開発ユニット DX推進部第1グループの三石明佳李(あかり)さんが登壇し、パネルディスカッションが行われました。

オフィスツアーの様子

質問に答える三石さん

Q.

どんな仕事をしていますか?

A.

“まだ形のないモヤモヤ”を見つけて、“未来のサービスや商品”のアイデアを育てる仕事をしています。具体的には「AIを仕事でもっと気軽に使ってもらうにはどうすればいいか」というテーマでリサーチしながら、次に必要な機能やアイデアを考えています。

Q.

理系を選んだきっかけは何ですか?

A.

もともと理系科目が苦手だった私が、化学の道に進んだ理由は2つあります。1つめが、メイクが大好きで、オリジナルのコスメをつくってみたいと思ったこと。2つめが、予備校に通っていたときに「物の成り立ちを知る化学の知識さえあれば、薬や日用品をはじめ、あらゆるものがつくれるようになる」と化学の先生に教えてもらったことです。それがきっかけで、文明の基礎とも言える化学にロマンを感じ、理系の道に進むきっかけとなりました。

Q.

文理選択で迷っている人へのアドバイスはありますか?

A.

その時々の選択が必ずしも未来を完全に決めてしまうわけではありません。何かの選択をする時に一番大事なことは、その道を選ぶ“納得できる理由”を自分なりに見つけていくことです。そのために、自分の中から見いだせる「好き」や「面白い」という気持ちに触れる機会を増やしていくと良いと思います。

オフィスツアー参加者の感想

参加者

こんなに“ワクワク”が多い会社だとは思いませんでした! 社員の方に「薬剤師になりたいけれど、いろいろ迷っています」と相談したら、「化学や生物系など、薬に携われる分野はたくさんあるので、選択肢を広げてみては?」とアドバイスをいただきました。今日の体験は、自分の将来に絶対に役立つと思います。

[PR]提供:東京都